あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

2冊の絵本を読んで

2018-05-06 10:53:58 | Weblog


照る日曇る日 第1059、1060回



1)ブルーノ・ムナーリ著「たんじょうびのおくりもの」

トラック運転手のお父さんが、3歳の息子の誕生日にプレゼントを届けにいく。
最初はトラックだったのだが、故障したのでそのトラックの中にあったオートバイ、それが故障したので、内蔵されていた自転車、次にスケート、最後は2キロを歩いて到着するという、枚方の菊人形仕掛けのようになっている。

よく考えると、なんでトラックが壊れるのか、その中からいろんな乗り物が都合よく次々に出てくるのか、なんで親子は離れて暮らしているのか不思議だし、作意が鼻につくが、まあそこは絵本の楽しいカラクリということで。


2)ロイス・エイラト著「あかいはっぱきいろいはっぱ」
赤と黄色が美しく映えるサトウカエデの葉。そのカエデの特徴を紹介しながら、少年が父親の手引きで栽培していく。
絵本としては珍しい植物育成法伝授本であるが、私は「枕草子」第三十七段で清少納言が触れているカエデの記述のほうがもっと詩的であると思った。

「鶏冠木(かへでのき)のささやかなるに、萌出たる葉末の赤みて、同じ方にひろごりたる葉のさま、花もいとものはかなげに、虫などの涸れたるに似て、をかし。」

  延べ5千人の大捕り物はカラ振りでもぬけの殻なり尾道の島 蝶人

コメント
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