したのやムラ便りG

東京の片隅に眠る下野谷遺跡。「したのやムラ」と呼ばれる縄文のムラがありました… (non official site)

茨木のり子

2011年02月18日 05時25分25秒 | かめしーたのひとりごと

倚りかからず

                                                         

もはや

できあいの思想には倚りかかりたくない

もはや

できあいの宗教には倚りかかりたくない

もはや

できあいの学問には倚りかかりたくない

もはや

いかなる権威にも倚りかかりたくはない

ながく生きて

心底学んだのはそれぐらい

じぶんの耳目

じぶんの二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある

倚りかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ

                                                                  

茨木のり子 『倚りかからず』 1999 より

                                                                  

この詩を朝日新聞の天声人語(かな?)で知った頃、

いろいろな波の中にいてぐちゃぐちゃだった、体も心も生活も・・・。

同じくして、

長く長く倚りかかっていた大学を離れることにもなっており、

いかにそれまでの自分に対しての評価が、大学を通してのものだったかを

歯ぎしりしながらかみしめていて・・・。

そんな時だったから、一層より清冽に響いたのかもしれない。

                                                           

それまでも茨木のり子の詩は何度か読んでいて、

石垣りんと同じ反戦詩人と、はっきりとした意志の人だと心にとめていた。

けれど、この時の清冽さはそれまでとは違いすさまじく、

この時から一番好きな詩人はの問いには「茨木のり子」と答えるようになった

                                                                 

とはいえ、かの人の詩以外まで興味を持つほどではなく、

時折、この詩や

「自分の感受性ぐらい」「落ちこぼれ」「この失敗にもかかわらず」など、

好きな詩を日記に引用したりしていたぐらいだった。

                                                           

ところが!

なんとこの茨木のり子氏の家が西東京市にあるというではないか!

それもなんと、したのやムラのあった下野谷遺跡の範囲内に!!

昨年11月、平凡社から『茨木のり子の家』というフォトブックが刊行されている。

そんな情報とともに教えていただいた。

なんて無知だったろう!

                                                            

早速訪ねてみた。

                                                            

これまでも何度も通り、眺めた家だったのに、全く気付かなかった。

普通の住宅地に普通にたたずんでいるにもかかわらず、

家も庭木も静かな力をたたえているというのに。

                                                            

そっと、表札に触れてみる。

冷たさが指から頭に抜けて、

頭上に咲く紅い梅に

「ばかものよ」と、頬をたたかれた気がした、ちょっと笑われながら。

                                                          

おりしも、昨日2月17日は、5年前、

かの人がその家で、最愛の夫の待つ天界に旅立った日。

                                                                  

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下野谷遺跡公園雪景色

2011年02月15日 20時19分09秒 | したのや情景

昨晩の大雪で下野谷遺跡公園も雪化粧。

                                                                  

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雪を踏んで台地の上の遺跡公園へ。

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縄文時代を思わせる載り面。

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到着。

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スノーランドの「したのやムラ」。

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すでに住居に侵入者あり!

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犬のお散歩中のご婦人が帽子をのせてくれました。

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明日を夢見る。青空を見る。

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紅葉したミズナラと常緑のスダジイ

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雪の下で春待つカラムシ

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平成の「しーた」と「のーや」発見!

                                                            

公園では凧男さんも写真撮影中でした。

ブログ楽しみです。

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エジプトでの暴挙とめぐる季節

2011年02月14日 02時09分00秒 | インポート

エジプトでムバラク政権が崩壊した。

これ自体は、全てとは言わないまでも、理解できるし、

今後がまだまだ不透明で早急な価値づけはできないにしても、

新しい一歩を踏み出せたのだとも思う。

けれど・・・。

考古博物館への暴徒の乱入?

文化財の破損や略奪?

混乱に乗じたこうした暴挙は許し難い。

文化財は人類みんなの宝です。

とはいえ、それぞれの文化の違いによる価値観の違いによって、

あるいは時代の様々な思考や政治や経済の流れによって

文化財の護り方も異なるのは仕方がないとも思う。

そして、場や、時が変われば批判さえることもあると思う。

たとえば、アラスカのトーテムポールしかり

日本で今最も多く行われている発掘のことしかり・・・。

けれど、

自らの利益のためだけに文化財に手をかけるのは納得できない。

こんな暴挙は許してはいけない。

                                                          

と・・・

嫌な気分の連休の終わり。

こんな気分を払しょくするには、素敵な風景でも眺めましょう!

                                                                 

凧男さんのブログ2月13日号へGO!

いつもとは違う遺跡公園に出会えます!

