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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

桟敷席は何のため?

2013年10月17日 | 音楽界よもやま話
07年9月10日シャンテサラ2投稿分__

写真はメトロポリタン歌劇場とウィーン国立歌劇場です。 左上は CD ジャケの絵。
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日本のクラシック系ホールにはありませんが、欧米のホールには必ず「ボックス席」(というのか私は知りませんので 取りあえず) があります。 日本でいう「桟敷席」に相当しますね。 あれは何のためにあると思います?
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「歌舞伎座の歴史を語る桟敷席」から … 明治時代の歌舞伎座には、とうぜん椅子席はなく、桟敷席、土間席、立見席で構成されていました (※追加1へ)。
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手っ取り早くいうと、密談をしたい人達のため、ヤバい取引をする人達のため、お見合いをする人達のため、しかし何といっても多いのは__お金持ちの奥様やお嬢様がホール中の注目を集めたいからなのです。

専有面積からいっても広いですから、当然「ボックス席」は高く、通常の席の数倍どころか十倍以上すると想像しますが、お金持ちの奥様やお嬢様方にとっては、そんなことは問題じゃなく、いかにホール中の注目を集められるかが大問題なのです。

せいいっぱいオメカシをして、宝石類をいっぱいぶら下げて注目を集め、「まあ あの首飾りは何億円もしそうですわよ」「あのドレスは露出度が大き過ぎるんじゃございません?」「この前までぱっとしない小娘だったのに 今日は素敵なレディに変身してますこと」などなどの見えざる嫉妬の怨念がホール中に充満して、息がつまってしまうことでしょう。

それでも飽き足らず、幕間には「ボックス席」を出て 宝石類をジャラジャラぶら下げてロビーを歩き回り、ご挨拶と称して知り合いに見せつけるのです。

オペラを見る聞くことは目的じゃありません。 "自分を見せつける" のが目的です。 行き帰りは、バスや電車を使うはずもなく、当然 超高級車でうんと目立つやつです。 ですから一晩のオペラに出かけるのに、一体 ウン百万使うのか想像もできません。
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音楽祭の中では最も有名なザルツブルク音楽祭大ホールの目玉公演は、そんなスノッブ (※追加2) や成金の人達の社交界と化しているといった批判もあるようです。

以上


※追加1_ その後、大正14年の新築時に、場内は椅子席となりましたが、従来の桟敷の名残として、東西に桟敷席を設けました。 この桟敷席は「花道」の役者のよい背景となり、それ以降各地の劇場でもこの形が定番となりました。

もちろんこの桟敷席は、昭和26年に現在の歌舞伎座が新築された時にも継承されましたが、当時は、座布団を敷いた4人席でした。 その後、昭和57年には桟敷席の床板を改修し、「4人席」から「2人席」とし、また「堀ゴタツ式」に足が降ろせるようになりました。 これは、4名1組でご来場される方が少なくなり、同時に楽に足を伸ばして座っていただけるように変更したものですが、当時は評判がたいへんよく、現在も人気の高い座席になっております。

江戸の昔から、芝居見物をかねて、芝居小屋でお見合いなどがよく行われたようですが、歌舞伎座でもかつては、男女が東西の桟敷席に分かれて対面し、お見合いをすることがあったようで、このあたりは一昔前の粋を感じさせられます。

なお、現在も1階桟敷席では、この席でしか味わえない桟敷弁当 (幕乃内) やお茶のサービスが受けられ、昔ながらの芝居見物のぜいたくさを満喫することができます (http://www.kabuki-za.co.jp/sya/vol29.html)。
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※追加2_ スノッブ (snob) は一般に俗物、またスノビズム (snobbism) は俗物根性と訳される。 多くの場合「知識・教養をひけらかす見栄張りの気取り屋」「上位の者に取り入り、下の者を見下す嫌味な人物」といった意味で使われる。 元々イギリスの学生の間で使われていた隠語であった (ウィキペディアから)。

以上

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