鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

第50話「帝国の力」から、帝国軍の威容をAIさんが画像化です!


連載小説『アルフェリオン』名場面集、今晩深夜には第50話からAIさんが生成した画像展を公開予定です! 第50話、初めて描写される帝国軍の圧倒的な強さと、いにしえの時代、前新陽暦時代に「時の司」に立ち向かった「光の御子」と「白の巫女」の姿は、見ごたえがあります。ご期待ください。

鏡海

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第49話「ルキアン、失踪」からAIさんが名場面を画像化です!

ルキアンとルチア、二人の闇の御子の想いが時空を超えて交錯する一方、黄金仮面が語る陰謀……。それら二つの場面を、ついに画像にできましたね。連載小説『アルフェリオン』各話の名場面をAIのオボロさん(*)と画像化する企画、まだまだ続きます!

(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。

 

まずは前回扱った第48話の続き、最後の一点です。

こ、これは……。天使、ではなくて、48話で登場した「光」属性のパラディーヴァですね。彼女自身もパラディーヴァでありながら、御子や他のパラディーヴァたちの戦いを、あるいは人類自身が歴史を紡ぐことをも否定的にみていました。そういえば、前新陽暦時代にたった一人で「時の司」に立ち向かった光の御子アレウスの話が以前に出てきました。あのとき、光のパラディーヴァも共に戦っていたはず。それが、なぜ?

ちなみに現世界で光のパラディーヴァが目覚めているということは、「光の御子」も存在するということに他なりません。まだ登場していませんが。いや、実は、もう登場しているんです。既存のキャラのうち誰かが光の御子なのです(!)。

 

……というふうに、とんでもないネタを投げ込んだところで、次の第49話に参りましょう。

前回の第48話以来、覚醒したアルフェリオン・テュラヌスとイーヴァが激戦を繰り広げています。

当初はテュラヌスの圧倒的なパワーと鉄壁の防御力(それなのにしかも速い)に押されていたカセリナのイーヴァも、第二形態に進化して逆にルキアンを脅かします。負けられないルキアンは、戦いの中でテュラヌスに意識をもっていかれてしまい、もはや彼の制御を離れたテュラヌスは、いわゆる「逆同調」(暴走)状態になってイーヴァを容赦なく引き裂き、敵味方見境なく攻撃します。

ドラゴンのブレスのような重粒子砲を口から発射し、ナッソス家のアルマ・ヴィオを片っ端から破壊するテュラヌス。仲間の飛空艦クレドールさえも、その攻撃に巻き込まれて撃沈されかねないところでした。

そんなアルフェリオンの姿を見ながら、「人の子」たちの世界の今後について語る黄金仮面たち。
御子の宿敵――古の四頭竜の化身、万象の管理者「時の司」です。当面のラスボス?


黄金仮面たちの異様さを見事に表現してくれたオボロさんなのでした。

 

《老人》の黄金仮面がつぶやいた。
「人の子らは、《すべてを支配する因果律の自己展開》によって導かれ、かの《絶対的機能》の栄光を彼らのあるべき進化によって体現し、高らかに賛美する存在となるはずであった。だが善き子らが《愚かな人間ども》へと堕落したのは、彼らの《仕様》に本来は含まれていなかったあの力のため、すなわち《闇》のためなのだ」
 荒れ野の藪が夜風に揺れる音、あるいは嵐に木々の枝がしなる音のように、《魔女》の黄金仮面の声が応じた。
「闇の力、それは、人の子らの霊子のレベルにまで刻み込まれ、受け継がれ、肥大化してゆく負の叫び。失敗し続けた過去の無数の世界において、次第に蓄積されていった影、あるべき魂を侵蝕してゆく《染み》。我ら《時の司》が幾度となく世界を《再起動(リセット)》しても、大いなる計画通りに人の子らの進化が行われることがなかったのは、《闇》の力によるところが大きい」
 吹き抜ける北風のごとく、乾いた残酷さをもって、《魔女》の黄金仮面は付け加える。
「歴史を繰り返せば繰り返すほど、《闇》は人の子らの魂に沈殿し続け、修正し難いほどに彼らを支配してしまっている」

 《人の子らはもはや救い難い。始原の時から計画をやり直すべきだ》

 

黄金仮面たちの画像、別ヴァージョンもあります。

そんな中、ルキアンはこれまでにも幻の中で何度か姿を見たあの人と、ついに意識を交わします。

《ルチア、光と闇の歌い手》

 ルキアンよりも少し年上だろうか。ほっそりとした背筋に少女の雰囲気を残す、まだ大人になってほどない女性がいた。車椅子に座った彼女の周囲を、数匹の小鳥たちが親しげに飛び回っている。彼女の伸ばした手。白くか細いその指先に、周囲の木々の葉の色と似た萌葱色の小さな鳥がとまった。彼女は鳥と話し、互いに意思を通じ合っているように思われた。
 やがて彼女はゆっくりと振り向く。遠目には黒色に見える、濃い茶色の髪が風に揺れる。優しい笑顔。彼女がこちらを見つめたとき、輝く光の粉が周囲に漂ったかのような気がした。彼女の髪と似た色の焦げ茶色の瞳が、穏やかにルキアンを見つめる。



 だが……。
 これは直感だ。ルキアンは、ルチアのまとった穏やかな光の裏側に、底知れぬ闇が口を開けているのを感じ取った。

 ――この人は、僕と同じだ。

「その通り。我ら、魂の記憶で結ばれた血族。遠き未来に我が意志を継ぐ者よ」

 彼女がそうつぶやいたとき。
 声なき絶叫が周囲に響き渡り、緑の世界は一瞬にして灰色に朽ちた。
 風は重苦しい粘着感を帯び、木々の間の影に闇がうごめき始める。
 青空は夜の闇に覆われ、細い三日月だけが妙に明るく大地を照らす。
 ルチアが無言で差し出した手のひら。
 その中で小鳥は白骨と化し、さらに砂となって闇の中に散っていった。

