備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム234.裳掛天満宮

2010-01-10 20:30:31 | Weblog
裳掛天満宮(もかけてんまんぐう)。
場所:岡山市東区金岡東町2-11-22。岡山東警察署前から南下する県道177号線(九蟠中野線)沿い、コンビニ「サークルK岡山金岡東町店」の東、徒歩約3分。当神社には駐車場がないが、隣接する「宝琳寺」に駐車場あり。
「隣接する宝琳寺・・・」というのには理由があって、もともと当神社を「裳掛天満宮」という名の由来と関係がある。菅原道真公が大宰権帥に左遷されて船で西下する際、「犬島」付近で暴風雨に遭い、この地の観音堂に難を逃れた。このとき、濡れた衣を松の枝に掛けて乾かした、という。この松を「裳掛の松」といい、後に菅公を記念して寺(観音堂)の鎮守として「天満宮」を建立したとされる。このため、この寺は「天神坊」とも称されたが、寛文年間、岡山藩の命により、天神社が寺から分離されたという。現在、この寺は「泰王山宝琳寺」と称し、高野山真言宗の寺院となっている。
ところで、当神社が鎮座する「金岡」という地名は、会陽(裸祭り)で有名な「西大寺観音院」創建の地である「金岡庄」(旧・上道郡金岡村)に因んでいるとされる。「西大寺観音院」の山号「金陵山」は、「岡」の字を同じ意味の「陵」に変えたもの。観音菩薩は、この地でも古代から広く信仰を集めていたようだ。


岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=13020


写真上:「裳掛天満宮」(左)と「泰王山宝琳寺」(右)


写真中:「泰王山宝琳寺」の大悲殿(観音堂)。本尊:千手観音菩薩


写真下:「裳掛天満宮」

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