                                                           

で、そのあとには、

季節がすすんだ「かめガーデン」へどうぞ。

                                                              

1月21日のしたのやムラ便り「春を待つ」では、堅かったヒヤシンスの蕾も・・・

                                                              

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前にもかきましたが、「かめガーデン」の球根もののほとんどは、

Y新聞の毎月のサービス(決して新聞社のまわしものではありません)。

だから、花が咲くまで何色かわからない。

                                                                   

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とっても鮮やかなピンクでした!

普段は玄関に飾っているので、部屋中良い香り!

                                                           

今日は、バレンタインデーだし、

嫌な気持ちも払しょくし、また1週間頑張りましょう。

                                                              

そうそう、かめしーたの仕事は、(文化財を護ること=)「物語を語り継ぐこと」です。

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遺跡公園は雪景色ですか&Mちゃんおめでとう!

2011年02月12日 15時24分15秒 | したのや情景

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今日は・・・寒いですね・・・。

せっかく、大きくなってきた「かめガーデン」の

チューリップ×4も冷たい雨にふるえています。

                                                           

今日は一日、自宅で原稿書き。

今、一息ついて、あったかカフェオレ(インスタント)いれました。

                                                                

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こんなの発見したんで、買っちゃいました、「勝てオレ」=カフェオレ。

最近合格祈願に引っかけたお菓子とか多いですよね。頑張れ受験生!

そうそう、

したのやキッズ第1号のMちゃん(したのやファミリーのほとんどの名付け親)

希望の中学校に合格したそうです!

おめでとう!!!

中学生になっても、かめしーたと遊んで(助けて)ね!

                                                              

さて、かめしーたの住むところは、したのやムラのあった西東京市より南なので、

冷たい雨ですが、

yashikirinさんが前の記事につけてくれたコメントにはが4つもついてましたね。

西東京市は雪かな?

                                                            

今シーズンは、雪の遺跡公園に出会えていません。

そこで、2008年2月3日、

大雪の次の日の、遺跡公園の写真アップしておきます。

まさか、今日はこんなじゃないですよね?

                                                            

では、寒さに負けず、がんばりましょう!

あっ、予定していた水子貝塚の紹介はまた次回

                                                                          

35  2008年2月3日 西側の畑から

32  今日じゃないですよ3年も前!

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考古学の「ゆるキャラ」と下野谷遺跡の土器

2011年02月11日 10時57分15秒 | のそのそ散歩 (遺跡とか博物館とか・・)

Imgp0002musa_4     (水子貝塚資料館配布資料より)  

Photo_5              

    下野谷遺跡の「かめしーた」

                                                            

最近は、発掘調査や遺跡の保護を理解していただこうと、

考古学の世界でも「ゆるキャラブーム」。

縄文神ムサビー」は埼玉県の富士見市立水子貝塚資料館の企画展キャラ。

資料館でいただいたシールを撮影させていただきました。

かっこいいですね!

「かめしーた」と比べると・・・。比べるまでもないか

                                                             

さて、この「ムサビー」、

同じ富士見市の羽沢遺跡出土の縄文時代中期の土器がモデルです。

キャラにも描かれている、動物の顔のような装飾がついていて、

土器全体がムササビににているので、「ムササビ土器」の愛称があるそうです。

研究の結果、今は、人とイノシシがむきあった姿をあらわしているのでは、

との説が有力だそう。

詳しくは、水子貝塚資料館を訪ね、学芸員さんにきいてみましょう!

場所や開館時間は富士見市のHPを。

http://www.city.fujimi.saitama.jp/index.html

                                                                            

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2月27日までは企画展「縄文人の装身具」を開催中。

ピアスやペンダントなど、縄文人のおしゃれ心に感心します。

                                                              

ところで、この「ムササビ土器」のように、

縄文時代中期の土器には、

動物や人間を表したのではないか思われる装飾がつくことがあり、

時としてとてもリアルに表現されています。

残念ながら下野谷遺跡では、そういった写実的な装飾がつく土器は

まだ見つかっていませんが、

それらと同じ土器グループの仲間である「勝坂式土器」のなかには、

それらを抽象化したのではと思われるような土器はたくさん見つかっています。

                                                               

Photo_4  いちばん左はじの土器の穴の部分など

          (写真:西東京市教育委員会2008「西東京市下野谷遺跡」パンフレットより)

                                                              

下野谷遺跡からみつかった土器を見学したいという方は、

西東京市郷土資料室へ。

場所や開室時間は、リンクの西東京市HPをご覧ください。

                                                            

水子貝塚ですが、こちらは国の史跡に指定されており、

史跡公園が整備されています。

次のブログでは、その様子などをご紹介しますのでお楽しみに!

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