Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

ブログ移転のお知らせ

2011-06-04 21:05:00 | その他
このたびブログを移転することになったのでご報告。

なんだかんだ言って2年くらいgooを使用していましたが、いろいろと思うところもあり
以前からお話のあったライブドアさんに移転することにしました。

http://jyoshige.livedoor.biz/

※データはすべて引っ越し済み

ちょっとまだ慣れてないのでいたらぬところもあるかもしれませんが
よろしくお付き合いください。




LIVEセミナー番外編 「35歳までのキャリア戦略」

2011-05-11 21:12:02 | その他
東洋経済さんの合同セミナーに参加させていただくのでお知らせ。

2011年5月28日 13:30~17:00
詳細はコチラから。

昨年も同じような顔合わせで一度実施しているので、個人的には若干趣向は変えようかな
と思っている。従来の著作ベースの話にくわえて、+αで震災後の影響、若干アウトサイダー的な
話題も。

※こういうの話して欲しい的なリクエストがあれば、メールで受け付けます。

居酒屋で酒飲んで、非常時には防災服着て皆でサラダ食ってる人は良い人だろうけど、良いリーダーなのか

2011-04-01 17:37:48 | その他
秋田県の上小阿仁村で、正月に休むなと中傷された医者が辞職するという。
後任になるような奇特な暇人なんていないだろうから、無医村になるのはほぼ確定だ。
正月に休むような医者はいらないということらしいから、村人もさぞ満足だろう。

ところで、こういった構図は何も過疎地だけの話ではない。リアルタイムの政治でも
色々と見ることが出来る。
たとえば。閣僚の皆さんが着ている作業服に違和感を感じている人は少なくないはず。
個人的にも国会で作業服着る意味がよくわからない。
でも、スーツ姿でカメラの前に出てきたら出てきたで、バッシングされるだろうな
ということは想像がつく。

ちょっと前に、麻生さんか誰かが、たかがホテルのバーで飲んだくらいで叩かれたこと
があったが、以来、政治家の居酒屋アピールが流行るようになった。
これも麻生さんか、あるいは他の誰かか忘れたが、漢字の読み間違いで叩かれて以降、
政治家がうつむいて原稿を読む場面が増えた気がする。
菅さんにいたっては、総理就任以来、ぶら下がり取材を減らすことで、極力メディアへの
露出を抑えるという戦略をとっていた。あげ足取りの報道を恐れて先手を打ったというわけだ。

こういうのは「休日に休むな」式のクレームに対して、彼ら政治家が進化して身に付けた姿勢である。
問題なのは、それが本当に進化なのかということだ。
揃いの作業着でぞろぞろ出てきて伏し目がちに原稿読んだり、並んでサラダ食ったり
している姿を見ると、品行方正ではあるけどつまんない優等生を見ているような気分になる。

ふと思ったのだが、実は減っているのは過疎地の医者だけではなく、リーダーシップのある
政治家もそうなのかもしれない。とすると、我々はあまり上小阿仁村を笑えない。

というわけで、個人的には、政治の金の話と下の話はなるべく聞き流すようにしている。
視聴者が反応しなければ、そのうちメディアも瑣末なことは取り上げなくなるだろう。
時間のかかる話かもしれないが、鏡にうつる姿を変えるには自分を正す以外にない。

政治家の皆さんに『苦役列車』をオススメしたいわけ

2011-02-24 11:04:06 | その他
文藝春秋 2011年 03月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
文藝春秋



文藝春秋3月号に掲載中の第144回芥川賞受賞作「きことわ」「苦役列車」が、見事に
好対照の内容で興味深い。一言でいえば、繊細とお下劣。
どちらも面白いが、がさつな男としては苦役列車の方がすんなり頭に入った気がする。

内容について簡単に触れると、貫多という学も無く家庭にも恵まれない若者が、
日雇い仕事で食いつなぐ様子を淡々と描いた私小説だ。
一応、起承転結のようなものはあって、底辺の暮らしの中で、日雇い仲間の中に
やっと友人が一人出来るのだが、彼とも疎遠になり、結局はぐるりと一周まわって
スタートラインに戻ってしまうという流れ。

面白いなと思ったのは、主人公・貫多のびっくりするくらいのダメっぷりだ。
3畳半のボロアパートも、マイナス30度の倉庫作業も、彼にはいくらだって抜け出す
機会はある。
でも、彼は酒とタバコと風俗に入る金はすべて使ってしまい、ジャンプのための
ホップステップを作ることが出来ない。
仕事でも昇格や資格取得といったチャンスをすべて自分から断ってしまう。
理由はめんどくさいから。
そう、彼が日雇いしかやろうとしないのは、それが彼にとっては楽だからなのだ。

そして、彼には一片の政治性もない。
広い世界にただダメな自分一人がいて、ダメ度のより少ないマシな連中を底辺から
見上げて罵倒しているだけである。
「9割型、実際の話です」というくらいだから、作者はこの通りの人間なのだろう。
読んでて清々しくなるくらいのダメ人間だ。

