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快なり!快なり!快なり!=大河ドラマ「青天を衝け」感想=

2021年12月30日 23時59分51秒 | テレビ番組
冒頭、けなしますが…、

実はこのドラマ、
「この世相に、ただの実業家ひとり勝ちの成功体験ドラマなのだろう。」
と、高を括っていて、まったくと言っていいほど期待していませんでした。

ぶっちゃけ、
小林薫さんも和久井映見さんも、どちらかといえばあまり好きではない俳優さんでしたし、「青天を衝け」の題字を書いている杉本博司さんもあまり好きではないアーティスト。

ただ、橋本愛さん、成海璃子さんは好きな俳優さんなので観ていた、というのが正直なところで、それがきっかけでしょうか。

しかし、観ていくほどに引き込まれていき、そして実際には「実業家ひとり勝ちの成功体験」とはまったく逆のストーリーが描かれており、むしろ、今の世の中を風刺する場面が多々多々あり、それこそ「快なり!快なり!快なり!」なドラマでした。

「あんたがうれしいだけじゃなくて、みんながうれしいのが一番なんだで。」
というかっさまからの言葉は、最終回にも栄一から出てきたセリフでしたが、これひとつ取っても今の世の中を風刺しているように思います。

そして、これを基にしている「合本」。
みんなでお金を儲けて幸せになる考え方、これも暗に今の格差社会を批判しているようにも思えます。
余談ですが、イッセー尾形さん演じる三野村利左衛門が栄一にお妾さんも家に住まわせていることを皮肉って「家でも合本」とか言っていたのは、すいません、ちょっと笑っちゃいました。

また、東京養育院が廃止を叫ばれ公的な支援を打ち切られる流れに関しても、廃止論を掲げる者たちの、自ら努力せずに貧困となった者たちに自分たちの税金を使うのはメリットがない旨の主張は、今のどこぞの政党が主張していることと似通っており、社会にそんな短絡的な主張がまかり通ることを風刺しているように感じました。

それと、やはり大河に出演されるだけあって、各俳優さんの演技がそれぞれうまい。
徳川慶喜を演じる草彅剛さんには演技への気迫を静かに感じました。
またお千代さんの最期のシーンや兼子さんが一度離縁を求めるシーンは今でも印象に残っています。
お千代さんの最期のシーンでのセリフが少ない中での死が近いという切迫感。
兼子さんが離縁を求めるシーンでは吉沢亮さんと大島優子さん2人のやり取りが絶妙。篤二さんのことを話に出された栄一が喉をゴクリとする、あのタイミング。何ともいえませんでした。

まぁ、普段あまりドラマを観るほうではありませんので詳しくないのですが、そんな僕でもNHKの大河ドラマと朝ドラはたまに観るほうで、今回の「青天を衝け」については始まる前の(僕の勝手な)印象と最後まで見終わった後の感想にこんなにもギャップができるとは思いませんでした。

とにかく、おもしろかったし勉強になったし、毎週楽しみでした。
やっぱり、「いだてん」もそうでしたが、僕は日本の近代を舞台にしたドラマが好きなようです。
その意味で特に今回感じたのは、この時の日本はアメリカではなくヨーロッパ諸国を手本にしていたということが好きな理由としてあるのではないか?と思いました。

※追記・加筆修正しました。
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