
07年5月28日シャンテサラ2投稿分__
携帯型ヘッドフォンアンプを自作している時に、BGM にベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集を流していたら、以前より聴き易く感じました。
どういう風に聴いたかというと、前は重奏の響きが奇麗な音に聴こえなかったのが、そのままの音で聴けたこと、そしてそれほど面白く思えなかったメロディが少し面白く聴けたことです。 ですから 以前は CD 一枚を聴き通すことがなかなか出来ず、曲の途中で飽きて 他のジャンルの曲にかけかえていたのですが、今回はそういうことはしなくなりました。
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Wikipedia から … 弦楽四重奏曲のジャンルはベートーヴェンが壮年期に「ラズモフスキー弦楽四重奏曲」でプロの演奏家が演奏会のために演奏する曲として確立し、さらに晩年にはプロの演奏家が何年もかけて研鑽するべき崇高な作品を残したこともあって、交響曲やピアノソナタと同程度に重要なジャンルとみなされるようになった。
しかし ベートーヴェン以降のロマン派の時代には、シューベルトとドヴォルザークを除いて あまり数多くは作曲されていない。 ベートーヴェンの後継者と評されるブラームスでさえ、ベートーヴェンの傑作群の重圧を感じたのか、数多くある室内楽の分野の一分野という程度に、わずかに3曲作曲されたのみに留まっている。
このようなベートーヴェンの重圧による寡作の時代があったが、その間に決して弦楽四重奏曲が重要なジャンルとみなされていなかったわけではない。 たとえば 交響曲やピアノソナタのような「古典的な」音楽には否定的な意見を持っていたドビュッシーですら、弦楽四重奏という「古典的な」ジャンルで、1曲だけだが作品を発表している。
もっとも のちにラヴェルが恩師フォーレに捧げた弦楽四重奏曲同様、ドイツ・クラシックの権化のような調性音楽上のこのジャンルは形式上はその体裁を保っていたとはいえ、印象派の時代には既に古典的な形式の好例とみなされていたことがうかがわれる。
近代では 弦楽四重奏曲で2人目の巨匠といわれる作曲家バルトークが現れ、ベートーヴェンの後期作品以来の快挙とも評される6曲の弦楽四重奏曲を作曲した。 これらの作品群は現代音楽の古典ともいわれる。
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室内楽作品は年を取ると聴くようになる ともいいますが、そういう年輪を経たこともあるようです。 多くの評論家が、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は偉大だと口を並べていうものですから、それも事実なのでしょう。
昔 LP 時代はベートーヴェンの弦楽四重奏曲全16曲を揃えるのに、1万~2万と結構な額がかかったものですが、CD になって 4,000円 以下で揃えられるようになりました。 私が、最初に聴き通したのは「アルバン・ベルク四重奏団 Alban Berg Quartett 」による EMI 盤で、1980年前後の録音です。 次いで Grammophon 盤の、初期 (1~6番) がアマデウス四重奏団 Amadeus Quartet の61年録音 中期 (7~11番) がエマーソン弦楽四重奏団 Emerson String Quartet の94~95年録音 後期 (12~16番) がラサール四重奏団 Lasalle Quartet の70年代録音 という変則の全集です。
私はベートーヴェンの交響曲や協奏曲ほど繰り返し聴きたくなる、という域には達していませんが、新しく生まれる弦楽四重奏団が必ずベートーヴェンの弦楽四重奏曲を録音するからには、他の作曲家にはない魅力があるんでしょうね。 普段クラシックを聴かない人にとっては、ベートーヴェンどころか 誰の弦楽四重奏曲を聴いても、「うへー こんな無味乾燥な曲は聴いてらんないよー」ってところでしょうか?
今日はここまでです。