行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

【日中独創メディア・経済編】産みの苦しみを抱えた中国経済の現地リポート

2016-02-24 07:58:17 | 日記
先月14日、印刷が仕上がったと連絡の合った世界図書出版公司『日中関係は本当に最悪なのか 政治対立化の経済発信力』(2014 日本僑報社)の中国語版『我来中国做生意』がようやく中国国内での販売をスタートさせた。常に日中関連情報をウオッチされている日本国際貿易促進協会編集部の大谷俊典氏から「中国アマゾンにアップされています」と教えてもらい、気づいた次第である。

http://www.amazon.cn/%E6%88%91%E6%9D%A5%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%81%9A%E7%94%9F%E6%84%8F-%E5%8A%A0%E8%97%A4%E9%9A%86%E5%88%99/dp/B01BXR2B0A/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1456202298&sr=1-1&keywords=%E6%88%91%E6%9D%A5%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%81%9A%E7%94%9F%E6%84%8F

同書は中国での日系ビジネスにかかわる日中の関係者30人以上が、それぞれの立場から現場の実情を伝えたリポートである。現在の日中関係は「最悪」と言われるが、経済の現場ではピンと来ない。世界最大の人口を抱える一大消費地・中国で、世界の企業と切磋琢磨の競争にさらされているのが現状である。むしろ生産拠点から消費地へ、投資から内需へと構造改革をする中で、産みの苦しみを抱える中国とどのようにかかわっていくか、という切実な問題を考えるヒントになるのではないかと思う。

中国語版が誕生する、必ずしも順調でなかった経緯についてはすでに先月14日詳述したので触れない。ただ、土壇場の最終審査で、日中歴史教科書の違いから文化の相違を語った稲葉雅人氏の「歴史的記憶を超える」と、中国官僚の米国留学の実態を描いた稲垣清氏の「中国のハーバード大研修と日中人材交流」がそれぞれ削除されたのが残念であることを改めて明記する。いつかきっと、この二つの原稿を加えた完全中国語版を発行する。あきらめないことが肝心だ。

中国での出版を受け4月2日、北京で記念講演会を行うことになった。有力執筆者の1人である蘇州石川制鉄有限公司の塩谷外司氏を招き、30年に及ぶ中国との付き合いについてお話をして頂く。同社は中国高速鉄道のレール留め金を生産する工場を持っている。30年の経験は中国が改革開放のスタートから高度成長、そして現在の経済大国化に至る道のりを映し出す。

また今回の翻訳は、日本と縁の深い中国の若者たち11人がボランティアで参加してくれた意義深いものである。代表の高華彬氏にもスピーチをお願いする。中国語版の出版を引き受けてくれた30年来の友人、李晨生(中国トーハン出版株式会社社長、NPO日中独創メディア会長)も参加することになっている。出版を含め伝統的なメディアは苦境に立たされているが、正しい情報を発信する事業の意義は失われていない。むしろその役割はより重要さを増していると考える。

塩谷氏については2014年8月24日、読売新聞国際面に掲載された拙稿を参考のために添付させて頂く。


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