と、同時に、読んでて作者の顔はもちろん、息遣いや体臭まで想像できそうな気が
したのは、きっと僕自身の中にも同じ部分があるからだろう。
普通の読者(特に男性)なら、「あるある」と共感する部分は少なくないのではないか。

選者の一人である石原慎太郎氏は「僕にとって小説の魅力とは作品の持つ身体性」
だそうで、もちろん、本作品を高く評価している。

ところで、先日、就活デモ実行委員会の参院での申し入れを見に行った際のこと。
一生懸命話す学生とは逆に、話からなんの熱も意思も感じられない政治家が多かった
のが気になった。
たとえば、

社民:福島氏「派遣法改正と若者の就労支援を頑張っていきたいと思います」
共産:宮本氏「大企業が採用数減らしたのが悪い。追加採用を申し入れたいと思います」

↑これほど、“身体性”の感じられない言葉の羅列も珍しい。
とりあえず見栄えがよく、波風を立てないような言葉の羅列だけでは、誰も何も動かせない。
小説に身体性が必要かどうかはともかく、政党がそれを持たない場合、食い詰めて泡まつ化
するのは事実のようだ。

日本でもっとも影響力のある経済学者、金子勝さんの講演会にて

2011-01-17 14:08:28 | その他
先日、近所で行われた金子勝さんの講演会を聞きに行ってきた。
タイトルは「2011年 日本の政治と経済」

いや、別にこの人の話に興味があるわけではないのだが、この人が語るであろうことを
どういう人がどういうスタンスで聞いているのだろうという点に関心があったから。
日本の政治・経済が行き詰まりを見せているのは、こういう草の根レベルの意思決定に
何か問題があるからではないか、という疑問は以前から持っていた。
若者マニフェストのメンバーで元市議会議員の高橋亮平氏も、メルマガで同様の点を
指摘している(バックナンバーは来月サイトにて公開予定)。

というわけで会場に行ってみて驚いた。20分前なのに、350人収容の会場はほぼ満席。
結局、最後は立ち見が100人近く出るほどの盛況ぶりだ。これがテレビの威力なのだろう。
7割は60歳以上に見えるが、地域イベントとしてはもはや平均的な年齢構成かもしれない。
司会者は何度も「慶應義塾大学、経済学部教授、金子勝センセイ」と連呼する。
会場の大多数の人にとっては、目の前に立つのは、“慶応大学”と“サンデーモーニング”
という二枚の巨大看板を背負った、日本を代表する経済学者というわけだ。

金子先生の話も抜群に上手い。こりゃ相当場数を踏んでいるはず。客層に合わせたウィット
に富んだ話し方、つかみの展開等、綾小路きみまろに似ていなくもない。
だが、スタイルは完全にサンデルを意識している。演台から離れてステージの縁に立ち、
オーバーアクション気味の身振り手振りで声を張り上げ、話中に何度も“正義”という言葉
を交える姿は、完全に和製サンデルだ。
正直、これだけ聴衆を引き込める経済学者は(日本では)他にいないのではないか。

話の内容は、大方の予想通りである。
「小泉構造改革で格差拡大、経済成長もしていない、あれは失敗だった」の繰り返し。
TPPや規制緩和は、もっとみんなでじっくり議論しましょうね。
そして最後は、世界規模でのグリーン革命の推進が世界経済を救うとかなんとか。
ちなみに、「不況になると、すぐに日銀に円を刷らせろとか、規制緩和で競争促進とか
言う論者が出てくるが、そんなものには何の根拠もありません」とバッサリ。
リフレが先か構造改革が先かなんて、金子先生の実社会における影響力
に比べれば、小さな話かもしれない。


というように、分かっている人から見れば、起承転結がぐちゃぐちゃで、今後の方向性
も五里霧中なまま放り出されるようなお話だったのだが、顧客満足度的には上々だろう。
たぶん、さわやかな日曜日の昼下がり、「これといって処方箋を知っているわけではない
けれども、構造改革にも自由貿易にも否定的な老人たち」が200人くらいは
(税金によって)新たに量産されたのではないか。

ちなみに、僕はこれまで、閉塞感の原因はメディアにあると思っていて、彼らが適当な
人選で適当なことしか言わせないから有権者も適当な政治家しか選ばないのだ、と考えてきた。
カメラが回っているうちは「こんなに弱者が可哀そう」なんて嘆いて見せる癖に、
CMになると「社会保障の話なんてみんな退屈ですよね」と平然と言ってのける
年収2千万オーバーのアナウンサーが代表だ。

ただ、どうもそればかりではない気がする。

仮に金子先生がバリバリの自由経済支持者だとしたら、あれだけの人は集められないだろうし、
仮にそう言う論者だけを選んで番組作ったら、数字が取れずに即打ち切りだろう。
結局は「金払ってまで知識を得たいとも、辞書引っ張りだしてまで難しい用語を調べようとも
思わず、自分に心地よい話しか耳に入れない多数の人々」に届けるコンテンツを作ると、
誰がやってもああなっちゃうしかないのではないか。
とりあえず訳のわからぬまま天から降ってきた民主主義という仕組みの中で暮らす島国住民の、
これが現実なのかもしれない。

