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「小柳斬殺事件」3年で風化??

2022-10-20 21:33:22 | 日記
 江戸大相撲界における最も忌わしい
出来事と云えば、幕末に発生した「力士
小柳平助殺害(斬殺)事件」━兎に角、当時
実にショッキングな事件━文豪の森鷗外
『澀江抽齋』にも登場するほどだ。

 その…たった3年後の元治二(1865)年春、
東幕下十四枚目の千草山が「小柳」と改名
した。但し、下の名前は「平助」に非ず「春
吉」だった。そして当場所初日、郷土力士で
大関級の関脇鷲ヶ濵と対戦している。
 そこで、勝手な想像ではあるが、回向院の
観衆のなかに、3年前も相撲場に出入りした
客が…土俵へ上る小柳春吉をみて、「小柳平助
事件」を想い出した━全然、不自然でもあるまい。

 所属部屋乃至師弟関係は如何。
小柳常吉(←春吉)は阿武松⇒武隈部屋。
小柳平助(←雲生嶽)は、阿武松部屋。
小柳常吉(←緑松)は、阿武松〔横綱〕部屋。
 完全なる「直系」とは言いかねるが、
3者とも「同系統」━現代風なら「一門」だ。

 畢竟、当時の角界関係者のあいだでは、
「小柳平助事件」は殆んど所謂“風化”して
しまっていると愚考したくなるのである。
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