手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

貧乏と貧しさは違う

2011-07-30 06:31:31 | Weblog
「鳥取は貧乏なところだけえ」という事を聞いたことがある。

事実貧乏なのだろうか?

私はそうは思わない。むしろ、豊かな地方だと思っている。

ほとんどの人が、持ち家である。そして、車も2台3台持っている。

土地も広い。マンションも2つ3つ持っている人も多い。

食材も豊富。海あり山あり、自然環境は抜群である。

生活に困り、ホームレスの人を見たことが無い。


では、なぜその人は「鳥取は貧乏ですけえ・・」と深刻に言ったのだろうか。


お金が無く生活が出来ないのを貧乏というなら、鳥取は当てはまらない。

この人は、「鳥取は貧しいけえ」と言いたかったのだろうと思う。

貧しいとは、精神的な部分でではないだろうか。


誇れるものが無い。自慢するものが無い。歴史的遺産が無い。文化が育たない。文化的香りがしない。

そういうものが「貧しい」と言ったのだろうと思う。

ある文化の団体に所属しているが、そこに所属している方々は大変な知性の持ち主達である。

だからこの会に参加することが楽しみである。自らを育ててくれると思うからである。

しかし、その輪がなかなか広がらず、浸透しないのも現実である。


土地柄というが、土地には人を育てる不思議な力がある。その土地に住んだことで、人生が変わる場合もある。

それは、先人が築いてきた貴重な目に見えない財産だからだ。

鳥取は、決して貧乏ではない。 しかし心の貧しさを感じるならば、一過性の将来性の無いことを考えずに、将来に誇りとして残ることを実行して行かなければならない。



 袋川土手の、桜の並木は大好きだ。毎日散歩で楽しませていただいている。

この桜は、ご存知のように昭和27年の鳥取大火で消失してしまった。が、その後匿名の
方から、鳥取市に毎年多くの桜の苗が送られて来た。

それが、現在の大きなみごとな桜になって、鳥取市民を和ましてくれている。この桜土手は、鳥取の誇れる名所となっている。

この物語の碑は、智頭橋 きなんせ広場の南側詰めに密かに建っている。









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