Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

ある意味、就職氷河期は永遠に続くだろう

2009-12-14 10:49:16 | 採用
田原さんがサンプロを降板するらしい。置換えのきかない人だと思うのでとても残念。
先に切るべきくだらないバラエティはいくらでもあるだろうと思うのだが、そうも
行かないところが民放の泣き所なんだろう。
作り手自身が「馬鹿が見るメディア」と割り切っちゃってるんだから仕方がない。

ところで、朝生の際に、田原氏がこんなことを言っていたのを思い出した。
「最近の学生は凄く勉強している」
田原氏は早大で講義を持っているそうなのだが、えらく熱心な学生が多いらしい。
まあそれだけなら40年くらい前はみんなそうだろうが、休講にした際にはクレーム
までくるそうだ。個人的な感覚からいっても、少なくとも90年代80年代よりは、
今の学生は勉強しているはずだ。

もちろん、学生のすべてがそんな調子というわけではない。
「大学入学こそがゴール!」という昔ながらの人間は相変わらず何にもしないし、
入試ハードル自体は下がっているわけだから、就職活動における差は二極化となって
あらわれる。
普通の私大生でいくつも内定を採れる人間がいる一方で、東大一橋クラスで内定ゼロ
のまま越年という人もいる。もはや学歴は決定的な要素ではなく、ある程度の水準
以上は、同じ土俵上でガチンコの勝負だと考えていい。

この流れは昨日今日のものではなくて、ここ10年くらいじわじわと進行しているものだ。
東大が05年に就職課を立ち上げたのは、就職活動で苦戦する下半分の学生の存在に、
遅まきながら気づいたからだろう。

彼ら上半分の学生をチェンジさせたものは、社会の変化だ。
企業が年功から能力に軸足を移しつつあること。そして、新興国の学生という強烈な
競争相手が存在していることに、気付くだけのアンテナを彼らは持っている。

“就職氷河期”と書くと、なんだかそのうち温かくなりそうな印象があるが、
これは好不況とは関係のないトレンドの変化なので、景気が持ち直せば以前のように
楽になるというものでもない。就職はまだまだ先だという学生も、他人事だとは
思わない方がいい。今、就職活動の場で起きている変化は、自分の足元までつながって
いるはずだ。

今日のような、「良い大学に入りさえすれば人生は上々だ」的な人材が就職で大手に
はじかれるという現象を就職氷河期とするなら。
それは永遠に終わらない。

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59 コメント

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優秀な大学生は本当に多い (松本孝行)
2009-12-14 11:19:28
 私もよく、社会起業家に関するワークショップやセミナーを手伝ったり、参加したり、主催したりしているわけですが、そういうところにガンガン入ってくる学生も多いです。大学4年中にカンボジアに5回も行って途上国支援している学生もいますし、アフリカまで行ってフェアトレードを考えてる学生もいます。
 また、私の出身である大学の学部が経営学部なので、ベンチャーにインターンしている人もいますし、ビジネスプランコンテストに積極的に参加している人も多いです。

 ただ、こういう人たちはやはり2・6・2の原則のように上位2割くらいですね。普通の6割の人たちが意識を変えなければならないでしょうね。
Unknown (Unknown)
2009-12-14 11:25:12
例の田原氏の講義は特別に400字の志望理由書が必要で、
倍率も高く意識の高い学生が集まる傾向になってます
だから高学歴ノーリターン (yasu)
2009-12-14 11:50:27
>もはや学歴は決定的な要素ではなく、ある程度の水準
以上は、同じ土俵上でガチンコの勝負だと考えていい。

東大、京大、早慶あたりを出ていれば安泰な人生を送れるってのは、今では幻想に過ぎないでしょうね。
スポーツと一緒で「日本一」にはそれほど価値がない。
陳腐な表現だけど「世界に通用する人間」がこれからますます重要になってくるでしょう。

私見ですが、日本の受験勉強で培われる知識偏重の「学力」よりも人間関係を円滑にできる広義の「コミュニケーション力」の方がこれからはずっと重要になってくるような気がします。

東大出て、知識は豊富だけどいつもムスっとしていて話をしていてもあまり面白くない人間よりも、中堅の私大出身でも、いつも魅力的な笑顔を振りまいて、誰からも好かれるキャラクターで、上の人間からかわいがられる人間の方が出世できる世の中になるんじゃないですかね。
まあ、最低限の能力は必要ですが。
あ、あと強烈なリーダーシップがあれば鬼に金棒。

