はやしんばんぱくの、めげてめけめけ、言論の不自由ブログ

全国各地へ飛び回り、めげてめけめけめげまくり、色々書いていましたが、ブログ終わりました。過去を読めばいい!サラバじゃ~!

祭の国に行きたくて♪

2009年03月06日 20時06分15秒 | ほのぼの日記シリーズ
桜開花予想が発表された。
東京の今年の開花は3月25日頃と
例年に比べかなり早いらしい。

まぁでもあちこち咲ききってるのに
例の場所
そう、靖国神社の
例の桜
そう、ソメイヨシノが咲かない事には
無事“開花”とならん訳だから
開花予想日前日の24日には
是非ともその桜の木周囲を取り囲むようにして
巨大ハロゲンヒーターでも置いて
ガンガン温めてやり
ドンピシャ25日に開花させて欲しいものである。
実際やったら即逮捕だろうけど。

でも
予想を現実にしろっ!
っつっても僕
25日に花見の予定が入っている訳じゃないんだけどね。
なんかワクワクするじゃない?
“開花”!
って。
“祭”!
みたいで。
“KAIKA!”“MATURI!”
“YAZAWA!”
みたいな。
なんじゃそりゃ!

いやまあ、
桜が咲いたぞ、春が来た!飲めや歌えのお祭り騒ぎだ!
わっしょい、わっしょい!
みたいなウキウキワクワクの純情な感情が空回り。
ただそれだけの理由。

その花見のお誘いメールが昨日入って来た。
うちら“悪友軍団の花見祭”だ。
毎年行われているのだが
これが毎回全くの時期外れに集まっている。
まだ咲いて無かったり
もう散っちまってたり。
んでもって何故か雨が多い。
今年の“悪友軍団の花見祭”は4月の頭。
久々にドンピシャな花見になりそうだ。
お誘いは悪友『けんけん』(仮名)の弟『たけちん君』(仮名)から。
毎度色々こまめに手配してくれている有難い奴だ。
感謝感謝!

場所はまだ未定なようだが
んなもんはどこでも良い!
おもろい仲間が集まって
ヤイノヤイノと
美味い酒が飲めて
その酒にうつる
ゆらゆら揺らめく綺麗な桜を拝めれば
それだけで良い!

昔、そんな“悪友軍団の花見祭”を
何と5月に開催した事があった。
当然桜は…
散っているっちゅうレベルでなく
全裸に緑の衣をまといっちゅう状態!
しかも雨!
強い雨!
その日にしか皆が集まれなかったのだから仕方ないが
にしても花見…するかぁ?
居酒屋行け!

そんな忠告も無視かまし
僕らは地元埼玉の
本来なら桜が蘭々と咲き乱れているハズの某土手に
雨ん中ワラワラと集合。
どうせなら『笑笑』にでも集合すりゃ良かったのにね。
酒やツマミや弁当なんかを買い込んで
さぁ、祭開催だっ!

“ザァーーーーー”

………寒い……冷たい…

橋の下に移動。
そこでやむはずのない雨がやむのを待ちながら
御座を敷いてとりあえずバーチャル花見を始める事に。
一同、常に小刻みに震えながら酒をあおる。
寒くて寒くて
コップを持つ手がガタガタ揺れる。
体はまさにマグニチュード7.2震度7強の激震といった具合。
コップん中の日本酒は
手がびちゃびちゃになる程の津波が発生していた。

「あわわわ、そぉこぉのぉぉ
あわわわ、チィイィカァァァマァァァ
ガチガチガチガチ、取っっってぇぇぇくれぇぇぇ」
「スゥ~ッハァ~ッ
ガクガクガクガク
はぁぁぁぁぁいぃぃ」

凍えた体を温める為に
ドンドコドンドコ酒を飲む。
飲んだそばから凍える。
飲む。
凍える。
飲む。
凍える。
酔えない……。
そんなアホな“花見ない”をしていると
土手の遠く向こうの方から
犬を連れたお婆さんが
こちらへ近づいてきた。
お婆さんは傘をさしながら
わんこはびしょ濡れでめちゃめちゃはしゃいで
1婆1犬、楽しい散歩の様だ。

「この雨で寒い中散歩かよ。
どんどんこっちに近づいて来るなぁ。
あぁいう老人は話しかけるとすぐ戦争の話すっから
気をつけた方が良いぞ」
と、僕。
でも向こうからしたら
この雨で寒い中
橋の下で宴会かよ!
あぁいう若者は話しかけるとすぐ戦時中の強盗団みたいに襲いかかってくるから
気おつけた方が良いわ~な~
と思っていたかもしれない。

構わず“震える花見ない宴会”を続けていたら
案の定お婆さんが話しかけてきた。
面倒くせぇなぁと思いつつも
僕らのこの状況と事の成り行きを説明するも
お婆さんはちんぷんかんぷんな様子。
そりゃそうだ。
花が散りきってんのに
雨降ってんのに
寒いのに
橋の下で若者達が
“花見”をしていると言うのだ。
こんな状況お婆さんサイドからしたら
ナンセンスに他ならない訳。

するとお婆さん。
「私も戦時中に疎開先の防空壕の中からお花見した事あったわぁ。
あの時代はねぇ…」
出たぁーーーっ!
やっぱし出たかっ!
戦時中話っ!
馬券はロクに当たらねぇのに
こんな事で予想的中!

僕らは呪いにかけられたかの様なうつろな目付きで
お婆さんに戦時中話を聞かされた。
時は戦時中へとタイムスリップ。
しかしその話は左の耳から右の耳へと
ツーツーに抜け

→→→→→→→→→→→→

と垂れ流されていく。
たる~いたる~い時間。
いったいどれくらいの時が流れたろう。
その時
悪友『けんけん』の奇声が
その生ぬるい戦時中を切り裂いた!

「うぎゃあ!」

お婆さんの戦時中に気をとられて
ぼーっとしていて気付かなかったのだが
僕らがウツロになっていた最中に
お婆さんの犬が
僕らのツマミを食い散らかしていたのだっ!
ツマミがっ!
ツマミがぁーーーっ!

あらやだこの子。
ごめんねぇと
悪びれもせず
お婆さんと犬はそそくさと去って行った。

“ザァーーーーー”

………寒い……冷たい…

僕らの花見会場は
まるで空襲後の焼け野はらの様に
はちゃめちゃにとっ散らかっていたのだった。

♪祭の国に行きたくて
河を下ってさがしにゆく
のんびりゆこう 小舟に揺られて♪
『ボガンボス』の歌のように
ゆらり揺られて“祭”を求めたくなるような季節だ。

インドネシアの人達は
“祭”があるとその前後十数日は全く働かなくなるという。
“祭”に全精力をそそいで
仕事などそれどころじゃねーっちゅう事だ。
それだけインドネシアの人達にとって“祭”は生活や人生と密接で
大切な行事の1つなのだろう。

ギスギスした現代。
僕らもたまには浮かれ気分で
インドネシアの人達の様にとまではいかんにしても
まぁそれくらいな気持ちで
“祭の国”に行きたいもんです。

さて、もうじき桜の季節。
祭だ祭だっ!
わっしょいわっしょい!
ほんの一時辛い事などスカッと忘れて
パァッとパァッといきまっしょいっ!

いや、無理せず
凍えず
泥酔しない程度にね。

めけめけ~。

写真。河津桜。