9月23日、成田空港に向かうため東京駅から成田エクスプレスに乗ろうとしたが、家を出て間もなく、国際線乗客の激減で運航が停止されていることを知り、急きょ日暮里からの京成スカイライナーに切り替えた。
実際、閑散とした空港に着いて、外国を結ぶ人の流れが途絶えていることを実感した。行列ができているのは、私の乗るアモイ航空・福州便と、隣の中国南方航空・広州便だけだった。
チェックイン・カウンターで、携帯を使って中国通関当局に対する健康状況申請をするよう求められた。過去2週間の滞在場所やコロナ感染者との接触、自身の健康状態などを尋ねる内容で、ごく簡単なものだった。私はPCR検査陰性の結果を持参したが、必要ないと言われた。
チケットの裏には説明書が添付され、香港・マカオ及び外国からの旅行客は現地で14日間の集中医学観察(隔離)を受けること、費用は自分で負担することが書かれていた。
搭乗直前に体温チェックがあり、マスク着用も義務付けられた。機内は満席で、客室乗務員は防護服だった。軽食がすでに座席の上に置かれていて、乗務員との接触はほとんどなかった。
フライトは順調で、現地時間の午後6時過ぎには福州長楽空港に到着した。すでに日は暮れていた。後部座席だったのでしばらく機内で待たされたが、降りた後は、成田で通関に申請した内容のチェックと、問診、鼻に綿棒を差し込むPCR検査を受け、入国手続きを済ませた。作業に当たるスタッフが多く、流れ作業も効率的で、すべての手続きは1時間余りでスムーズに終わった。
荷物を受け取ると、空港の出口で名前を確認され、他の乗客と一緒にそのまま用意されたバスに乗り込んだ。この間、接触したスタッフはみな防護服で、厳重な管理が徹底されていることを感じた。
1時間ほどバスに乗り、隔離先のホテルに運ばれた。すでに夜の9時近かったので、周囲の様子はわからなかったが、どうやら山に囲まれた観光地のようだった。貴安新天地という地名が見えた。
まずホテルの駐車場に乗客の荷物がすべて並べられ、一つ一つ消毒液を吹きかけられた。そのあと、裏口からエレベーターに乗って8階に直行し、特設のカウンターで書類と部屋の鍵を受け取った。部屋は15階だった。
入り口の台には夕食の弁当が置かれていた。部屋はリビングと寝室がそれぞれ広く、浴室もバスタブ付きだった。五つ星に近いグレードだ。
説明書には、毎日の宿泊費270元、食費70元、計3回のPCR検査費毎回95元、と断り書きがあった。いよいよ2週間の隔離生活が始まった。
(続)