先日の「新人をライン応援に」という話に続き、トヨタがヤマハから応援まで受け
入れているようだ。
もっとも、この手のことは良くある話で、00年前後には電機もトヨタへ応援を
出していた。派遣元は余剰人員を遊ばせずに日銭が稼げるし、派遣先は短期の需要
を後腐れ無しに賄える。実に合理的なワークシェアリングだといえる。
問題は「守られるのが既に正社員という地位を手にしている者だけ」
である点だ。
考えてみれば、実に不思議な話だ。自社の非正規雇用を切り捨てつつ、わざわざ
よそから正社員さまを借りてくるのだから。
ふと、江戸時代初期の大名・福島正則のエピソードを思い出した(名将言行録より)。
領内の酷政にたまらず陳情に来た農民達を捕まえて、正則はあっさり処刑してしまう。
その時のセリフがなんともすかしている。
「俺の部下は俺のために命を張っている。それに比べてお前たちは年貢も払おうとせず
なんという言い草だ」(意訳)
そして、それを見て士気を高めるマッチョな家臣団一同…。
要するに、戦国大名出身の福島正則にとっては、同じ階層の家臣こそ守るべき身内
であり、その下の領民というのは、搾取と切り捨ての対象に過ぎないわけだ。
農民にとってはたまったものではないが、武士階級にとって正則は良い雇用主である。
そして、やってることはそのまま、現在の大手労使と同じだろう。
まさに身分制度である。
身分制度を崩すには、特権的身分保証を取り上げるしかないという点は、今も昔も
変わらない。現代の特権とは何なのかは、もう一々言わないけれど、
“友愛”とか“リベラル”という言葉が本気で好きなら、今の自分たちが特権階級
よりだということくらいは知っておくといい。
入れているようだ。
もっとも、この手のことは良くある話で、00年前後には電機もトヨタへ応援を
出していた。派遣元は余剰人員を遊ばせずに日銭が稼げるし、派遣先は短期の需要
を後腐れ無しに賄える。実に合理的なワークシェアリングだといえる。
問題は「守られるのが既に正社員という地位を手にしている者だけ」
である点だ。
考えてみれば、実に不思議な話だ。自社の非正規雇用を切り捨てつつ、わざわざ
よそから正社員さまを借りてくるのだから。
ふと、江戸時代初期の大名・福島正則のエピソードを思い出した(名将言行録より)。
領内の酷政にたまらず陳情に来た農民達を捕まえて、正則はあっさり処刑してしまう。
その時のセリフがなんともすかしている。
「俺の部下は俺のために命を張っている。それに比べてお前たちは年貢も払おうとせず
なんという言い草だ」(意訳)
そして、それを見て士気を高めるマッチョな家臣団一同…。
要するに、戦国大名出身の福島正則にとっては、同じ階層の家臣こそ守るべき身内
であり、その下の領民というのは、搾取と切り捨ての対象に過ぎないわけだ。
農民にとってはたまったものではないが、武士階級にとって正則は良い雇用主である。
そして、やってることはそのまま、現在の大手労使と同じだろう。
まさに身分制度である。
身分制度を崩すには、特権的身分保証を取り上げるしかないという点は、今も昔も
変わらない。現代の特権とは何なのかは、もう一々言わないけれど、
“友愛”とか“リベラル”という言葉が本気で好きなら、今の自分たちが特権階級
よりだということくらいは知っておくといい。
そうすれば趣味に生きる人、老親の介護、もっと働きたい人、みんな自由に生きられるかな?
・・・でも本当は労働力を流動化して一日4時間ぐらいの勤務でワークシェアリングできると良いんですけどね。
かたや過労死、かたや失業者沢山、・・・なんか間違ってるような・・・。
でも本当に間違ってるのは最低賃金が生活保護以下だっていうのは一番間違ってると思います。
過労死するほど働いても貧しいなんて・・・
NHKのワーキングプア番組みたけどたしか母子家庭のおかあさんなんて20時間ぐらい掛け持ちで働いてましたよ。
過労死の基準が残業80時間以上が危険水域だっていうのに・・・。
生産設備も物資も労働力も偏ってるんですよね・・・。
それはまさに「工作員では?」という気もするんだが。
キリギリス:バブル期に遊びほうけた世代(今だと40代後半以上?)
アリ:バブル期以降の就職氷河期世代(30代以下の非正規雇用)
アリとキリギリスって、「遊びほうけたキリギリスたちえはせっせと働いたアリの蓄えをも食い尽くして丸々と太り、コツコツ努力したアリたちは食べる物が無くて餓死しました。そしてキリギリスもアリがいなくなったので食べるものが無くなり仲良く餓死しました。めでたしめでたし」って話じゃないよね?
>ただしネットでは、「アリとキリギリス」を徹底させるために老いた非正規は餓死させてみせしめとすべし、とまで強い自己責任論もみられます。
前から思っていたのですが、
「アリとキリギリス」って、「働くこと」のメタファーとしては、不適当だと思います。
そもそも、実際のキリギリスは、夏に成虫になり、冬前には死ぬそうです。
アリだって、女王アリは寿命が長い(10年ほど)ですが、働きアリは1~2年で死にます。
というか、アリは自分のためではなく、「女王のため」に働くわけですから、遺伝子レベルでの階級社会です。社会性昆虫ですから。
仮に、「アリとキリギリス」から教訓を引き出すとしたら、「すべての生物は、等しく淘汰圧(この場合は「冬」)にさらされている、よって、隣人愛を持たねばならない(食料を分配)」、ということのほうが妥当だと思います。
このような寓話は、道徳性(「計画性が重要」とか「因果応報」とか、「誠実なものが勝つ」といった意味内容)と、普遍性(動物など自然界のものを登場キャラクターとして使い、少ない道具立てで、単純な構成のストーリー)といった性質が一体となっているので、訴求力があります。(支持者が多い)
なので、とても厄介だと思います。
ただ、わたしは、「アリとキリギリス」が好きな人は、自己責任論者というよりも、単に「ぬるいひと」だ、と考えます。そのようなものは、自己責任の妥協したヴァージョンにすぎない、と考えます。
今の一番の問題は、このままだと「下の身分」とされた者から、二十年後には数百万、下手をすれば千万の「自力生存不能者」が発生しかねないことです。
それさえ手当てすれば「安定した身分制」でやっていけるかもしれません。
ただしネットでは、「アリとキリギリス」を徹底させるために老いた非正規は餓死させてみせしめとすべし、とまで強い自己責任論もみられます。
現実に何をどうやっても、生きられる仕事の総量が少ないのであれば、百万餓死よりも安定した身分制のほうがまだまし…とはならないでしょうか?
