鏡海亭 Kagami-Tei  ネット小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

・画像生成AIのHolara、DALL-E3と合作しています。

・第58話「千古の商都とレマリアの道」(その4)更新! 2024/01/09

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第58)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

消えたくないです、生きたいよ……エレオノーアの願い。

連載小説『アルフェリオン』の各話をもとに生成される、AIのオボロさん(*)による名場面集。いよいよ「ハルスの邂逅」編に入ります。ここに至る「深淵」編からワールトーア編の流れの中で、深く傷ついてゆく主人公ルキアン……。ある意味で「どん底」状態から迎えた第53話「光翠の谷を越えて」なのでした。

(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。

それでは、さっそく参りましょう。


どこまでが現実でどこまでが幻だったのか、曖昧なままのワールトーア村での出来事を経て、いわば「ループ2周目」的なかたちで、ルキアンとブレンネルは「再び」しかし「初めて」出会います。ここまでは、まだ第52話のお話です。ミルファーン王国に向かうルキアンに、助力になりそうなとある人物をブレンネルが紹介してくれるとのことで、彼らはオーリウム王国とミルファーン王国にまたがる辺境の地、ハルス山系に向かいます。アルフェリオンで飛べばあっという間です。


ちょっと格好いいルキアン(笑)とアルフェリオンノヴィーア・フィニウスモード。

目的地は、ハルスの森に包まれた渓谷の奥地。一方、そこでは、朝からせっせと洗濯に勤しむ少女が。

彼女は何かの予感を覚えたようです。おそらくオボロさん、あちこちでせわしなく洗濯物を干す彼女の姿を描こうとしたのでしょうが、なんだか分身したみたいになってしまいましたね。

この地に隠棲しているのは、ブレンネルの古い知り合いで、ミルファーン王国の特務機装騎士団「灰の旅団」の元団員、リオーネ・デン・ヘルマレイアでした。かつてミルファーン最強の機装騎士とよばれ、シェフィーアさんともかかわりの深い人物です。

そんなリオーネのもとには、ルキアンに対して妙に距離感の近い「少年」エレオンも……。

おにいさん、おにいさんと、一方的にすり寄ってくる少年に、戸惑うルキアン。ルキアンのことを唐突に「御子」だと言い、何か様々な秘密を知っているような、不思議な少年。その正体は?

いや、この画像では、もう明らかに女の子になってしまっているのですが(苦笑)。

次第に「少年」エレオンに惹かれていくような、奇妙な気持ちにとらわれるルキアン……。いや、これはもはや美少女。

「僕の好きな花、おにいさんにあげます。花言葉は《あなたに、すべてを捧げます》」
「それは嘘、うっそでーす! びっくりしましたか?」
「本当は、この花はヴァイゼスティアーといいます。いにしえの勇者の時代、聖女を愛し、想いが届かずに魔界側の英雄へと堕ちた人の、最後の一粒の涙の生まれ変わりと言われています。そこが好きなんです。僕は、魔界に堕ちていった人の側の人間でしょうから」
「あ、おにいさん。今の言い伝えを聞いて、一瞬、何か共感するところがありましたね……」
「闇、深いですね」

夕食のために魚を釣りに来たエレオンと、一緒に動員されたルキアン。二人はいい感じで親密になっていきます。そして、ふとしたことから、エレオンが女性であることを知るルキアン。「彼女」の本当の名は、エレオノーア・デン・ヘルマレイア。

彼女自身も闇の御子であること、正確には、「聖体降喚(ロード)」が失敗し、対になる執行体の御子を失って生まれてきた、不完全な「片割れ」のアーカイブの御子であることをルキアンに明かします。また、「ロード」の残虐な実態をも。

