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二酸化炭素と産業革命

2021-05-20 12:00:00 | 20期生のブログリレー

 こんにちは、20期生の岡田です。
 今回のブログでは、最近注目度が増している二酸化炭素に関して、産業革命の視点から考えてみました。

 産業革命前の大気中の二酸化炭素濃度は280ppm程度と推定されています。第3次産業革命の後半と考えられている現在は、その濃度が400ppmを超える水準となっています。産業革命が二酸化炭素濃度に影響を及ぼしていると考えられ、その濃度上昇の度合いは第1次産業革命、第2次産業革命、第3次産業革命と技術が進歩するほど大きくなっています。

 それぞれの産業革命の時期を正確に区切るのは難しいですが、第1次産業革命が1700年代後半から1800年代前半、第2次産業革命が1800年代後半から1900年代前半、第3次産業革命が1900年代後半から2000年代前半と考えることが多いようです。それぞれの時代の産業を自分なりに解釈してみます。

 第1次産業革命の代表と言えば、蒸気機関です。蒸気機関車や蒸気船が開発されて人の移動や工業の発展につながりました。蒸気機関の燃料は石炭です。石炭が移動手段の燃料として使われ、石炭を用いた製鉄法のこの頃に発展して工業化を支えていました。最近は世界中で負のイメージで脚光を浴びている石炭は、当時の立役者です。ただし、この時期の日本は鎖国をしていたので、この技術開発には関わっていません。蒸気船の来航によって日米和親条約を結んだのは1854年ですから第1次産業革命がかなり進んだ状況です。蒸気機関の発明により江戸幕府が終わったというのは、ちょっと言いすぎでしょうか。蒸気船により交易が活発になったのは確かなことだと思います。それまで使われていなかった石炭を燃焼させたことで二酸化炭素の排出量が増加したことは容易に想像できます。

 第2次産業革命と言えば、ガソリンエンジンを代表とする内燃機関と化学工業が思い浮かびます。内燃機関により動力源は小型になり、自動車や飛行機が移動の主役になりました。化学工業では石炭や石油を原料にした技術が発展しました。石油化学製品も大事ですが、やはりポイントはアンモニア合成技術だと私は思います。空気中の窒素からアンモニアや尿素を合成して肥料が作れるようになり、農作物の生産量が上がって人口増加に寄与しました。この人口増加が森林破壊やエネルギー消費の増大を導き、二酸化炭素濃度の上昇に影響を及ぼしたと考えられます。石油の消費や人口増加によって二酸化炭素の排出量は、それ以前よりも増大しました。

 第3次産業革命はコンピューターや産業機械、通信技術と言われています。これにより電力の重要性が増大し、電力使用量をベースにエネルギー消費量を表すことが散見されるようになりました(それまでよく知られていたのは原油換算)。電力は2次エネルギーであり、石炭や石油などの化石燃料や自然エネルギーなどから発電されます。そういう意味では、第3次産業革命の電力は、第1次産業革命の石炭、第2次産業革命の石油と同等には扱えません。しかし、産業革命の動力源という意味では、電力がその代名詞となり得ると思います。クリーンなイメージの電力ですが、第3次産業革命ではエネルギー消費が増大して、二酸化炭素の濃度上昇もそれまでより加速されています。省エネによる電力消費量の削減や、電力源を化石燃料から自然エネルギーへ転換することで二酸化炭素の排出量を削減できるといいのですが、そう簡単ではなさそうです。

 それぞれの産業革命で、人や物の移動手段や物の生産方法、交流や交易の手段やスタイルが変わりました。これから来るだろう第4次産業革命はどのようになるのでしょうか。脱炭素、カーボンニュートラル、SDGsなどが叫ばれていますが、産業革命の中心となる技術はすでにどこかで生まれているのかもしれません。早めに先読みしてビジネスチャンスにつなげたいものです。

 お付き合いいただきありがとうございました。

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コメント (2)
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