Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

朝日のWEBRONZAに「公務員給与は国民の望むまま、いくらでも引き下げて構わない 」を寄稿しました。

2011-06-02 18:50:08 | work
内容は以前、ブログに書いたものとほぼ同じだが、末尾の重要な部分を抜粋しておこう。


筆者自身の判断で言えば、公務員の給料は高いとも安いとも言えない。
筆者は、双方に武器を渡すつもりだ。国民には
「民間企業や他国の給与水準と比較するロジックは無意味だ」
という武器を、そして公務員労組には「転職市場へのアクセス」という武器を。
双方が全力で戦い、最後に残るのが適正価格だろう。

そういう努力をしないまま、そういう努力をした人達と同じだけ貰いを要求
するのは、卑しい品性であるとだけ言っておこう。

『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法 第12回のお知らせ

2011-05-26 18:21:30 | work
ビジスパ、メルマガ第12号は明日発行予定です。

・巻頭コラムは「転職35歳限界説は本当か?」

キャリアについて関心のある人なら、誰でも一度は
「転職するなら35歳がリミットだ」というフレーズを耳にしたことがあると思う。
少なくとも一般的な日本企業に関して言えば、今でもこのルールはしっかり存在している。
理由は日本企業の報酬制度で説明可能だ。

では、35歳以降で転職可能な人材とはどのような人材か。

そして、35歳というリミットは、今後どう変わっていくか。
結論から言うと、10年以内にこのリミットは、新卒採用と同じく希薄化するはずだ。


・Q&Aコーナーは2本
「面接はしどろもどろでもいい」は本当か?

よくない。技術系ならいざ知らず、22歳でマトモに意思表示もできないようなら
大卒の幹部候補とはみなされない。
ただし、問題の記事自体は否定しない。

「田舎に近い場所で働きたいというのは転職理由としてはアウトか?」

むしろ、積極的に話した方がいい。
「残業きついですか?」と聞いて内定取れる学生はまずいないが、
「あまりにも残業がきつすぎて家庭に悪影響があるから」という理由で転職した人間は
大勢いる。

+連合ユニオンズは「派遣切り」

Q&Aも受付中、明日日中の発行予定です。登録はコチラから。

ちきりん×城繁幸の会社をちゃかす

2011-05-14 10:13:01 | work
ここで紹介するのを忘れていて結構、連載が進んじゃってるのだが、
覆面ブロガーのチキリンさんとの対談シリーズがBiz誠で掲載中なのでご報告。

やはり、日本人のワークスタイルは、今後大きく変わっていかざるを得ないだろう。
「ゆとり化」とか「草食化」とか色々なキーワードでデコられると思うが、示している
方向性は“脱終身雇用”というのが僕の実感。
終身雇用で貰える果実が減っているのだから、滅私奉公的価値観は今後も希薄化し続ける。

ところで、「女性ゆえに『日本型雇用』という秩序に入れてもらえなかったことが
むしろ幸いだった」という意見だが、以前、ダイヤで石黒さんと対談した際にも、
まったく同じことを言われていた。

「グローバルレベルでは女性の方が活躍している」という話はよく聞くが、
男性の足を引っ張っているのは、やはり終身雇用というぬるま湯なのかもしれない。
もっとも、湯が冷めるのも時間の問題ではあるが。

『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法 第11回のお知らせ

2011-05-12 20:24:33 | work
ビジスパ、メルマガ第11号は明日発行予定です。

・巻頭コラムは「学歴ロンダリングは効果ある?」

最近、格上の大学で院進学する“学歴ロンダリング”が話題になることが多い。
たとえば、ごく普通の私大から、東大や東工大といった一流校の院に進学した場合、
確かに最終学歴は上書きされることになる。
果たして、これはその後のキャリアを考える上でプラスになるのだろうか。

結論から言えば、人事は“学部名”も含めて総合的に判断するので、完全に
ロンダリングしきれるわけではない。
とはいえ、学歴ロンダリングには非常に大きなメリットがあるのも事実だ。

・Q&Aコーナーは2本
「退職を申し出たところ、ボーナス査定が最低評価に。これって、転職先に影響します?」

異動者、退職者、休職者の査定成績が極端に低くなるのはよくある話。
予算は有限なので、誰かがマイナス評価を引き受ける必要がある。

「早期退職の募集が始まりました。応募するしないの判断は、どこでするべきでしょう?」

どんなに魅力的な条件でも、あるモノが無いなら応募しない方がいい。
それは、退職後の第二の人生が、このまま会社に残るより価値があるという確信だ。


+連合ユニオンズは「底辺決戦」。

Q&Aも受付中、明日日中の発行予定です。登録はコチラから。

ホント嘘だったんだぜ~年金は安全です

2011-05-01 21:47:06 | work
玉川徹のちょっと待った!総研
クリエーター情報なし
講談社


色々あってすっかり紹介するのを忘れていたが、あらためて紹介。
テレ朝スーパーモーニングの人気コーナーで様々な社会問題を取材してきた著者による
分かりやすい日本の課題の解説本。こちらのテレ朝版と考えるといい。
放送を元にまとめているので、若干バランスに偏りがある(公務員のムダ関係が多い、
その割に本丸である公務員人事制度改革に触れていない)ものの、全体として上手く
まとまっている。