>身分制度を崩すには、特権的身分保証を取り上げるしかない
これが難しいんですよねぇ。この問題に限らずすべてのことにおいてそうですが、人は一度得た既得権というのは容易なことでは手放しません。それから明治維新や第2次大戦後のように強力な外圧でもあれば話は別かもしれないですが・・・。日本は気質的にドラスティックに改革していくような風土・風習がないですしね。
うちの職場にも体育会系はいるが、飲み会は元気良くてあいさつは大声だけど、仕事は指示待ちだったりマニュアル人間だったりであまりぱっとしないな。
まあ、指示待ちでマニュアル人間なのに元気もないってのよりはいいのかもしれないけど。
最近は、採用のときは「問題を工夫で乗り切った経験」というのを重視している。「とにかく根性で何とかしましたっ!!」ってだけではちょっとね。仕事の質とスピードを求めるのにその手段が根性だけと思っているんじゃどうにもならん。まあ、一番の問題は現在働いている職員の中にもそういうのが多くて困るってことなんだけどね。
城さんじゃないけど、ホントに最悪。
正社員の立場に立っても、よその企業の余ってる人手=使えない人材を送ってこられても、困るだけでしょう。社内福祉も、そろそろ限界ですね。
「追い出し屋」鍵交換は違法 大阪地裁判決
http://www.asahi.com/national/update/1114/OSK200911140042.html
ますます家を借りにくく(会社に採用されにくく)なります。
ホントに合理的ですね。
身分制のようなやり方が経済合理性を持ってしまったことに、新政権はどう対処するのか非常に楽しみですね。
(こうゆう身分制に行き着くであろうことは、「新時代の『日本的経営』」を読んでいればわかる、というか、割と民間に近いところにいた人たちには既に分かりきっていることなんじゃないんでしょうかねえ。ということで、野党なので分かりませんでした・これから考えます、では遅いと思います。)
最悪。二階建て正社員以外は死ねということか。もっとも、大手ですらもはや終身雇用すら維持できなくなっているという裏返しなんだろう。
>「社員のほとんどが体育会系です!」なんて会社もあって
いつも思うけど、じゃあ実際にそういう会社で働きたいって人なんているのかな?皆で机の上でコマネチやってる印象しかないんだけど。
経済産業省で、企業間での出向を進めやすくするために、人手が足りない企業と人手が待っている企業の間をリストを作成して、出向をやりやすくする政策をおこうなうということが言われました。
結局のところ、今の正社員になっている人の雇用を守ることしか考えていないのですね。
でも体育会員自体はどんどん減ってますから、雇う側が変わったほうがいいと思うのですが…。
>まだ辞めない人を求めている会社
アスリートプランニング主催の説明会に参加したことがありますが、「社員のほとんどが体育会系です!」なんて会社もあって、今考えると怖すぎです(笑)
一時的とはいえ、今回のエコカー特需で雇用が生まれたかもしれないのに・・・たとえ期間工でも仕事が無いよりマシだとは考えないないのでしょうか?
派遣だけ改正しても、かえって身分制を固めるだけでしょう。それと企業側から弱者救済のためのバッファにはならないと宣言されたわけですよ。
さてさて、国家戦略局はどう動きますか?いい加減、雇用システムの問題だと認めたらどうですか、湯浅さん。
あ、でも領民殺した話は知らなかったです。広島赴任時代の話かな?幼少の頃より気性が荒く元祖キレキャラのイメージでしたけど。
税金で保護して、雇用守ります!とか馬鹿みたい。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20091112-00000001-president-bus_all
福島正則エントリーを拝読したとき
ふとこれを思い浮かべました。
現場のひとは過労死でて、
本社は定時上がり。
同じ会社でも身分が違えば待遇も違いますから
と、納得させるしかないのではないかなと
考えてしまいます。
「労働組合は不要だ、なぜならば、ある労働組合員の利益を得るためには、他の労働者の犠牲が必要だからである」
これ、至言ですね。
「精神力」「意欲」という耳障りのいい単語を使って誤魔化し、正直に「ウチはロボが欲しい」と言わないところである。
新卒採用「体育会学生」欲しい 「精神力」「意欲」を評価
http://www.j-cast.com/2009/11/12053700.html
ご著書にも書かれていたように、体育会系と年功序列の人事制度は合っているということからも、
これ読む限りは、人に辞められるような制度が問題なのに相も変わらず辞めない人を求めてるに
至っては不景気だ何だと適当な理由を付けて制度改革放棄してる結果なんでしょうか?
それにしても、辞めない人間を相変わらず求めてる会社もそうだけど体育会学生の就職支援をし
てる会社があることにも驚いた記事でした。
今も昔も雇う側がマッチョ好きなのは変わっていない気がします。