備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム254.一宮(その26・遠江国・事任八幡宮)

2010-09-03 22:25:05 | Weblog
事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)。
場所:静岡県掛川市八坂642。JR「掛川」駅の北東、約7km。県道415号線(日坂八坂線)に面するが、この県道は国道1号線(掛川バイパス)の日坂ICと八坂ICの間の道路で、要するに旧東海道の一部である。駐車場あり。
創建時期は不明だが、社伝によれば、第13代成務天皇の頃(在位:131~190年?)とされ、大同2年(807年)、坂上田村麻呂が勅命により再興したとする。なお、それまでは本宮山山上に祀られていたが、現鎮座地(里宮)に遷座したとされる。「延喜式神名帳」所載の「己等乃麻知(ことのまち)神社」に比定されている。
「八幡宮」となったのは中世以降で、もともとは己等乃麻知比売命を主祭神として祀る。己等乃麻知比売命は、忌部の神である玉主命の娘神で、中臣の祖である興台産命の后神、天児屋根命の母神であるという。また、八幡大神(誉田別命・息長帯比売命・玉依比売命)も祀られているが、玉依比売命=己等乃麻知比売命ともいわれる。
さて、「事(こと)」は「言」であり、「麻知(まち)」は「真知」であるとされ、当神社が旧東海道に面していたこともあって、清少納言や鴨長明など多くの文人等に「ことのまま」神社(明神)という名で言及され、「願い事が意のままに叶う」神社として信仰を集めた。そのため、「大日本国一宮記」において遠江国一宮とされたようである。


事任八幡宮のHP:http://www.geocities.jp/kotonomachihime/index.htm


写真1:「事任八幡宮」境内入口の鳥居(南側)


写真2:社殿正面


写真3:社殿の北西側、小高いところに禁足地がある。西の「本宮山」に向かう遥拝所らしい。


写真4:県道を隔てたところにある「奥宮」。更に、この奥に「磐座」があるとされるが、山道をかなり登っていかなくてはならず、参拝時は夏草が生い茂っていたため、断念した。

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