行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

コロナの渦中で成果を生んだ日本取材チーム「新緑」①

2020-08-27 09:56:33 | 日記
8月18日、在中国日本大使館の微博(ミニブログ)が「コロナ感染の渦中、汕頭(スワトウ)大学の学生が、日中青年交流を歌った主題歌を創作した」と題する記事を掲載した。冒頭に簡単な導入メッセージが書かれている。



「コロナの影響で、大学の海外交流プロジェクトはいったん停止せざるを得なかったが、汕頭大学新聞学院の第四次日本取材チーム『新緑』の熱意は少しも失われることはなかった。このほど、『新緑』のオリジナル・テーマソング『新たな出発』を創作し、チームのメンバーがオンラインで録音をして合唱を完成させた。このオリジナル曲は、チームが1年近く努力と奮闘を重ねてきた過程を歌っています。テーマソングの背景には、どのような物語があるのでしょうか?」

(日本大使館微博)https://card.weibo.com/article/m/show/id/2309404539232428621972?_wb_client_=1&from=groupmessage&isappinstalled=0

テーマソングは作曲も作詞、そしてオンラインでの合唱、さらにはMVの制作もみな学生が自分たちで行った。もともとは2020年夏の東京オリンピックに合わせて訪日し、それぞれのテーマに応じて取材をする予定だったが、当面、コロナの影響で来年の春まで延期せざるを得なくなった。ただ最後まであきらめず、みなそれぞれの自宅からオンラインで連絡を取り合い、会議を開き、今の自分たちにできることを続けてきた。その集大成がテーマソング『从新出发(新たな出発)』として結実した。

テーマソングのMVはすでに8月6日、著名動画サイト『梨視頻』で、「コロナは世界を停止させたが、汕頭大学の若者たちは『新たな出発』を選んだ」とのタイトルで紹介された。



(梨視頻サイト)https://www.pearvideo.com/video_1679049?st=1&from=groupmessage&isappinstalled=0

以下が歌詞と拙訳である。

♪从新出发 新たな出発♪

窗前 树枝上 新绿现     窓の外 木々に 新緑が現れる
暖风艳阳里 夺目耀眼     暖かい風 まぶしい日差しの中 目を奪われる
冬日变成了昨天     冬はもう過ぎ
雨夜里的空树枝 长出了 叶万千     目を覚ますと 冬枯れの木に たくさんの葉が芽吹いている

山间 路两旁 淡雪化     山間の道端 雪は溶け始め
樱花 绽放挂满了 枝桠啊    桜の花が 小枝にぎっしり咲いている
迎寒风 饮霜雪     寒風を受け 雪に打たれても
她期待春日     春の日を心待ちにし
终于开出了花     とうとう花開いたのだ

看 春来了 窗前树 茂盛挺拔     見てごらん 春が来た 窓の外の木に力強く生命が宿っている
坚强的根 绚烂的花     たくましい根に 美しい花
梦想 不是吗    夢ではないでしょう
用热情 浇灌它     情熱の水を与え
终有一天会长大     いずれ大きく育つ

看 艰难困苦 我们 什么都不怕     困難や苦労もあるけど 私たちはなにも恐れない
一步一步 终会抵达     一歩一歩 いずれはゴールにたどりつく
怀揣最初的热情     初心の情熱を抱いて
出发吧     出発しよう
从新 出发    新たな出発を

私は毎朝、この歌を聴いて励まされる。メンバー12人の半分は大学院進学の準備があり、延期後の活動には参加できない。それでもこの歌に思い出を託そうとした。確かにコロナは人の動きを止めた。だが、気持ち、情熱を抑えることはできない。後ろ向きなニュースが多い中、彼女たちは不屈の精神と希望を伝えた。たとえ計画は実現できなかったとしても、余りある成果を残した。そんな彼女たちの軌跡を、何回かに分けて紹介したい。

(続)

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