定年 再就職とシネマの日々(旧かんちゃんSr.のオヤジな日々)

あと3年で70の大台です。再雇用の職場も定年、パート仕事をしています。映画と写真を愛しているオヤジです。

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像

2023年05月18日 20時27分00秒 | 日記

1980年ニューヨークの公立学校、
6年生の教室に漠然と芸術家を夢見る主人公がいる。白人のユダヤ系中流家庭の一員。教師は偏見のかたまり。留年生の黒人少年を目の仇にしている。
主人公は(芸術家志望ゆえ?)学校にも家庭にも、何となく居場所がなく、唯一黒人少年とうまが合っ
て、その後の交流が学年の初日の教室で始まる。

祖母は黒人も通う公立学校が我慢ならず、兄が学ぶ私立学校への転校を主張し、結果 良家の子女の通う私立学校の生徒に(心ならずも)。

家族で主人公を理解するのは、祖父ひとり。ウクライナからアメリカに移住し、辛酸を舐めたユダヤ人であるから、孫との何気ない会話に人生哲学を語る人。

転校した私立学校でも気乗りがしない日々を送る主人公の少年、とうとう付き合いが続いている黒人の相棒と悪事をはたらくことになるのだが...

アルマゲドンは終末。
被差別の歴史を持つユダヤ人が、
黒人に対しては優位に立とうとする、1980年代はまた同性愛者差別社会でもあった。
少年個人としては、大好きだった祖父との別れという終末を経験する。
その時代は大きく解釈すれば、差別という誰しもが抱く感情からの別離の時、その端境期を表すのが、この作品のタイトルなのか。

アンソニー・ホプキンスが祖父、
PTA会長でコンサバティブな母親をアン・ハサウェイが演じた、まだまだ若いと思っていたが。