エコノミストを格付けする (文春新書)東谷 暁文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
この人は、自らのビジョンを明示しない人なので、はっきりいって
好きではなかった。
その点については、本書も前作からまったく進歩していない。
ところが、今回はなかなか面白い一冊に仕上がっているから不思議なものだ。
これといった主張が無い分、全方位で批判を加えているおかげだろう。
主義主張によらず、名のあるエコノミストを引っ張り上げては批判を加える。
「竹中氏の発言はもはや経済学者のものではない」
「中谷巌は、そのうちまた別の旗を振るだろう」etc...
(特にリフレな人は怒りで発狂すると思うので読まない方がいい)
もちろん、冒頭のような著者の主張には違和感を感じるが、反面、よく見ている
なとも思う。なにせバブル当時から、各人の発言をマメに追っているのだ。
2、30代の読者なら、きっと「へえ、この人、十年前はこんなこと言ってたのか」
という発見があると思う。
著者の評価基準のひとつは、発言のぶれなさにあるらしい。
そういう読み物として読めば面白い。
もっとも、個人的にはぶれるならぶれるでいいことだと思う。状況が変わったので
あれば、スタンスもむしろ変わるべきだろう。
明らかに自説が崩れたのに、いろいろ理由をつけて固執し続ける人を見ると、
確かにカルト呼ばわりされるのも仕方無い気もする。
まあそんなこんなで、本書は最高ランクに金子勝先生がお入りになられるという
近年の出版物としては稀有なつくりになっている。
きっとマル経一筋に男気を感じたのだろう。
まさに経済エンターテイメントな一冊である。
※同じマル経でもモリタクが最低評価なのは通だ。
「eエコノミーの衝撃」は葬り去りたい過去なんじゃないですか。
当時、あの本に影響を受けた人は唖然とするしかないですね。
私もですが(笑)
金子勝氏とリチャード・クー氏が高く、竹中氏や八代氏の評価がイマイチだった気がします。
上記理由でパラパラとしか読みませんでしたが、意外に読める内容だったんですね・・・。
>まあそんなこんなで、本書は最高ランクに金子勝先生がお入りになられるという
そういえば、10年前は金子先生は木村剛先生以上の超ハードランディング路線論者でしたね。
http://mainichi.jp/select/today/news/20091006k0000m020085000c.html
日本型経営を守るため、クビを切る前に、内部留保を取り崩すべき、と会談で話したそうです。
そういえば金子さんと木村さんが対談してたような。それも週刊金曜日で。何を話したんだろう…。
>日本型経営を守るため、クビを切る前に、内部留保を取り崩すべき、と会談で話したそうです。
この程度の人で金融大臣て務まるものなのか。
以前この人が書いた"IT革命は幻だった"とかいう新書を読んで、ITを知らない輩がITについて語るなと思いました、まあご本人の専門外について書いてしまった一冊の本だけで判断するのは危険なのですが、以来この人の本は立ち読みすらしていません、城さんは何でこの人の本を毎回読んでいるのですか?
> バブル当時から、各人の発言をマメに追っているのだ。
この点だけは使えそうですね、覚えておきます。