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旧統一教会の宗教団体としてありえない腹黒さ。

2023年11月11日 23時55分00秒 | 社会・経済
11月10日、細田博之前衆議院議長が死去されました。
ご冥福はお祈りいたしますが、旧統一教会との関係、女性記者に対するセクハラの問題には、ついに十分な説明責任を果たされないままお亡くなりになったことが残念ではあります。
そして、それは同時にマスコミ各社の追及もまた十分ではなかったことのあらわれであり、ご存命なうちにしっかりと追及しなければならないことが重要な点として学ぶ部分ではなかったでしょうか。
また安倍晋三氏にしても、突然あのような凶弾に倒れるわけですから、ジャニー喜多川氏の件と同様に沈黙せず、読者・視聴者のニーズにかかわらず、臭うものにはその時に真実追及、調査報道をし続けていただきたいものです。

さて、話を本題に。
7日、旧統一教会が行った記者会見。
YouTubeで記者会見のノーカット版というものを見ていたのですが、いろいろなところで突っ込みどころ満載でした。
上記の記事は結構控えめな書き方になっていますが、メインは最大100億円の供託金の話だったわけで、同時に教団がいかに自分たちが報道で言われているほど悪くないかを強調することに終始した自分たちの言い分を主張したいだけの不誠実な記者会見だったのではないか、と思いました。
まず、そもそもの供託金最大100億円について、供託金を出そうとするそのものに法的根拠もなく、さらにその制度設計を国に投げ、現在国会で議論されている教団に対する財産保全措置の立法を「必要性は全くない」と平然と否定し同時に国会の議論を否定することまでして、自分たちの財産や組織を守ろうとする腹黒さ。
最大100億円の額面にしても、そもそも文部科学省が解散命令請求の時点で判明させている旧統一教会による被害規模について、民事訴訟や和解、示談を含めて、約204億円に上ると指摘していて、最大100億円では半分にも足りず、正確には60億円から100億円と言っているわけですからさらに少なくしようとする魂胆が見え隠れします。
もっと言えば教団側が嫌っている集団交渉を申し入れている全国統一教会被害対策弁護団 (全国世界平和統一家庭連合被害対策弁護団、以下:全国統一教会対策弁護団とします)によれば、潜在的な被害額は1200億円以上とも言われています。
これは、日本の教団が持っている資産が1000億円以上と言われており(今回の記者会見でも質問があったが明らかにされず)、これを保全する措置が国会で議論されているわけですが、被害額がこれを上回る可能性があり、教団からすれば、100億円で済めば安いもの、という目論見も見え隠れもします。
それと、田中会長は全国統一教会対策弁護団が「集団交渉という形でこだわり続け」ることをことさら強調されていましたが、「個人(被害者)」対「団体(教団)」の交渉事の際に、被害者が他にも多くいるのであれば、集団交渉になるのは当然のことで、そのまま「個人」対「団体」で交渉をするのであればそもそも交渉として「対等」ではありません。教団の一信徒が言っているのであればまだしも、宗教団体のトップとしてそんなこともわからないのでしょうか?世の中や社会を知らなさすぎではないでしょうか。もしくは組織防衛のために知らないふりをしているのでしょうか。だとしたら非常に小さい。そんなトップをかかえていることもまた宗教団体らしくないです。ましてやこれまで「個人」対「団体」の手法で被害者の皆さんを騙してきたのではありませんか。被害者の皆さんはもうその手にはのらないでしょう。
まさにこれだけの被害者・被害額が推定できるのであれば集団交渉しかこの問題を正しく解決する道はありません。

また、記者会見の中で田中会長はいかにも「自分たち教団側が被害者」のように受け取れる発言が何度かありました。
全国統一教会対策弁護団が集団交渉にこだわり続けていることに関して発言している時にも、献金の返金を申し入れた124人中99人の皆様に関しての調査の回答を今年5月から5回にわたって回答を返しているのに無視し続けていると発言がありましたが、それは全国統一教会対策弁護団が申し入れている直接の話し合いを頑なに拒否し、教団の「違法行為」や「組織的不法行為」などを見当たらないと言い捨て、所持している献金受領の記録も一切開示せず、過去の民事裁判例ですでに教団の責任が確定している争点も含めてすべて争うなど極めて不誠実な対応を取り続けていたために全国統一教会対策弁護団は集団調停を申し立てざるを得なかったわけで、交渉が滞っている原因はまさに教団側にあるわけです。(全国統一教会対策弁護団の声明より)
それと、このブログでも数回にわたって取り上げている安倍元首相銃撃事件について、それ以降の報道によって献金の返金要請が増えたことを、いかにも(過大な)報道による(風評的)被害と言いたげな雰囲気に僕には見えました。
事件以降、約1年4か月の間に、合計664件、約44億円の返金要請に応じてきたと会見で言っていますが、全体でどれぐらいの件数と金額の返金要請があったのか?そのうちの何%に応じられているのか?の肝心なことにもちゃんと触れず、あとの記者との質疑応答の中で約44億円の約1.2~3倍の数字での返金要請の金額と述べるにとどめていました。この点での本当の誠実さは返金要請の全体の何%に応じられているのか?で初めてわかるのであって、その数字を明らかにしないこと自体もう不誠実で明らかにされている数字はまやかしでしかありません。

