備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

122.都羅比神社

2008-06-27 21:22:36 | Weblog
都羅比神社(つらひめじんじゃ?)。
場所:不明。
「八幡神社」ならば、いくらも現存し、選ぶのが難しいくらいだが、「都羅比神社」となると、同名の神社はなく、比定は困難である。
現在は倉敷市の一部になっている「連島」は近世まで孤島であり、「都羅島」と表記されていたことは地元の人々には常識のようである。したがって、その地区の氏神として「都羅比」神があってもおかしくはない。
ただし、旧児島郡にはかつて4つの郷があったとされており、その1つが「都羅郷」である。その範囲は不明であるが、連島だけでなく、福田、下津井なども含むと推定されている。私見であるが、「郷」はいずれ「荘(庄)」すなわち荘園として開発されるので、連島だけでは狭く、児島の西部がこれに当たるのではないか。都羅郡にある島だから、都羅島と称したということかもしれない。下津井まで都羅郷なら、田土浦坐神社が「都羅比神社」だったとする説も不可能ではない(個人的には疑問。田土浦坐神社の項参照。)。
国内神名帳総社本の脚注に「都羅郷、今備中連島座八幡宮」とある。連島にある八幡宮といえば、通称「矢上り八幡宮」(連島町矢柄)だろう。創建年代は不明であるが、連島一円の総鎮守といわれる古社である。ただ、逆に言えば、往古から「八幡神」であって、「都羅比(姫)」と呼ばれる理由がない。「都羅比神社」を合祀した記録等もないようだ。
連島にもう一つ古社がある。「箆取神社」(連島町西之浦)がそれである。祭神は大綿津見神、豐玉姫命、玉依姫命ということであり、海の神であるが、豊玉姫命と玉依姫命をも祀るという点で、あるいは、と思われる。

岡山県神社庁のHP(「矢上り八幡宮」):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=02052
同(「箆取神社」):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=02048

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