本の森ちゅうおう

　22期の常木です。夏日まで記録される気温の異常なアップダウンに、再び増加傾向にあるコロナ。そして大量に降りそそぐ黄砂。春のうららの隅田川とはかけ離れた4月になっていますが、皆さまお元気でしょうか。

 

　さて、今回は八丁堀に忽然とできた「本の森ちゅうおう」についてお話します。私は本好きです。とは言え、読書家と言えるかどうかは疑問で、どちらかと言えば大きな本屋を歩き回って何時間も過ごすことが大好きです。今、どんなビジネス本が売れているのか、どんなトピックが雑誌の特集になっているのか、好きなコミックの新刊はでているか、本屋大賞の候補作は、どんなビジネススクール系の洋書が翻訳されているのか、次の旅はどこにしようか、早く走ったり泳いだりするための新しいハウツー本は出たかな、等々考えながら何時間でも徘徊しています。そういった中で偶発的な情報との出会い、そうです、セレンディピティを求めています。

 

　本屋に限らず、図書館も良くいきます。本屋に比べるとワクワク感は減りますが、最新の雑誌は読めるし、なんせお金を使わなくてよいのが最高です。住んでいる文京区の図書館は昔から変わらない作りの図書館が多いです。閲覧室では受験生が必死に教科書や問題集と格闘しています。私もつい数年前は、受験生と同じようにTACの問題集や過去問に取り組んでいました。

 

　そして今日の本題なのですが、今の職場がある八丁堀に最近素晴らしい図書館が完成しました。110年以上の歴史をもつ京橋図書館がリニューアルされ、「本の森ちゅうおう」として、オシャレに生まれ変わりました。大きなガラス窓からは自然光が降り注ぎ、明るく開放的な空間を作り出しています。床は流行りの芝生調のカーペット。それに一人で落ち着いて閲覧できる、少人数用の小さなテーブルが多数設置されています。居心地の良いオフィスの様で、会社の人たちには「僕が作りたいオフィスを体現しているから、是非行ってみて！」と言ってまわっています。

 

　前回行ったときに初めて本を借りてみたのですが、自分でテーブル状の機械の上に借りたい本を複数重ねて置いた後、自分の図書カードをセンサーにかざすだけ。それだけで全ての本の情報がシステムに入力され、貸出期限が書いたレシート的な紙が出てきました。お皿を重ねてピッとやる、最近の回転寿司の会計に似ています。ちなみに先日初めて借りた本は、東野圭吾の「ラプラスの魔女」でした。500ページもある文庫本を通勤時と寝る前に読んでいます。

 

　八丁堀は仕事で往復するためだけの場所でした。そこにどんな人々の暮らしがあるかなど、ほとんど意識することもなかったのですが、図書館ができて、そこに通い始めてからは違います。図書館は地域密着のコミュニティなので、住んでいる人々やこの地域を拠点に活動している人々の様子を窺い知ることのできる場所です。何度も行くようになると、この街に不思議な親近感が生まれてきました。診断士活動も、地域性を知ることは重要だと思います。そういう意味では地元の図書館は様々な角度から情報に触れることができるホットスポットですね。

 

　更には、1階にはオシャレなカフェがあり、ちょっとしたランチもできます。そして、まだ行ったことはないのですが、屋上庭園があります。今度、仕事に行き詰ったときは、屋上庭園を散歩しながら脳をリフレッシュさせてみようかなと思っています。ただ、黄砂のシーズンが終わってからにしようかな。