笑顔、身だしなみ、しゃべり、プレゼン能力、リーダーシップ・・・
こういったソフトパワー、アピール力がこれからますます重要になってくると思います。
橋下徹大阪府知事なんか好例じゃないでしょうか。

でも、こういった能力は日本の受験勉強では養うことはできない。

もし、自分に子供がいたら、英語と数学は頑張って勉強してもらいたいと思いますが、残りは本人の興味に任せますね。
嫌だったら、無理にはさせません。
他に、スポーツをやらせて、チームプレイというのも身に着けてもらいたい。スポーツは体力もつくし。
で、中学から小遣いをやらずにバイトさせて社会経験を積ませます。
大学も中堅以下にしか入れないようだったら、「働け」って言います。(笑)
もちろん、浪人なんて言語道断です。

あと、お笑いの番組はどんどん見せます。(笑)
ユーモアってすごく大事な要素だと社会に出て痛感しているから。

Unknown (biri)
2009-12-14 12:03:53
採用関係の仕事をしています
いわゆる採用コンサルタントって仕事でしょうか


就職氷河期、なんと寂しげで悲しげなネーミングなんでしょう

でも、熱いか冷たいかなんて、中にいる人間が(ある意味)勝手に感じることです

当事者意識を忘れないことが必要だと考えます
会社は守ってくれない、くらいの気持ちの方が楽しい人生が送れると思います
Unknown (柳生)
2009-12-14 12:21:55
僕は大学院まで行きましたので2008年卒と2010年卒の就職活動を両方しました。立命のトップの学部に所属していまして、周りの者を見て来た実感とですが2008年度が容易だったかというとそんなことはありませんね。2010年度でも就活のシステマティックな採用にきちんと対応できた奴、きちんと詰めて来た奴は受かってるし、2008年度でも大手片っ端から落ちて10月くらいに決まるやつもいた。リクルートが採用システム変えたことで、学歴ない者にもチャンスが出たというのは事実でしょうね。

Unknown (柳生)
2009-12-14 13:10:23
コミュニケーション能力だとかわけわかんない指標を持ち出すより身につけた技能に対してマッチングを行うというようにした方が納得性が高い。それと就職してから後悔するやつが多いのは企業と学生の間に情報の非対称性があるからです。そこを何とかして欲しい。
こうした理不尽を乗り切ることが経験になるという時代では無くなっている。
Unknown (Unknown)
2009-12-14 14:33:26
>橋下徹大阪府知事なんか好例じゃないでしょうか。

あの人が好例って、懲戒請求の一件を見ても「それはヒドイ」ってことなんじゃ……。
口先だけで実力が伴わない人の末路はそんなものです。
Unknown (ヒロ)
2009-12-14 14:47:32
>>東大出て、知識は豊富だけどいつもムスっとしていて話をしていてもあまり面白くない人間よりも、中堅の私大出身でも、いつも魅力的な笑顔を振りまいて、誰からも好かれるキャラクターで、上の人間からかわいがられる人間の方が出世できる世の中になるんじゃないですかね。

個人的にはこうした意見にあまり与したくない。というよりこうした最低限、人と上手くやれる能力は本当最低限で、そんなことよりもっと上位概念のところの能力がいかに醸成されて活用されていくか、という部分が日本だとそうなってないというところで議論が起こっていると思うのですが。制度論的な話しをすると、日本企業は重要なところは上層部の利害関係の調節だけで済ませていて極論周りと協調しさえすればそれで上手くやっていけるようになってる。だからこそ周りの協調能力だけに焦点を当てて、これさえあれば大丈夫、というような論じ方をされる人々が出て来るのだと思います。
Unknown (Unknown)
2009-12-14 14:54:51
>柳生さん
同意です。
海外では面接の時などに、何を勉強してきたかをしっかり聞くらしいのに、
日本では「コミュニケーション能力」という漠然としたものを求めるのはどうにも理解できない。
しかも「コミュ…」というのはいかに人と上手くつきあえるか、というもののようで(これまたはっきりしない)、
外国人は「なんでパーティー要員なんか雇うの?」と思うそうです。
Unknown (ny)
2009-12-14 16:11:48
構造的な問題にも関わらず、一時的な問題と誤解している人間が多すぎる。

末期ガンと風邪の見分けもつかないのか。。