ちなみに、僕自身、最終章の処方箋編で、社会保障改革について解説させてもらっている。
若者マニフェストで提言しているように、世代間格差を解消し、かつ持続性を維持するには
できるだけ速やかに事前積立方式に移行するしかない。
一言で言えば、自分たちの世代の分を今から積立て、現高齢者の分は薄く長く負担する
というものだ。

現状、年27兆円が社会保障関係費として一般会計から支出されている。つまり、国債という
形でツケが先送りされているわけだ。しかもその額はこれから先、毎年1兆円ずつ増加する。
復興費用は国債で長期負担するのが筋だという意見があるが、逆に言えば、こういった
経常的な支出は絶対に国債に頼ってはいけない類のものだ。
要するに事前積立と言うのは、そういうなし崩し的なツケの先送りを辞めさせ、身の丈に
合ったフレームを作ろうよということである。

ところで、日仏の出生率比較のパートが興味深い。
実は、夫婦が希望する子供の数では、フランスよりも日本の方が多いのだ。
それが実現しない理由は明らかで、日本の社会保障が高齢者ばかりに偏っているから。
GDP比で比較すると、フランスの少子化・子育て関連支出が3%なのに対し、
日本はたった0.8%でしかない。

ただし、民主党の子供手当のように、大赤字垂れ流しながら行う一時的なバラマキには
まったく意味が無い(自分たち名義のカードで奢ってもらって喜ぶアホはいないだろう)。

財政から社会保障まで、トータルで受益と負担のバランスをとりつつ、その上で他の先進国並みに
女性の社会進出を進めて、子育てコストを下げるしかないのだ。

そう考えると、少子化対策や社会保障改革、財政再建というのは、すべてつながった一連の
大手術だというのがよくわかる。そして、残された猶予は少ない。

まあ少なくとも、こういう読みやすくて良心的な本が現時点でいろいろ世に出ているわけだから
後になって「ホント嘘だったんだぜ~国債も年金も安全です~」
なんて歌うのは無しだろう。

『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法 第10回のお知らせ

2011-04-21 18:45:46 | work
ビジスパ、メルマガ第10号は明日発行予定です。

・巻頭コラムは「一次面接と最終面接の違い」

新卒採用にせよ中途採用にせよ、普通の企業では複数回の面接が行われる。
当然ながら、それぞれの面接には独立した意味があり、異なる点を判断
しているということになる。
どこで落ちてしまうかで、その人の抱える課題はだいたい見えてくるものだ。
というわけで、今回は「面接の各段階の傾向と対策」について考えてみたい。
こと就活においては、下手な鉄砲は数を打ってもなかなか当たらないものだ。

・Q&Aコーナーは
「子供連れの女性の転職活動は可能か?」

小さい子供のいる女性が、家事と仕事の両立を目指して転職活動をすることは
日本の労働市場的に許されるのか。
結論から言うと、大手に限らなければ問題は無い。
中途採用では遠慮せずに動機と就労条件について確認するべきだ。

そして、連合ユニオンズは「毒まんじゅう」。

Q&Aも受付中、明日日中の発行予定です。登録はコチラから。

『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法 第9回のお知らせ

2011-04-07 20:21:20 | work
ビジスパ、メルマガ第9号は明日発行予定です。

・巻頭コラムは「資格は実務経験を伴ってこそ輝く」

キャリアに関する誤解の一つに、“資格”に関するものがある。
よくあるIT系のものから弁護士、会計士といった士業系が代表だが、TOEICの点数、
修士、博士といった学歴も広い意味では一種の資格である。
資格について考えておくのは非常に意義深い。
それは、キャリアの本質につながるテーマでもあるからだ。

資格を活かせない人とはどういう人か。
資格取得がリスクになるケース。
そして、資格を活かすためのテクニックについて。

・Q&Aコーナーは2本。
「震災の採用活動に対する影響はどの程度か?」

残念ながら、企業の採用戦略の過渡期と重なって、特に新卒で
大きな影響があるだろう。

「企業に出世コースはあるのか?」

採用時の評価によって、配属先が色分けされる企業は珍しくない。
確かに、それをもって出世コースと言えなくもないが、実際には
それほど心配する必要はないだろう。

そして、連合ユニオンズは「開幕」。

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『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法 第8回のお知らせ

