結局、保護者会は開かれなかった。
今回のことを知ってる親もいるけれど、知らない親も多い。
中学生ですから、学校での出来事を話す子もいればまったく話さない子もいます。
親の間でもかなりの温度差があります。
今回、私は迷惑をかけた子の親の立場として、謝るべきなのか迷いました。
まして娘は部長です。部員とは立場が違う。
たかが祭に行ったくらいで、と思ったとしても、やはり悪いのは悪いわけで。
代表さんのおっしゃることは正論です。
当初は、何が悪いの?って思ってたし、親が騒ぐことじゃないでしょって思ってました。
私は祭に行くことを知ってて何も言わなかった親です。
言ったところで、素直にきくわけはないし
自分のしたことで後でどうなるのかを経験することのほうが大事だと思ったから。
その気持ちは今も変わらないけれど
子どものしたことに親が頭を下げるのは親の仕事なのだと、ある人に教えていただきました。
親は損な役回りですが、それをさらっとやってのけるくらいの大人になりたいものです。
そして同時期、学校側は動いてくれていました。
複数の先生(誰かはわかりませんが)で、顧問に子どもたちの今までの相談のことなど話して、
子どもたちの話も聴くように、伝えてくれました。
次の日、部活をサボった子と、顧問、副顧問の3人ずつで、順番に話しをしたそうです。
私としては3年生全員と話してほしかったんですが。
最初は遠慮してた子どもたちですが、副顧問が「言いたいことはどんどん言いなさい。全部吐き出しなさい」と背中を押してくれて
けっこうきつい子はきついことも言ったらしいです。
顧問も今までとはかなり違った態度でかなりシュンとなってたとか。
実は、その前の練習の時に外部の指導者が来てくれて演奏の指導をしてくれてました。
その先生が、顧問の指揮を見て、かなり叱ったらしいです、顧問を。
そして子どもたちに「指揮はあてにするな、自分たちの演奏をやれ」と発破をかけてくれました。
そこから、急に子どもたちのやる気がアップしました。
わかってくれる大人がいた、その事実が子どもを動かしました。
次の日からサボってた子も練習に出てきました。子どもってなんて素直なんだろう
なので、もう顧問が何を言おうが関係ない、自分たちの演奏をやるだけ、そう気持ちは固まってきたようです。
先日またこの外部講師が来て娘に言いました
「先生(顧問)のことは諦めてもいい。でも、演奏すること、大会に臨む気持ちは諦めるな。いいな、諦めるところを間違えるなよ」
ずっと、悪いのを顧問のせいにしてきた娘、顧問さえいなければこんなことにはならなかったのに、といい続けてきた娘
でも人のせいにして、せっかくの今までの成果までも無駄にしてはもったいない。
この外部講師の先生、もっと早く来てほしかったわ~
そして、学校の先生方も娘に声をかけてくれていました。
「今までやってきた2年間を無駄にするな、最後は笑顔で終われよ」
「最近どう? 元気ないね」
「あなたは笑ってる方がいいわよ」
今にして思えば、直接顧問に働きかけるという方法もひとつだけど、子どもにパワーを与え、元気にして乗り越えさせる手伝いを先生はしてくれたんじゃないかなと思えるのです。
それは結果としてそうなったのかもしれないけれど、応援してるよ、わかってるよという大人達の声が、最後は子どもに届いたのかな。
人を変えることは出来ないけれど、自分の意識を変えることで見えてくる景色が変わるということに気づいたかな。
とはいえ、現実はドラマのようにはいかず、生徒だけで頑張るには無理がある。
練習をサボる子はいなくなったけど、来たら来たでお喋りに花を咲かせ練習そっちのけとか、
顧問は顧問で、何も変わらないまま相変わらず不満だらけですが、
それでも今までよりは、丸く収めるという技も習得したようです。
回り道をしながら、転びながら、傷だらけになりながら、最後は笑顔で終わる、そんな経験が出来る娘たちは幸せです。