備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム235.硯井天満宮

2010-01-15 23:14:27 | Weblog
硯井天満宮(すずりいてんまんぐう)。
場所:玉野市八浜町大崎169-1・170。JR宇野線「八浜」駅の西、約500m。県道405号線(山田槌ヶ原線)沿い(北側)に「硯井の井戸」があり、その向かい側の狭い道路に入って、すぐ。駐車場あり。
菅原道真公左遷の西下途中に残したとされる伝説の関連神社を取り上げてきたが、調子に乗ってもう1つ(これで終わりにします。)。
「硯井天満宮」がある辺りは、並行しているJR宇野線と県道405号線の北側が干拓地で、かつては児島の海浜だった。この浜に菅公が上陸すると、海辺なのに塩気のない清水が湧いている窪みがあった。これぞ神の恵みと喜んだ菅公が拍手を打って拝すると、その度に新たな水が噴出してきた。感動した菅公は、その水を硯水に使い、「海ならず 湛える水の 底までも 清き心を 月ぞ照らさん」という歌を詠んで里人に与えた。後に、里人が菅公を偲んで天神社を祀ったという。
このほか、倉敷市唐琴1丁目にある「唐琴天神社」(旧県社「鴻八幡宮」の境外末社だったという。)の脇にも「天神の井戸」がある。また、国道430号線沿い(国民宿舎「王子が岳」の北西、約500m)にも「天満宮ゆかりの井戸」がある(写真下)。こうした「天神の井戸」が児島の北と南にあるということは、児島の広い範囲に同様の伝説が伝えられていたということだろう。児島の浜辺では、真水が極めて貴重だった、ということかもしれない。


岡山県神社庁のHP(天神宮(硯井天満宮)):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=04019

同(唐琴天神社):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=06032


写真上:「硯井天満宮」鳥居


写真中:硯井の井戸


写真下:天満宮ゆかりの井戸(倉敷市児島唐琴町)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