Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

雇用流動化に踏み出したスペイン

2010-06-24 16:31:39 | その他
スペインが労働市場の流動化法案を閣議決定したという。
解雇規制を緩和し、経済成長の道筋をつけるための重要な法案だ。
ちなみにスペインの「解雇の難しさ」は2.0ポイント。
OECD加盟国平均2.59からすると、どちらかというと普通の国である。
(OECD Indicators on Employment Protection - annual time series data 1985-2008 )

一方の日本は3.8ポイントで、OECD加盟国中もっとも解雇の難しい国である。
だからスペインのフットワークの良さは正直うらやましいが、逆に言えば、危機が顕在化
しないかぎり、改革は進まないということかもしれない。

法人税もそうだが、今後は世界的に雇用法制も抜本的な規制緩和に進んでいくはずだ。
最終的に、税も雇用もほぼ同じ水準に収れんしていくものと思われる。
先進国から新興国まで、完全に同じ土俵で競うということだ。
まず、スペインが統合されることになったが、遠からず同じ波は日本にもやってくる。
英語を公用語するユニクロや、新規採用の8割を海外で採るパナソニックは、いち早く
土俵のグローバル化に対応しようとしているわけだ。

こういう状況でも「企業は愛国心を持て」とか「労働者は団結して云々」とか言うアホが
たまにいるが、土俵のグローバル化自体は誰にも止められないから、ついて行ったところで
土俵から降りて不戦敗になるだけだ。まあ、貧乏神みたいなもんだと思っておけばいい。
本当に愛国心があるなら中国人に負けないように勉強すればいいし、
デモやりたいなら連合かモリタクの家にでもデモ仕掛けてこい。


税のグローバル化については、民主を始め多くの政党が口にし始めた。
次は雇用のグローバル化だが、これが選挙でメインの争点になるのが先か、それとも
スペイン、ギリシャを襲ったような大波が先にやってくるかは、まだわからない。

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48 コメント

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Unknown (おかゆ)
2010-06-24 18:21:03
愛国者ヅラしてるだけの連中に愛国心なんてないですね。

徴兵制の話になれば「よし俺がいく!!」とは言わない。代わりに「アメリカに頼りっぱなりでいいのか?ひ弱な若者達を徴兵して国家自立の気概を持たせろ!もっとも私は徴兵制無き人生を堪能できる逃げ切り世代ですけど何か?」ですし。

また愛国心を持って、英語で主張する事にチャレンジ。少しでも日本の主張を世界に届ける・・・なんて事は考えない。やらない。やる事は外国の悪口を外に漏れないように日本語で言うだけ。

なんで誰もツッコんであげないんですかね。
彼らは全力でボケているのに。









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グローバル化は企業の反国家(税の扶払い)・反人民(報酬抑制)を加速する (木原)
2010-06-24 20:14:02
>本当に愛国心があるなら

国境を持たない資本に愛国心がないのは当然だが
グローバル化の波は個人の生活の場をも資本と同じ無国境の海に押し流す

労働市場が自由化され個人も国境を失った場合、愛国心もなくなると思うのですが。


まあ人間はそんなにバカじゃないので、人を手段化し国を豊かにしないグローバル化はいづれ各国で排撃の対象になると俺は思っています。

まずは衰退著しい西欧の人民が立ち上がるだろう。

市場原理が国民を豊かにしないのなら抹殺される。経済的な市場原理主義は、政治的な市場原理の前に敗北するわけだ。
まあ、もともと思想的に貧弱な資本主義など、復興は無理だろうな。心中する相手は国家的に信奉しているアメリカくらいか


ところで城氏は農産物の貿易自由化についてはどう思ってるのか? 労働者の規制が撤廃されれば農民の規制も撤廃されないと公平ではない。

この場合も自給率より国際市場原理を守りますかね?
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Unknown (シロガネ)
2010-06-24 20:40:56
日本のポイントの高さにびっくりなのですが。
スペインが「どちらかというと普通の国」なのは、
日本が数値を引き上げているからでは?
日本がいなくなったらスペインも普通じゃなくなるんじゃないかと。
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国家も競争する時代 (yasu)
2010-06-24 21:18:39
グローバル化とは国も各種制度をめぐって競争にさらされることだと思います。
税金というコストをなるべく削減して、余計な規制を撤廃し、儲けやすく、生活しやすい環境を用意して、優良企業、優秀な人材を世界中から誘致してこなければ繁栄できない時代になっていくでしょう。
これを拒否したところで待っているのはギリシャか北朝鮮。
国も企業も人も、もう待ったなしで腹くくっていくしかないでしょう。
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もう1人加えてください。 (かくせいⅢ)
2010-06-24 21:33:39
全く異議なしです。

