定年 再就職とシネマの日々(旧かんちゃんSr.のオヤジな日々)

あと3年で70の大台です。再雇用の職場も定年、パート仕事をしています。映画と写真を愛しているオヤジです。

含蓄のある美男美女なし作品

2023年03月14日 18時24分00秒 | 日記

ほとんど話題に上っていない韓国映画。89席の部屋に観客2名。
観て良かった!

韓流イケメンも美形女子も登場せず、恋愛やお涙頂戴要素もなし。

キャリア10年の女性映画監督、作品は鳴かず飛ばす。家族は夫と大学生の息子、家事を放棄しているから、夫とは家庭内別居。食事を作らないから、息子は3食付きの兵役を志願した方がマシと考えている。(笑うところではないが可笑し)

背に腹はかえられず、旧い映画の修復のバイトを引き受ける。1962年制作 韓国初の女性監督の作品。
途中から音無しの上に、製作当時の検閲?のため一部のフィルムが欠落しストーリーが繋がらない。もちろん台本も遺されていない。

図らずも、自分と同じ女性監督の足跡を辿る作業から始めることとなるのだが。BGMもなく、坦々とストーリーが進んでいく。昔の女性監督の内面を探ることが、
自分と向き合うことと重なっていく過程で、深みのある作品になっている。

主演はイ・ジョンウン、ドラミちゃんのようなビジュアルだ。『タクシー運転手 約束は海を越えて』
『焼肉ドラゴン』『パラサイト 半地下の家族』でも個性ある役を演じた。
欠落したフィルムが不測の場所から出て来るシーン、静かに興奮を
おぼえた。(ちょっとネタバレ)