Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法 第8回のお知らせ

2011-03-24 18:52:41 | work
ビジスパ、メルマガ第8号は明日発行予定です。

・巻頭コラムは「日本企業は社員をクビにできるのか?」

たまに「企業もやる気になれば従業員をクビにできる。やらないのは人事部の怠慢だ」
というようなことを言う人がいる。ただし、これは間違いだ。
人事部が従業員をクビに出来るケース、出来ないケースにはどのようなものがあるのか。
そして、デッドラインはどこに引かれているのか。
実際の運用から見ていくと、興味深い事実が見えてくる。

・Q&Aコーナーは2本。
「公務員から民間企業への転職は歓迎されるか?」

公務員出身者は民間企業では通用しないと言うのはただの迷信にすぎない。
公務だろうが大手企業だろうが、低評価される人には、別の理由がある。

「転勤の理由が知りたい」

転勤が発生するメカニズムはいくつかある。
まず、なによりも終身雇用を維持するため。
そして、その遺構としてのジョブローテーションが代表的な理由だ。

時事放談は「中央公論4月号、海老原氏との対談について」
僕がこれまで対談を断ってきた理由。今回は受けた理由。
そして、誌面に載らなかったやり取りについて、いくつか補足を。

明日日中の発行予定です。登録はコチラから。

文藝春秋4月号

2011-03-20 20:37:33 | work
文藝春秋 2011年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
文藝春秋


発売中の4月号「これが私たちの望んだ日本なのか」に寄稿しているのでご報告。
いろんな立場の125人が、迷走する政治、日本社会についてコメントを寄せる形式なのだが
パラパラ読んでみると、全体的に「有権者の意識を変えないとどうしようもないよね」的な
一種のニヒリズムみたいなものが漂っている(まあ僕もそうなんですけど)。

たとえばナベツネと佐高信が、日本の最大の課題を「小選挙区制による大衆迎合」においている
のは興味深い。左右どちらから見てもそう見えるということは、その診断に間違いないのだろう。

ところで、意外な人が意外なコメントを寄せていた。抜粋するので、誰の言葉か想像してみて欲しい。


小さければ小さいほど、政府は「まだまだ大きい」と叩かれる。人々の生活が財政によって
支えられていないからだ。現在の低すぎる国民負担率では、世界一の高齢化社会を
乗り越えられないことを誰もが知りながら、企業も国民も「俺じゃない誰かから」取るべきと
口々に言う。
(中略)
強力なリーダーシップでガラガラポンをやってくれる、そんなカリスマリーダーの出現を
あとは待つばかり。「救国」とか「維新」といったあまり民主主義的でないスローガンが
あちこちで叫ばれるのは、人々のフラストレーションが沸点に達しつつあり、ガラガラポン欲求が
高まっているからだろう。


Voice 3月号

2011-03-17 18:28:20 | work
Voice (ボイス) 2011年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
PHP研究所


月刊Voice4月号が「世代間格差」を前面に押し出した特集を組んでいる。
読者層の年齢が高いと言われる論壇誌において、これは快挙だろう。
心意気に拍手したい。
僕自身も『「新卒一括採用」という遺物』を寄稿している。

粒ぞろいの良記事が多いが、中でも興味深かったのが、大竹文雄氏と冨山和彦氏の対談
「なんて恥ずかしい若者搾取」だ。以下、ダイジェストのみ抜粋するので、面白かった
という人は本屋へGo!しよう。

冨山:大企業では、公的年金と企業年金を合わせて50万円くらいもらっている人達もいる。
   若手は中高年に加え、これらOBからも制度的搾取を受けている。
   「企業と労働者の約束」といっても、そもそも若者はそれにコミットしていない。

大竹:たとえば大学の仕事も昔と大きく変わっているはずだが、「仕事なくなりました」
   という人はおらず、あるように振る舞うことで以前と同じお給料を貰っている。
   非常勤の職員の方が優秀なケースは多いが、彼らの方が給料ははるかに低い。

冨山:一連の「アンチ市場経済運動」や「格差キャンペーン」をアジテートしていた人達
   がいやらしいのは、世代間格差で自分たちが不当利得を得ていることを暴かれることに
   大して、防衛本能を働かせているようにしかみえないから。

大竹:整理解雇を明文化して認める代わりに、金銭条件をむしろ厳しくすべき。

冨山:債務超過になって解雇出来ても、退職金も無しに路上に放り出されるだけ。
   「人生を壊さずに済む段階」での解雇を認めるべき。


『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法 第7回のお知らせ

2011-03-10 20:21:31 | work
ビジスパ、メルマガ第6号は明日発行予定です。

・巻頭コラムは「人事部が出来ること、出来ないこと」

「採用や異動、人事評価を決めているのは誰なのか」

人事部というアングルで、日本の会社は3タイプに分類できる。
「エリートコースなんでしょ?」とか「すごい権限があるんだろう」という人もいるが
ほとんどの民間企業では、実はたいした力は持っていない。
生え抜きの人事部が機能している企業でも、彼らには出来ることと出来ないことがある。
また、動いてもらう場合にしても、彼らには大義名分が必要だ。