ただ、変化の芽も感じられた。終了後の質疑応答で「解雇規制の緩和についてどう思われますか?」
と単身突撃している参加者がいたのだ。こういう場でこういうキーワードが出てきたことは
サプライズだろう(金子さんはバッサリ切り捨てていたけど)。

もう一つ、気づいたこと。
要するに、氏はモリタクと同じようなこと言っているのだけど、僕は金子さんは別に嫌いじゃない。
その理由は自分でもよくわからなかったが、昨日見ていて理由が分かった。
彼には、明らかに苦悩の色が見えるから。
恐らく、彼自身、(自分の主義思想的に許容できる範囲において)現状に対する答えが
出せないのだろう。

といって、「財政破綻なんかしません、いくらでも円刷ればいいんですから」なんてバカなこと
を言うほど不誠実ではない。
だから、最後はグリーン革命なんて方向に発散してしまうのだと思われる。

そういえば、彼は正義という言葉の他に、“破滅”とか“戦争”という言葉も何度か使っていた。
伝える言葉がないだけで、見えてるものはそんなに変わらないのかもしれない。

会社に下駄を預ける覚悟

2011-01-11 20:27:42 | その他
NHKの会長人事がちょっとごたごたしているようだ。
朝日と毎日によれば、候補者が確認しようとした処遇に関して、一部の経営委員が難色を
示したのだという。

ちなみに条件と言うのは交際費や住居に関してで、別に聞いたっておかしな話ではない。
(本人いわく聞いてないそうだが)
こういう些細な点にアレルギー反応してしまう体質が、いかにもな日本型組織だなという
印象を持ってしまった。

新卒採用が典型だが、日本型雇用というのは一種の身分制度であり、
「終身雇用と言う保護を与えるかわりに会社に下駄を預けてね」
という暗黙のバーター契約が存在する。
会社の都合通りの場所で空きの出た担当業務に就いてもらわないと、終身雇用なんて
保証できないからだ。
転勤辞令出すたびに拒否られたり、「労働者の権利ですから」といって有休全消化や残業拒否
されると、日本型雇用は維持できない。

だから、有休取得状況や残業時間、勤務地などに関する質問は嫌がられるし、配属先についても
あまりしつこく尋ねすぎると敬遠される可能性がある。
そういったものはすべて組織から与えられるものだというのが、日本型組織の価値観だ。

ただし、こういった変なカルチャーがあるのは日本だけなので、外資OBや外国人ホワイトカラー
を採用しようとする際にいろいろなギャップが表面化してしまう。
昨年あたりから、外国人の採用を本格化させる企業が増えたが、正直いってまだまだ乗り越えるべき
ハードルは高いと思っている。
本当に外国人を戦力として受け入れるのであれば、日本型雇用を抜本的に改める必要があるからだ。

本当に会長候補に対して「下駄を預ける覚悟が足りない」と言う点を気にしたとすれば、
少なくともNHKは21世紀もコテコテの日本型組織であり続けることだろう。




半値になっても儲かる「つみたて投資」

2010-12-28 20:53:19 | その他
半値になっても儲かる「つみたて投資」 (講談社プラスアルファ新書)
星野 泰平
講談社


「自分年金プロジェクト」の星野氏の新刊に寄せ書きをしたのでご報告。

財政が持続不可能な領域に突入してしまった日本は、少なくとも現役世代からすると、年金も
医療も将来あるかどうか分からないという「メチャクチャ小さな政府」状態だ。
特に年金なんて、積立金の取り崩しを始めてしまった以上、財政がもっても何らかの形で
将来の給付は見直さざるを得ないはず。
とすると、老後に必要だと言われている生活費2千万にプラスする形で、我々は何らかの手段
で資産形成を自力で図らないといけないわけだ。

「そんな金も資産も時間もないよ」という人に向けて、比較的低リスクでの投資を可能とする
のが“つみたて投資”である。

毎月一定額を積み立てるつみたて投資は、一括投資に比べてリターンでは劣るものの、
リスクを分散化できるというメリットがある。著者の以下の指摘は重要だ。

これから資産を作ろうと考えている方にとって、最高の投資は「自己投資」です。
特に若い人はお金が無い分、時間という資産を持っていますので、それを最大限に活用し、
様々なことに挑戦するのが、最も収入アップにつながるでしょう。
ですから、投資を始めるタイミングや投資後の値動きに気を取られて仕事に集中できない
ことは、最も避けなければならないことです。
(中略)変えることができない「過去」や、どうなるかわからない「未来」に気を取られ過ぎず、
「今」に集中し、最大限努力するのが大切です。


良くも悪くも、これからの日本は、キャリアも社会保障も、自分で設計しなければならない
時代が来るだろう。
後者を考える上で、リスクも手間も少なく済ませたいという人に、本書は格好の入門書となるはずだ。