他にもいろいろ不誠実を指摘できることはあるのですが、特に「被害者が不明確、被害額も不明確」という田中会長の発言は先に書きました教団自身が所持しているはずの献金受領の記録を開示しないなど、教団の全国統一教会対策弁護団に対する誠実さがあれば早急にハッキリできうるはずのことで、まさに自分たちの不誠実さでさらにこのような発言となり不誠実の上塗りをやっていること自体にも気づかれていないのでしょうか?
被害者とは被害があったことが証明されれば被害者のはずですし、それはこの場合教団側が認めたり判断することではありません。
それと、「お詫び」はしても「謝罪」はしないという論理はどこかで似た発言を聞いたような気がしましたが、これは記者会見で終始、田中会長が組織として悪いことをしたのではなく組織の末端・現場での説明不足・誤解で起こっていて教団組織としての責任はないとの認識で貫かれていましたが、旧統一教会には「万物復帰」の教えがあります。さらにそれに対して教団からの献金の対する要請は猛烈なものがあり、それは組織として行われなければ起きえないようなことばかりで、このあたりのことは有田芳生さんの著書にもいろいろなケースが書かれていますし、記者会見後の有田さんのX(旧Twitter)のポストにも触れられていました。このあたりのことに触れないのも不誠実です。

最後に今回の記者会見自体についても不誠実さが際立ちました。
朝日新聞の記者さんが質疑応答で質問されていましたが、今回の記者会見は1時間の時間制限(最終的には30分だけ延長)があり、招待制で鈴木エイトさんなど11名のフリーのジャーナリストなどは「会場が満席」などの理由で出席を断られていたそうです。これも誠実さがあれば、長らく取材しておられるジャーナリストを率先して招待するか(そんなことは今の教団には考えられませんが)、何とか席を用意しました、ともったいぶってでも出席させるべきでしょうし、誠実にちゃんとした記者会見をするつもりなのであれば会場に入れるべきジャーナリストです。
また会場の件で前回の会長の記者会見を民間のホテルで行った時に起こった一部ジャーナリストの抗議を「暴動」と言っている点も気になりました。これもそもそもは前回の記者会見時に一部記者の参加を記者会見の会場入口で断っていたためで、この発言も不誠実に不誠実さを上塗りしているだけです。

世の中、宗教団体はとかく「経済団体」と言われる部分もありますが、特にこの旧統一教会についてはその側面が強烈です。
通常、世の中の人々に手を差し伸べ救済するのが宗教団体だとすれば、旧統一教会の場合は信徒が教団を救済させるような、まったくの逆の構図に見えます。これも特に「万物復帰」の教えがあるからで、そもそもはこれがなくならない限り旧統一教会の被害者は今後も増える可能性があります。つまり解散命令請求が裁判所で認められ解散命令が出たとしても税制上の優遇がなくなるだけであって、場合によっては税金を取られた分、被害がさらに増える可能性もあるわけです。
そのようにその教えや経済的な部分を重視するあまりに態度として出る教団の組織や財産を守ろうとする姿勢が、宗教団体としてあるまじき行為に出る原因であって、今回の記者会見でもそのトップが不誠実な発言の数々を重ねてしまうこと自体がそもそも宗教団体ではないような疑念を招いているわけで、はっきりわかりやすく一言で言えば宗教団体なのに「せこい」に尽きるように思います。
だからこそ、解散命令が税制上の優遇が受けれなくなるだけの話で信教の自由に矛盾しないのに、「信教の自由、法の支配の観点から到底受け入れることはできない。今後も法的主張をしっかり貫いていく」と言ってしまうのでしょう。

やはり本来「宗教団体」であれば、そもそもこのような人数の被害を訴える人達は出てこないでしょうし、出てきたとしても自分たちの株を上げるのであれば、もっと寛容に対応するだろうと僕は考えます。自分たちの宗教活動が認められなかった結果として自らを戒めるでしょう。しかしながら、旧統一教会はそうではなく、解散命令請求には争い、被害者にはそのすべてを被害者と認めず、不明確という態度を取り、法律に基づいて仕事をする弁護士に頑なに不誠実な対応を取るのです。
これだけで十分、加害しているのに加害の意識がないと受け取れますし、本質的にこの世の中に存在するべき宗教団体ではないように思います。
まずは解散命令請求が認められ解散命令が出るべきでしょう。それ以後も国家権力による特に教団の経済活動に対する監視が必要です。政治家が癒着している場合ではありません!
最後にこれに関連し、毎日新聞の11日に更新されている記事をリンクしておきます。
(本文一部加筆修正しました。2023.11.12)

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