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初めてだからこそ出た問題に、だからこそちゃんと対処するべき - 南海トラフ地震臨時情報に絡むモロモロ。その4。

2024年08月16日 18時00分00秒 | 社会・経済
8月8日に南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表され、2019年からの運用の中で初めてだったこともあり、なかなか難しい判断を求められたりして、僕個人としても「なかなか微妙だな」と当初から思っています。

昨日の夕方に発表は解除されましたが、発表からいろいろと思ったこと感じたことなどを書いています。今日はその4回目です。
世の中、すでに台風に話題が移っていて、ちょっと乗り遅れ感がありますが、今後のこともあるのであえて書いておきたいと思います。


前回は臨時情報が出て、それに対して起きた過剰な反応(=静かなパニック)によって需要が高まったモノやコトを書きましたが、逆に需要が減ったモノやコトもありました。
今回の臨時情報が発表されたことによって出た問題はいろいろありますが、テレビのニュースを見ている中で特にゆゆしき事態と思ったのは、防災対策推進地域にある観光地です。
かなりのキャンセルが出て、大きな収入減になったそうです。
下記のニュース記事にも触れられています。
ニュース記事の中では、和歌山県串本町のダイビングショップの話が出ていますが、僕がテレビのニュースで見たのは、高知県太平洋沿岸の温泉地のホテルでキャンセルが続出し、1500万円ほどの売上減になった話を聞きました。
先日の「その1」の記事で取り上げていた和歌山県白浜町の白良浜については、15日から遊泳が再開されましたが、周辺の宿泊施設の損失は少なくとも5億円にのぼる見通しということです。

観光業界は昨年5月の新型コロナウィルス感染症の5類感染症移行後、それ以前の損失を取り返すために、今回のお盆休みの観光シーズンも貴重な稼ぎ時であったはずで、その貴重なビジネスチャンスが今回の南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」の発表で泡と化してしまいました。これではその損失の回復スピードに少なからず影響が出るでしょう。

「その1」にも書きましたが、今回は臨時情報の運用上で初めての発表で、しかもその内容については僕も当初から書いていますように非常に「なかなか微妙」な内容で具体的にどのような考え方でどのような行動を取れば良いか、まったくはっきりしない情報でした。

また、この情報は政府・気象庁が出している上に、地震が本当に起きれば人命にも関わることになるため、日本人の感覚として(あるいは民族的な習性として)少なからず大事を取って(オーバーor過剰)対応をしてしまう傾向があります。
だからこそ、「その2」の記事で書いたように、マスコミもオーバーに過剰に報道してしまい各社横並びになってしまう(最初のFNNについては先走りすぎでやりすぎだとは思います。横並びについてはこれも日本人の感覚として。でも、自重すべき。)わけです。

そして、だからこそ、各自治体の首長としては判断がそれぞれ分かれましたが、今回防災推進地域で特に津波の想定されている沿岸地の海水浴場がある自治体のほとんどは、当然のように人命優先の判断をし、何かあってからでは遅いということで、「遊泳禁止」の判断をされたのでしょう。
臨時情報「巨大地震注意」の発表が初めてということもありますから、自治体それぞれの判断が尊重されるべきだと思います。

それゆえに、それに伴って出た問題について、ちゃんとした対処があるべきだと思います。
初めて出た臨時情報「巨大地震注意」発表に伴い出た問題をすべて精査し、次回も同じ問題が出ないように、あるいは出たとしても対処できるように解決策を検討しておくべきでしょう。

報道によれば、先ほどの白良浜の白浜町・大江町長は週明けに上京され、今回の件の支援を政府に要請されるようです。毅然として要請していただきたいと思います。
なぜなら、今回の臨時情報は政府・気象庁、いわば中央政府が発表した情報なのであり、それに伴い出た問題は中央政府としても何らかの責任を負うべきでしょう。ましてや初めてなのであれば、その問題も含めて、臨時情報の制度上の問題の精査、改正も中央政府が行わないといけません。

政府への支援の要請がうまくいくかわかりませんが、臨時情報の発表中に「退陣」することを発表する総理大臣ですから、残念感が半端ないです。
もしかすると、初めてだからこそ見い出すことのできた問題を初めてだからこそ対処できる機会なのに逃し、そのままうやむやにしてしまいそうな感さえあります。

そして、そのうやむやもこの何十年間の日本社会に蔓延る日本人としての習性なのかな?とも思ったりします。
それは、そもそもこの「南海トラフ地震臨時情報」自体にうやむやなところがあるからこそ、僕も「なかなか微妙」と思うのでしょうし、これは次回に書こうと思っていますが、地震予知に対する考え方とこの「臨時情報」の存在についての矛盾が、いかにも日本人だからこそ出てきた(あるいはそのような成り行きになってしまった)もののように思うことが、今回いろいろ調べている中でわかったからです。(まだ調べている途中ですけど)

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