お疲れ様です。17期錦織です。ここ数年、デジタル分野で、テーマに上がってくるキーワード「DMP(Data Management Platform)」についてお話ししたいと思います。
DMPとは、「ユーザー(お客さま)のデータを、統合して管理する、主にインターネットと連携させて活用できるプラットフォーム 」を指し、様々なデータを一元管理できるシステムです。大量のデータを持っている大企業で注目されているもので、まだまだ定着していませんが、今後、DMPのサービス精度が上がり、細かなパーソナルデータを安く管理できるようになると、あらゆる企業でも利用の可能性があるのではないか、と思っています。
データを統合的に管理できることで、一般的に以下のようなことができるようになったといわれています。
①セグメントに合った広告配信 ⇒ おもに、パブリックDMP
②CRM、メールマーケティング、自社サイトでの最適な情報配信 ⇒おもに、プライベートDMP
という分類がされます。
①パブリックDMP
外部メディア(Yahooなど)が保持しているデータで、ユーザーの行動データやユーザー の興味関心を蓄積しており、それを活用した広告配信プラットフォームを指します。自社が持っていないユーザーを活用し、セグメントに合った広告配信できる、と言われています。
②プライベートDMP
自社の顧客データを統合し、管理・活用できるDMPのことです。自社で持っている自社固有のお客さまのデータを保管しています。
最近では、このパブリックDMPとプライベートDMPの外部データを組み合わせて使うということがいわれています。
ですが、①、②を活用するというのは、自ずとECサイトに限られると思いますが、現時点では、大規模事業者ばかりで、今後普及するには、ハードルを下げる必要があり、大きく二つの課題があります
課題1:価格
プライベートDMPという外部サービスを利用するにあたり、導入とランニングにおいて、コストが発生します。この金額を払えるECサイトはそれなりのサイトと思われ、中小規模のECサイトでも導入できるような廉価版が望まれます。
課題2:事業規模
ECサイトで扱うアイテム数、対象となる顧客数が少ないと、あまり意味がありません。それであれば、自動で広告配信したり、メールマーケティングするより、手作業でレコメンドした方が効率がよいことも考えられます。
では、課題1、2を乗り越え、もっとDMPが普及するにはどうしたらいいかというと、もっとDMPの成果がでて、さらに、廉価版の製品が出てくることが待ち望まれます。
個人レベルで課題解決できるものではありませんが、情報感度を高めておくことで、トレンドに乗った、デジタルマーケティングへの準備はできます。
豆情報ですが、
パブリックDMPというのは、私の見聞きしている感覚では、あまり成果を出せている企業はないのではないか、というところです。
オープンデータ(Yahooなどが持っているデータ)を、セグメント別に分けて、より効果のある広告配信をしましょう、ということなのですが、そのセグメントを分けたデータというのも、正直、本当にわけられているのか?というのが疑問だからです。男女というわけも、何割かは間違えたセグメントである可能性もあります。
このまま成果がでていないと、廉価版にいたるまでの普及はないかもしれません。
一方、プライベートDMPについていえば、DMP以前から、データウェアハウス(DWH)を構築している大企業は、DWHに自社の顧客情報を一元管理し、CRMなどで、リアル、デジタルメールマーケティングなどにつかうなどしており、これがプライベートDMP化していけば、さらにDMPは進化するのではないでしょうか。
ただし、たくさんデータがないと意味がないので、小規模でも意味ある大量のデータを扱うようにならないと、中小規模のECサイトでは使う余地は少ないかもしれません。
その可能性としては、Google analytics 360というGoogleアナリティクスのスイート製品があって、その中に、Google オーディエンスセンターというものが含まれ(まだ世に出ていないと思っているのですが・・・)、このオーディエンスセンターというものが、安価もしくは無料で提供されるようになれば、使った成功事例などが出てくるのではないか、と思っています。