備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム208.一宮(その18・播磨国・伊和神社)

2009-09-23 16:24:11 | Weblog
伊和神社(いわじんじゃ)。
場所:兵庫県宍粟市一宮町須行名407。岡山方面からは、山陽自動車道を「龍野」ICで下りて揖保川沿いに北上するか、「山陽姫路西」ICで下りて国道29号線を北上する(約30km)。国道29号線沿いにあり、道の駅「播磨いちのみや」の向かい側にある。駐車場あり。
今の感覚からすると、播磨国の一宮は姫路市街地に近いのかと思うのだが、結構遠い。祭神は大己貴神(オオナムチ)で、当地の国土開発の神として伊和大神と称する。社名の「伊和」の由来は諸説あり、必ずしも「磐」ではないらしい。ただし、本殿の背後に降臨石として「鶴石」(写真中、下)という磐座?がある。また、当神社を囲む4つの山には磐座と祠があり、当神社の祭礼があるという。式内社の名は「伊和坐大名持魂神社」であり、古くからオオナムチを祀っていたことが明らかで、伝承では神は出雲から来たことになっている。しかし、土着の無名の神が、国土開発の神である大国主神(オオナムチの別名)に変わった、との説もある。「鶴石」は、2羽の白鶴がこの石の上に北向きに眠っていたといい、伊和大神の神託に従って、当地に鎮座したという。当神社の社殿は珍しく北向きに建てられているが、白鶴が北を向いていたからであるとする。降臨石であるなら、当然、これは磐座なのだろうと思うのだが、なぜか、「鶴石」は社殿より低いところにある。
それはさておき、国道29号線は旧・因幡街道で、揖保川が当神社の西側に流れている。道の駅「播磨いちのみや」では地元や鳥取の農産物などが販売されていて、伊和大神の国土開発の跡が今もうかがわれる。


玄松子さんのHPから(伊和神社):http://www.genbu.net/data/harima/iwa_title.htm


写真上:「伊和神社」鳥居。新しい素木の両部鳥居で、扁額には「正一位伊和大明神」とある。


写真中:本殿背後に祀られた「鶴石」。本殿より低い場所にあり、階段で下りる。


写真下:「鶴石」

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