備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム31.大滝山福生寺

2008-08-14 21:30:15 | Weblog
大滝山福生寺(おおたきさん ふくしょうじ)。高野山真言宗の寺院で、本尊は十一面千手観音。現在「福生寺」は独立した宗教法人格を持たず、「福寿院」(ふくじゅいん)・「西法院」(さいほういん)・「実相院」(じっそういん)の3坊で本堂等を管理している。天平勝宝6年(754年)鑑真の開基と伝えられ、それは疑わしいとしても、「類聚国史」(892年成立)にも「大滝の寺」として記述があるなど、その歴史の古いことは確実である。その後、万寿元年(1024年)全山が火災に遭って衰えたが、足利尊氏らにより再興され(この頃、真言宗に改宗?)、最盛時には33坊あったという。なお、室町時代中期のものという山門(仁王門)、三重塔が残っている。
場所:赤磐市大内997(本堂)。国道2号線「大内」あたりの「備前射撃場」の案内看板に従って進み、「射撃場」の先に少し走ると、山門、本堂などが散在する。本堂付近に駐車場がある。更に道路を上って行くと、熊山神社に至る。
国内神名帳に載る「大瀧神社」は当寺の鎮守であったというが、もとは「大滝」を神格化したものだろう。現在、「大瀧神社」は移転してしまっているが、当社の旧社地については、「大滝山物語」(丸山弘然著、平成12年7月)によれば、「大滝明神社は本堂裏の明神山の頂上に御本殿があり、本堂裏の経蔵の西に拝殿と随身門があった。」という。

Wikipedia記事(福生寺(備前市)):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E7%94%9F%E5%AF%BA_(%E5%82%99%E5%89%8D%E5%B8%82)


写真上:福生寺本堂


写真下:大滝