 あらゆる人間は闇を内に秘めている。
 しかし人は闇を忌み嫌う。なぜなら……
 それが自身の本質の一部であることを認めるのが、あまりにおぞましいから。
 それでも、光と闇との間で、理性と獣性との間で揺れるのが人間という存在。
 獣でも天使でもない私たちの姿。
 そんな、どうしようもなさを受け入れた先に、一寸の光が見える。

ルチアはルキアンに告げるのでした。

 

そうかと思えば、また胡散臭い動きが……。

四人衆の最後の一人、レムロス・ディ・ハーデン。その乗機「トランティル」です。妖しいですね(笑)。


ちなみにレムロスは、この絵にあるようなイメージですかね。土壇場で裏切ったレムロスは、トランティルに装備されている旧世界の超兵器、重力を操る「理(ことわり)のグラヴァス」によってバーンやムートたちを圧倒しますが、テュラヌスの力技によってグラヴァスの効力を打ち消されると、大破しているイーヴァから何故かカセリナを拉致して逃走します。

もはや「火を吐いて暴れ狂う怪獣」も同然のルキアンの乗るテュラヌス、敵も味方も手が付けられないでいたところ、それを抑えたのは、アマリアさんでした。


「実況のお姉さん」キタキタ!(笑) いや、「ダアスの眼」を開いたアマリアの力は、想像を絶するものでした。遥か彼方の自宅(?)からルキアンの「紋章回路」に働きかけ、テュラヌスの動きを停止させてしまいます。さすがは完全に覚醒した御子、御子の中でも最強と言われる地の御子アマリアさんです。

 

  《深淵》を知ったのだろう。
  君の背負った《御子》の宿命は、そのとき魂の底にまで刻み込まれたはず。
  ならば見よ、その目で。君の得た暗き闇の瞳を通じて。

「見るがいい。御子の力とは、こういうものだ」

 アマリアの右目が見開かれた。瞳に輝く、黄金色の《大地の紋章》。
 あまりにも巨大な《ダアスの眼》のイメージが、ほんの一瞬、解放された魔力の嵐の中で際限なく膨らんだ。
 刹那の時、大地さえも揺らめき、地上を覆う大気すべてを何かが貫いたような、異様な感覚が走る。

 ◇

 突然、稲妻に撃たれたかのごとく、アルフェリオン・テュラヌスが停止した。
 時を同じくして、《闇》の領域が、引き波を思わせる動きでアルフェリオンの方へと戻ってゆく。
 石像のように立ち尽くす銀の魔神の周囲には、円陣状に、何ひとつ無い枯れ果てた地面だけが残った。その外側には、テュラヌスの灼熱の炎で息の根を止められた多数のアルマ・ヴィオの残骸が、主にナッソス側の機体を中心に、溶解して原型をほとんどとどめない姿で折り重なって山を築いていた。

たとえ意識を失っている間に暴走したテュラヌスが行ったことだとはいえ、自分のしたことに絶望するルキアン。敵味方問わず殺戮し、仲間のバーンや思いを寄せていたカセリナをも瀕死の状況に至るまで傷つけてしまいました。

 ――なんて、ことを。僕は、最低だ。あれだけ嫌だと思っていたのに! 結局、ただの兵器に……なって、しまったんだ。

 沈黙。そして。
 少年の脆い魂が、ひび割れ、崩れ落ちる。
 狂ったような悲鳴を上げ、我を失うルキアン。

 うちひしがれた心を哀れむように、アルフェリオンがひときわ高く鳴いた。
 機体の背中で6枚の翼が広がる。銀色に輝く、そのひとつひとつに魔力が集まり、そこからさらに光の翼が延びる。
 なおも絶叫するルキアン。
 どこへ向かうともなく、ただ、どこかへ消えてしまいたいという衝動的な思いだけで彼は翼を開いた。砂塵を舞い上げ、嵐のごとき爆風と、轟音とを残して白銀の騎士は飛び立つ。その姿が次第に小さくなり、そして平原の彼方に消えるまで、長くはかからなかった。

 

やっと得た大切な居場所である飛空艦クレドールにも居づらくなり、このときのルキアンには、もはや頼るところ・帰るところがありません。いつも共にいてくれたリューヌも消滅してしまいました。すべてを失った彼の足が向いたのは、ただひとり頼れる、北の国ミルファーン王国のシェフィーアさんのところ(笑)でした。この時点では、もはや完全にヒロインの座をゲットだぜ、とシェフィーアさんはニヤニヤしていたかと思います(ルキアンのそんな苦境を前にして不謹慎ですが、彼女はそういう人です)。しかし、シェフィーアさんのいるミルファーン王都に向かう途中のハルス山地にて、ルキアンが運命的に出会うのが、メインヒロインのエレオノーアだったのです(!!)。まるで三日天下のようなシェフィーアさんの落胆は、どれほど大きかったことか(苦笑)。


「ちょっと待て、納得いかんぞ!!」(by シェフィーア)

シリアスな流れから、シェフィーアさんがおいしいところを笑いに変えてもっていくオチは、何ともかんともですが、本日はこれにて。

GWの連休中も鏡海庵にお越しいただいて、ありがとうございます。
残り後半分のGWも、皆様にとって良き日々でありますように!
ではまた。

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