ラブラブな二人の世界に嫉妬する「監視者」ヌーラス・ゼロツーが、意地悪く山賊を彼らにけしかけます。

実はルキアンよりも遥かに戦えるエレオノーア。「僕、これでも結構強いんです」


勇ましいエレオノーアさん。このあたりから、第54話「御子の力」に入ります。

しかし、ルキアンがヘマをして敵の人質になってしまったため、エレオノーアは山賊に降伏し、捕らえられることに。

これからどんな目にあわされるのか、恐怖でいっぱいのはずなのに、毅然と覚悟を決めるエレオノーア。

大切な「おにいさん」の命を助けるために、エレオノーアは無抵抗のままで、山賊に嬲り者にされそうになります。そのとき……。

な、何ぞ!? 多数の骸骨の騎士が地面から呼び起こされ、山賊たちを襲います。ルキアンに力を貸したのは……いや、エレオノーアを助けるためにルキアンの体に憑依したのは、かつての闇の御子、ルカの残留思念でした。ルカは僧侶であり、かつ、死霊術師(ネクロマンサー)です。詳しくは小説本編でどうぞ。

こわかったです、おにいさん……。

 

とっておきの衣装に着替えたエレオノーア。

その夜、リオーネのもとで、ささやかな夕食会が開かれます。

冷涼な谷間の流れが奏でる、さらさらとした響きを背景に、エレオノーアの声だけがぽつんと響いた。
「わたし、幸せです」
 残りの三人は食事を続けながら、彼女の言葉に頷いている。
「はい。とても幸せです」
 先程と同様に、三名は黙って頷いている。
「わたし、こんなに幸せです」
 なおも……。
 だが次の場面で、エレオノーアは突然大声で泣き出した。
「私、わ、わたし、こんなに幸せで、こ、こ、こんなに幸せで……いいのかな!?」
 不意に号泣し、周囲も気にせずとめどなく涙を流して、天を仰ぎ見るエレオノーア。
 ルキアンは慌てて胸元からチーフを取り出し、彼女の涙を拭おうとする。だがエレオノーアは首を振って断ると、三人の目をはばからず泣き続けた。
「おにぃ、さん……」

幸福の絶頂の中、突然に消滅し始めるエレオノーアの体。せっかく「おにいさん」に、やっと会えたのに!
(今回は、AIのHolaraさんも画像生成に頑張ってくれました。以下、一部、絵柄が違うのはそのためです)


「私、消えちゃうみたいです……。いつか、こんな日が来ると覚悟はしていました。《片割れのアーカイブ》は、《聖体》の定着が不安定なため、独りでは長く存在できないのです」

「私だって、消えたくないです。生きたいよ……。だけど、私を作り出すために生贄にされた人たちは、同じように、生きたいと願いながら、命を奪われていったのですよね。そのこと、ずっと考えないようにしていました。怖かったから。それでも、本当は生きたいです。自分だけ助かりたいという私は、地獄に落ちますか?」

「もうお別れのようです、おにいさん。会えて、一日だけど一緒に居られてよかった。それだけで、私は世界で一番幸せでした。でも、もしもひとつだけ願いが叶うなら」
 彼女は、静けさの中に寂しさがあふれ出しそうな、微かな笑みを浮かべた。

「おにいさんのアーカイブになりたかったな……。だって、私は」
 もう生身の体すらなく、影のように揺らめくだけのエレオノーアが、ルキアンに口づけをした。
 最後の言葉を残して。

「わたしは、あなただけのために咲く花です」

このままエレオノーアは消失してしまうのか。この後の超展開に次ぐ超展開で(?)、エレオノーアを取り戻せ、ルキアン!! 次回に続きます。

本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
ここ2、3日、5月とは思えない冷え込みもありましたが、今日からは再び穏やかなようです。良い週末をお過ごしください。

ではまた!

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更新遅延のお知らせ(陳謝)とメインヒロインのタイトル画像

連載小説『アルフェリオン』、AIさんによる各話名場面集を今晩更新の予定でしたが、現実世界の方で急な仕事が入ったので、明晩に延期させていただきます(今晩というより、もうすぐ朝ですね。汗)。今晩(今朝)のところは、メインヒロインのエレオノーア嬢を主役にした上掲のタイトル画像でお楽しみください。エレオノーア、遅れて来た初登場からいきなりルキアンに一方的に懐いたかと思えば、山賊につかまって大ピンチに……。間一髪で切り抜けるも、今度は、この世から消滅してしまうかもしれないなんて!? お騒がせヒロインの魅力(?)の詰まった第53話と第54話の名場面集、ご期待ください。

鏡海

 

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