・Q&Aコーナーは「目標管理制度って時間をかけるほどの意味があるの?」

元々は職務給型の組織で生まれたものなので、そのままでは日本型組織にはマッチしにくい。
過去10年ほどの成果主義の変遷を見れば、徐々にだが日本型の運用がなされているのがわかる。

そして、連合ユニオンズ第7回は「奮起」



明日日中の発行予定です。登録はコチラから。

日本型雇用がダメなのか 大学生がダメなのか

2011-03-10 13:53:36 | work
中央公論 2011年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
中央公論新社


中央公論4月号にて海老原氏との対談が掲載中なのでご報告。
既にwebで公開中という太っ腹ぶりである。
『日本型雇用がダメなのか 大学生がダメなのか』

まあ、僕の方からはもう特に言うことは無いけど、これを読めば、共通点と違いが
なんとなく見えてくるはずだ。

そうそう、今月末にはこういうイベントも予定されている。
シンポジウム「就活はこれでいいのか?~日本の雇用を考える~」
ライブで聞いてみたいというひとはこちらもおススメしたい。

PRESIDENT 3.21号

2011-03-09 17:32:27 | work
PRESIDENT (プレジデント) 2011年 3/21号 [雑誌]
クリエーター情報なし
プレジデント社


特集「見捨てられない人の働き方」にインタビュー掲載中。
基本、いつも言っている内容で、要するに社内価値というモノサシしか持たないと
組織と共にどんどん沈んでいく一方ですよという話。分かっていても、もはや自分の
力ではどうしようもなく、ただ天に祈るのみという先輩達は、どこの職場にもいるだろう。
何もしないと、もっとひどい状況になるだけだ。

ところで、個人的には結構過激なことをしゃべってしまったかなと思っていたが、
一冊読んでみると、僕なんて全然普通に見えるくらい、他の記事が過激である(笑)

以下、一例。
「課長補佐以上は日本語+英語、部長以上は日本語+2ヶ国語が登用の条件」
(日本電産・永守重信インタビュー)

「8割は課長にすらなれない」
(人事部長座談会より)

それだけ変化のスピードが速いということなのだろう。
危機感を持ちたい人には、一冊通して一読をおススメしたい。


人事部のジレンマ

2011-03-04 18:33:02 | 採用
プレジデントの人事・座談会がなかなか面白い。
学生の質低下を喝破しつつ「でも、新卒一括採用で本当に良い人材なんて採れるの?」
という人事部のジレンマがにじみ出る良記事だ。

ところで、大学生の質の低下についてちょっとだけ考えてみたい。
座談会でもスルーされていることからもわかるように、シラバスがネットで話題に
なるような大学は、最初から大学とは見なされていないのでここでは省く。
あくまで中堅以上の大学生の質の低下についてだ。

学生の質が低下したように見える最大の理由は、少子化である。
ピークの団塊ジュニアと比べれば、3割以上数の減っている今の学生は、それだけ
同じクラスの大学にも入りやすいバーゲンセール状態だったと言える。
しかも、各大学が仲良く定員割れするわけではなく、みな上に詰めるから、中堅以下の
大学ほど値引き幅が大きくなってしまうわけだ。

大学の入学枠を、大学進学希望者の数に応じて調整したり、絶対的な合格基準のような
ものを作らせれば、大学生の質は維持できるだろう。
でも、そもそも大学の意義って何だろうか。
たとえば東大とか京大とか早稲田とか慶応といったブランド名を維持することなのか。
個人的には、大学の意義とは「(学生の伸びた長さ×人数)をなるべく増やすこと」
だと思っているので、席が空いていて希望者がいるのなら、どんどん入れるべきだと思う。
質を担保したいなら卒業検定のようなものを作れば済む話だ。

というか、本当に必要なら企業が自分たちでやったはず。
そういうことをまったくしてこなかったということは、やはり大学教育の中身に全然期待して
いなかったということだろう。

というわけで、問題なのは大学教育というよりも、「ピチピチの若い日本人の男の子」
にしか目がいかず、そのニッチなターゲット層に対してさえ“大学名”しか判断基準を持てずに
「最近の大東亜帝国は~」としか言えない企業自身だ。

上場企業の総合職内定者の女性割合は景気のいい06年で10%強だから、今だと一ケタだろう。
女性を同じ選考の土俵に上げるだけで、彼らの「人材の質の低下問題」はあらかた解決するはず。
そして、女性と男性の処遇の格差を是正するために何が必要かは、あらためて言うまでも無い。

ただ、記事にもあるように、多くの人事担当が新卒採用に限界を感じているのも事実なので、
早晩流れは変わるだろう。3年内既卒対応は一つのきっかけになるかもしれない。