デモをかける対象の連合やモリタクに加えて
是非とも、浜矩子教授を加えてください。
不景気な顔に加えて、言ってることが出鱈目!
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Unknown (epi)
2010-06-24 21:39:46
山積した問題に手をつけるのは悪いことではないのですが、景気の良い時にやればダメージも少なくてすむのに、小泉政権の頃にそれが出来なかったのが残念。

>先進国から新興国まで、完全に同じ土俵で競うということだ。

今は人・モノ・カネがより自由に世界を飛び回る時代になりましたから、飛躍を目指す企業なら、性別・国籍を問わずどれだけ優秀な人材を確保できるかどうかが重要になってきましたね。
自分も含めて、英語が苦手な人はステップアップが厳しくなるのかもしれません。
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Unknown (Unknown)
2010-06-24 22:10:08
>この場合も自給率より国際市場原理を守りますかね?

ここでは釣れませんよ。
2chあたりで釣ってみてはいかがです?
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Unknown (Unknown)
2010-06-24 22:23:58
社会保障やILOの条約批准もグローバル化して欲しいですな。
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新しい生き方 (落第小僧)
2010-06-24 22:35:05
日産、楽天に続いて、ユニクロも英語を社内の公用語にするみたいですね。まだ何とも言えませんが、そういった日本企業は、将来的に雇用・昇進システムが英語圏を中心とした外資系・多国籍大企業と同じになっていくことでしょう。

その証拠に、日産のゴーンさんの給料がそれを物語っています。役員と平社員の給料格差が広がり、「無能」と判断されれば、即日解雇!ということでしょうか。また、雇用における流動性もあと数年か十数年で一般化するのではないでしょうか。つまり、ぼくらの生き方が変わるということです。

大学の就職格差も広がると思います。東大・京大、早慶などで、多少留学経験があり、ビジネス英語と中国語(それ以外の外国語もOK)などができると、初任給が2流以下の大学出身者よりも入社時からいいことでしょう。

産業や企業が変わるということは、当然、教育も変わると思います。受験英語から、ビジネス英会話やプレゼンテーションが重視されていくでしょう。あんな古くて「教養」という名の英文解釈も消え失せていくことでしょう。

もう、この傾向は止まらないと思います。だって、しょせん、企業の経営者は儲かることを第一に考え、有能な社員、自社のサービス・商品の購買者の国籍は何でもいいのですから。

たしかに英語・外国語教育を充実させ、グローバル市場を目指すとなると、愛国心が薄れる人もいるかもしれません。でも、それは教育のやり方だと思います。日本語、日本の歴史・文化の教育を徹底させた上で、子供の頃から外国語に接することはいいことだと思います。

たとえば英語が大変に流暢な韓国人や中国人、他のアジア人たちは、日本人みたいにへりくだって、自国の悪い事を言う人はいませんよ。みんな自分たちの民族や文化を誇りに思っている。日本人も堂々とすればいいのです。そして、自分たちに抜けている部分は、海外から率直に学べばいいのです。

最後に、英語・外国語はしょせん、ビジネス・スキルの一つ。語学以外にも法律、金融、経済、テクノロジー、他の専門知識など、学ばなくてはならないことが沢山あります。

ビジネスにおいて大切なことは、有能で仕事が出来、利益をあげられる人になること。手段と目的を間違ってはいけません。

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Unknown (kawara)
2010-06-24 22:40:31
税のグローバル化って、消費税増税のことですか。
それが正しいとはまったく思いませんが、何か妥当性があるんでしょうか?

何でも外国に倣えばいいというものではない。

倣い、そして超えるべきは、中央銀行の機能の適正化のための法整備でしょう。中央銀行の独立性は手段に限定し、目標は政府国会が与えるべしです。
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