2011-03-24 18:52:41 | work
ビジスパ、メルマガ第8号は明日発行予定です。

・巻頭コラムは「日本企業は社員をクビにできるのか?」

たまに「企業もやる気になれば従業員をクビにできる。やらないのは人事部の怠慢だ」
というようなことを言う人がいる。ただし、これは間違いだ。
人事部が従業員をクビに出来るケース、出来ないケースにはどのようなものがあるのか。
そして、デッドラインはどこに引かれているのか。
実際の運用から見ていくと、興味深い事実が見えてくる。

・Q&Aコーナーは2本。
「公務員から民間企業への転職は歓迎されるか?」

公務員出身者は民間企業では通用しないと言うのはただの迷信にすぎない。
公務だろうが大手企業だろうが、低評価される人には、別の理由がある。

「転勤の理由が知りたい」

転勤が発生するメカニズムはいくつかある。
まず、なによりも終身雇用を維持するため。
そして、その遺構としてのジョブローテーションが代表的な理由だ。

時事放談は「中央公論4月号、海老原氏との対談について」
僕がこれまで対談を断ってきた理由。今回は受けた理由。
そして、誌面に載らなかったやり取りについて、いくつか補足を。

明日日中の発行予定です。登録はコチラから。

文藝春秋4月号

2011-03-20 20:37:33 | work
文藝春秋 2011年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
文藝春秋


発売中の4月号「これが私たちの望んだ日本なのか」に寄稿しているのでご報告。
いろんな立場の125人が、迷走する政治、日本社会についてコメントを寄せる形式なのだが
パラパラ読んでみると、全体的に「有権者の意識を変えないとどうしようもないよね」的な
一種のニヒリズムみたいなものが漂っている(まあ僕もそうなんですけど)。

たとえばナベツネと佐高信が、日本の最大の課題を「小選挙区制による大衆迎合」においている
のは興味深い。左右どちらから見てもそう見えるということは、その診断に間違いないのだろう。

ところで、意外な人が意外なコメントを寄せていた。抜粋するので、誰の言葉か想像してみて欲しい。


小さければ小さいほど、政府は「まだまだ大きい」と叩かれる。人々の生活が財政によって
支えられていないからだ。現在の低すぎる国民負担率では、世界一の高齢化社会を
乗り越えられないことを誰もが知りながら、企業も国民も「俺じゃない誰かから」取るべきと
口々に言う。
(中略)
強力なリーダーシップでガラガラポンをやってくれる、そんなカリスマリーダーの出現を
あとは待つばかり。「救国」とか「維新」といったあまり民主主義的でないスローガンが
あちこちで叫ばれるのは、人々のフラストレーションが沸点に達しつつあり、ガラガラポン欲求が
高まっているからだろう。


Voice 3月号

2011-03-17 18:28:20 | work
Voice (ボイス) 2011年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
PHP研究所


月刊Voice4月号が「世代間格差」を前面に押し出した特集を組んでいる。
読者層の年齢が高いと言われる論壇誌において、これは快挙だろう。
心意気に拍手したい。
僕自身も『「新卒一括採用」という遺物』を寄稿している。

粒ぞろいの良記事が多いが、中でも興味深かったのが、大竹文雄氏と冨山和彦氏の対談
「なんて恥ずかしい若者搾取」だ。以下、ダイジェストのみ抜粋するので、面白かった
という人は本屋へGo!しよう。

冨山:大企業では、公的年金と企業年金を合わせて50万円くらいもらっている人達もいる。
   若手は中高年に加え、これらOBからも制度的搾取を受けている。
   「企業と労働者の約束」といっても、そもそも若者はそれにコミットしていない。

大竹:たとえば大学の仕事も昔と大きく変わっているはずだが、「仕事なくなりました」
   という人はおらず、あるように振る舞うことで以前と同じお給料を貰っている。
   非常勤の職員の方が優秀なケースは多いが、彼らの方が給料ははるかに低い。

冨山:一連の「アンチ市場経済運動」や「格差キャンペーン」をアジテートしていた人達
   がいやらしいのは、世代間格差で自分たちが不当利得を得ていることを暴かれることに
   大して、防衛本能を働かせているようにしかみえないから。

大竹:整理解雇を明文化して認める代わりに、金銭条件をむしろ厳しくすべき。

冨山:債務超過になって解雇出来ても、退職金も無しに路上に放り出されるだけ。
   「人生を壊さずに済む段階」での解雇を認めるべき。