はやしんばんぱくの、めげてめけめけ、言論の不自由ブログ

全国各地へ飛び回り、めげてめけめけめげまくり、色々書いていましたが、ブログ終わりました。過去を読めばいい!サラバじゃ~!

『銀河』卒業メモリアル・宮崎。

2009年03月09日 17時04分33秒 | 出張中の日常シリーズ
「卒業は1つの区切りで
次へ向けての片道切符である。
そんな区切りが無くなるなんて想像するだけで
ゾッとするのだ…」
談)ばんぱく。

なんてな~。

卒業シーズンである。
本日より九州出張の為、羽田空港へ。
空港はあっちゃらこっちゃら卒業旅行の若者でごった返していた。
ウッキャキャッ!ウッキャキャッ!
サルみたいにはしゃいで皆楽しそう。
仲間との別れに胸が張り裂けてしまいそうなちぐはぐで切ない気持ちを
狂い、はしゃぐ事で隠しているかのようだ。
んな訳ない!
ただ単純に卒業イコール解放感で
テンションアゲアゲになっとるだけだ。

ただ若者よ。

・危ないよ 動く歩道で 猛ダッシュ!

・団体で 金属探知機 鳴りまくり!

最後に短歌で締めまして

・飛行機で 駆け込み乗車? ありえねぇ!
しかも携帯 話しながらて!

楽しい旅はマナーから。
『日本トラベル振興協会』からのお知らせでした。
そんな団体ねーーーっ!

いやはやこんな事思ってしまうなんて
僕もすっかり若さから卒業して、おっさんになっちゃったんだなぁ。
にしても、おいおい!
自分が彼ら彼女らの歳の頃なんて
マナー通り越して
人としてヒドイ、ふらちな悪行三昧だったクセに!
現代の若者にそんな事言えたぎりか?
桃太郎侍に叩き斬られてまえ!
「お前が若者にとやかく言う資格はねぇっ!
でやーーーっ!」

“ズババーーーッ”

うぎゃ~っ!

さて、
卒業というとこんな歌を思い出す。

♪春はお別れの季節です
皆旅立ってゆくんです
淡いピンクの桜
花びらもお祝いしてくれます

ずっとこのままでいたかった
時は思い出の宝箱
そんな悲しまないで
大人への階段をのぼりましょ

じゃあね そっと手を振って
じゃあね じゃあね
ダメよ泣いたりしちゃ
あぁ いつまでも私達は
振り向けばほら 友達♪

『おニャン子クラブ』の『なかじ』卒業時シングル『じゃあね』である。
『おニャン子』世代な僕は
このシーズンになると何故だかこの歌が
フッと頭をよぎるのだ。
おっさんキモいかもしれんが
よぎっちまうものは仕方ない。
卒業っつって、この歌がよぎると
おっさん胸がキュンキュンしちゃうのだ。
だからキモいってっ!

僕の場合の卒業て
次への不安はあったものの
どちらかと言えば期待のが大きかった様に思う。
それは次のステップに対する期待などではなく
“式”そのものへの期待だ。
ははは。
なんじゃそれ!

“式”って1つの区切りの祭みたいなもんでしょ。
よってたかって送られるのかと思うとワクワクしてくるのだ。
“式”が人生をリセットしてくれるっちゅう感じもあったしね。
その時々でそれぞれ華々しく感動的に
趣向を凝らしたグランドフィナーレが行われる。
だからとても楽しいっちゅう訳。

その逆で入学式は希望に満ち溢れているようで
決してそうではない。
初めての場所で形式ばったつまらない“式典”に
真新しい“ヤバい”格好で座っていなければならない。
周りは当然知らない奴ばかり。
こいつらとこれから数年過ごしてゆくのかと思うだけで
何だか不安でいっぱいになったりする。
まぁそんな不安も新生活が始まっちゃえばすぐに消えるのだが。

幼稚園、小、中、高、大と区切り区切りで生きて来た訳だが
僕は昔、よく“大人になったら”っちゅう事を考えて
憂鬱になっていた。

大人になったら区切りが無くなるんじゃなかろうか。
自分の責任で自分自身で何らかの道を選択し
その道で“半永久的に食って、生活して”行かねばならんのじゃなかろうかと。
『サザエさん』の様に同じ事を繰り返し
死ぬまでグルグル終われないんじゃなかろうかと。

アホだ。
定年があるし、転職もあるのに。
ただ、もし区切りがない人生があったらと考えたら
何だか憂鬱で途方に暮れてしまう。

羽田空港からANAで宮崎空港到着。
仕事開始時間より1時間30分程早く着いた為
取引先さん近所の『TULLY'S COFFEE』にて時間潰し。
分煙の為喫煙ルームに入ると
奥テーブルに腰パンにアクセジャラジャラな
ヒップホップ系の若者が15人程
輪を成して座っていた。

なんか怖ぇな…。
少し離れた席に腰をおろす。
しかし、彼らは一体何者なのか?
くつろぎながら様子を伺う。

中心にいる比較的年齢上っぽい人物が若手1人1人に
今までとこれからの仕事への取り組み方みたいな事について意見を促している。
話を盗み聞きしているうちに
どうやら彼らは仕事上がりの私服ホスト達らしいという事が分かった。

「自分は先週もずっと考えていたんすが
指名を増やす為には
自分にはまだまだ積極性が足りないのではないかと
思っているっす。
自分の努力が積極性を生み
その積極性がお客様を生み
そのお客様が売り上げを生み
また自分を大きく育ててくれ
店にも活気が生まれる。
自分は明日よりそこらへんに重点をおき
仕事に挑んでいけたらと考えてます。
ウッス!以上です!」
すると全員が
「ウッス!」

熱い…。
ここは南国。
土地も熱いが人も…
いやホストも熱い。

で比較的年齢上っぽい奴が次の発言者を指名。
「じゃ次、“銀河”」
「ウッス!」
え!?
ぎ、“銀河”!?
源氏名だろうが…
“銀河”…
ちょいと“銀河”見たれ。
お!“銀河”カッコイイ!
THEホスト!って感じ!
で、その銀河が
「ウッス!自分は…」
みたいな調子で語り出す。

彼らは毎度閉店後に
ホストクラブ内の熱い会議を
こうしてここで頻繁に行っているのだろう。
真面目なホスト達じゃないか。
なるほどなぁと僕は
タバコをくゆらせながら
コーヒーをひとくち。
すると“銀河”の口からとんでもない言葉が飛び出した!

「ウッス!
自分…この世界辞めたいと…。
いや、
自分ホスト向いてないっす!」
ざわめく他のホスト連中。
“ブッ!”
コーヒーをちょこっと吹き出す僕。

「ここ数日真剣に考えたっすが
こんな浮わついた気持ちのままホスト続けても
自分に対して良くないし
店にも迷惑かけちまうし
すみません。
俺、店ぬけさせてください!」

えぇ!?
な、何これ!?

「“銀河”さん!」
若手が叫ぶ。
「ごめん。
なんつうか俺、もう精神的にも限界なんだ」
「だって“銀河”さん、ずっとトップだったじゃないっすか!
何すか、突然どうしちゃったんすか!
オーナー!
“銀河”さんとめてくださいよ!」

何だ!?
この熱いやり取りは!?
そして“銀河”とやら!
何があった!?

あ、比較的年齢上っぽい奴はオーナーだったのね。
で、そのオーナーが口を開く。
「そうだな“銀河”。
今のお前の状態で店に立たれたら
うちに迷惑かける云々よりもな
お前についていたお客様を裏切っちまう事になるだろう。
そして何よりそれは
お前自身を裏切る行為に繋がるわけだな。
モチベーション上げていかなければ
たちまち転落するのがこの世界。
お前の望む通り
別な世界で自分見つめ直す事が
今のお前には必要なのかもな。
いいだろう。
ただし今月いっぱいは働いてもらう。
今までお前に尽くして来てくれたお客様に
お前なりの恩返しの時間だ。
それから先はお前次第。
カタギな仕事に就こうが
別な店に行こうが
好きにすれば良い。
ただ
俺達はいつでもお前の帰りを待ってるぜ。
“ナンバー1銀河”の帰りをな」

「オーナー!」
「“銀河”さん!」
なんじゃこれーーーっ!

宮崎の中心街。
メイン通り横の『TULLY'S COFFEE』
ここにまた1つの、
熱い“卒業ドラマ”を
見たのだった。

“銀河”
ホスト卒業
おめでとう。

ウソの様な本当の話。

♪じゃあね そっと手を振って
じゃあね“銀河”
ダメだ 泣いたりしちゃ
あぁ いつまでもホスト達は
振り向けばほら “ダチ”!♪

じゃあねっ!

めけめけ~。

写真。熱い南国宮崎と言えばこいつ!