
借金も多いが、資産も多い日本は諸外国に比べて、倒れる心配が少ないという消極的な支持で円が買われている、という実態は喜ぶべきか?
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「円高の謎 なぜ不況で借金大国の "日本円" が世界中の投資家に人気なのか」(3月7日 MONEYzine) _ ※追加1へ
「忍び寄る財政破綻 巨大な "ネズミ講" と化した日本国債」(1月31日 岡嶋大介/ MONEYzine) _ ※追加2へ
「政府、"国債発行 44兆円 以下" を断念」(12月11日 読売新聞) _ ※追加3へ
「国債発行 過去最大の 53兆円」(12月10日 ココログニュース) _ ※追加4へ
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ここ20年近く、1人当りの GDP も、1人当りの年収も下がり続け、世代間の収入差というものも消えつつあるように感じます。
かつては、年をとるにつれ、年収は上がっていったもので、それが当然と思っていました。 しかし、新興国から安価な製品が入ってくると 今迄国内で作っていた多くの製品は競争力を失い、じりじりとその売上を減らしています。
新興国からの製品が低品質で、競争力が低かったのは昔の話しで、今は多くの輸入品があらゆる分野で出回っています。 こうなると、多くの人を雇っていた国内製造業は、縮小していかざるを得ません。 これは経済原則です。
すると、余剰人員はどこに行くか? それはサービス業などの第3次産業に向かうことになります。 これも欧米先進国を見渡せば、すぐに理解できることです。 顧客へのサービスは、新興国製品でも、新興国の人間でもすぐにはできません。
それは、日本語や日本の慣習を知っている日本人でないと無理です。 しかし、逆に見れば、日本語や日本の慣習をそれほど必要としない分野では、いずれ外国の労働に置き換わっていくでしょう。
米国のホテルに泊ると、フィリピン女性のメードが多いのに気付きます。 また、米国のコールセンターの多くは、今インド国内に多くが代わっているようです。 英語で対応し、ちゃんとサポートできれば、米国内であろうと、米国外であろうと同じですから、人件費の低い国に仕事が流れます。 これも経済原則です。
私の住む住宅地域も、四半世紀前は子供の声があちこちから聞こえましたが、今聞こえるのは小学校への登下校時に通り抜ける小学生たちの声だけです。 かつての子供達は巣立って、多くが都心などの仕事に近い所へ行ったようです。
これから日本で増えるのは、介護事業や、習い事、老人病院、葬祭業などでしょうか。 やはり元気な若者の声が聞こえないと、空気も活発になりませんね。 (次の選挙で再選されることばかりしか眼中にない) 政治家はどう考えているのでしょうか?
以上
※追加1_ 為替市場で 88円14銭 程度まで上昇するなど、今年に入っても円高が続いている。 なぜ借金大国の日本円が、世界の投資家に買われるのか。
今週は4日に東京外国為替市場で 88円14銭 程度まで上昇し、09年12月10日以来ほぼ3カ月ぶりの高値を付けた。 急激な円高は輸出企業に不利となり、日経平均株価が 1万円 を少し超えた水準から抜け出せない原因となっている。
円高を招いているのは、ギリシャの財政不安による欧州経済の懸念や米国の低金利政策が長期化するとの観測が強いことがあげられる。 これらのリスクを恐れた世界中のマネーの回避先が、日本円となっているのだ。
しかし、日本国内では財政悪化が深刻な問題となっている。 今年1月時点の推計人口 (概算値) で計算すると、1人当たりの借金は約 683万円 まで積み上がっており、財政再建の道筋は示されていない。 毎日のようにメディアが財政破綻の危機を声高に報道しているような状況で、なぜ借金大国の日本円が世界の投資家に買われるのか。
これは日本の借金の中身にある。 日本の国債残高はずっと増え続けてきたものの、実は他国からの借金である「対外債務」はほとんどない。 日本の国債は、その大部分を国内の金融機関向けに販売しており、自国通貨建てなのだ。 海外への国債の販売は、わずか 6.4% (09年3月末) にすぎず、海外から一気に資金が引き上げられて債務不履行 (デフォルト) になるという危険は低い。
一方で、日本は外貨準備高など財政余力に優れており、世界でも指折りの債権国でもある。 借金も多いが、資産もかなり抱えているということになる。 また国内では借金大国とはいわれているものの、その額は欧米の主要先進国と比べても突出して増えているわけではない。 英国やフランス、イタリアにしても同様に借金が増え続けており、そのため相対的に資金の避難場所として、債権国である日本の通貨が買われているのだ。
ただし資源国などと異なり、日本円の購入は海外の投資家にとっては積極的な投資ではない。 円高傾向はしばらく続くかもしれないが、政府が金融機関を通じて家計の貯蓄に頼り 借金を重ねる構図にも限界がみえ始めていることを考慮すると、ギリシャ問題などが解決され、海外市場のリスク要因が取り除かれると、円安に向かう可能性もある。
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※追加2_「巨大なネズミ講」とはいささか刺激的な表現だが、何も読者の興味をひきたいというわけではない。 実際に、日本国債の実態はまさにネズミ講の域に達しつつあるのだ。
■ 銀行のからくり ■
前回は、銀行が実は危うい前提の上に成立していることを紹介しました。 簡単にいえば、銀行は預金者から、「いつでも好きな時に引き出せる約束で」お金を集め、それを融資に回しているのです。 定期預金であっても、利息さえあきらめればいつでも解約できる契約です。
これが個人同士で本や DVD を貸し借りするのであれば、返してほしいといわれれば いつでも返す約束で借りたものをさらに「又貸し」しているようなものですから、道徳的にはあまり褒められた行為ではないように思えます。
しかし、これは世界中どこでも、銀行業始まって以来ずっとやっていることなのです。「金を融通」することが金融の基本ですから、それ自体が悪ということはもちろんありません。
また、融資によって銀行の外に出たお金は、色々な取引を経て再び預金の形で銀行に戻ってくる循環が繰り返されることによって、最初に存在していたお金はその何倍もの規模で世の中をめぐることになります。 これは信用創造という銀行の重要な機能で、これも前回に紹介しました。
専門的な用語では、最初に存在していたお金をマネタリーベース、信用創造で増幅されたお金をマネーサプライと呼びます。
■ 国民の定期預金を国債で運用する銀行 ■
さて、いよいよここから国債の話に移ります。 国債の発行残高がいまどんどん増えていることは皆さんご存じと思いますが、この国債のもっとも主要な買い手は銀行です。 銀行からしてみれば、手持ちのお金の運用益から、預金者へつける利子、銀行員の給料、店舗の家賃といったものを色々払わなくてはいけないので これは大事です。
銀行の本業は、一般の企業や個人へ融資することです。 しかし企業の場合、倒産して貸したお金が回収できなくなる危険があります (なので危ない企業には貸しません) し、そもそも長引く不況のため、融資を受けてでも事業を拡大したい企業は以前ほど多くありません。 また大企業なら、社債の発行や増資などの、銀行に頼らない資金調達手段もあります。
なので銀行からしてみると 安心して貸せる相手が少ないので、手元に資金が余っているわけです。 こういった事情があるので、国債を買うことは銀行にとっては魅力的です。 企業への融資ほど金利はつきませんが、貸し倒れの危険は一般企業に比べればはるかに少ないからです。
なお、大手都市銀行の10年物の定期預金金利は今 0.5% 程度です。 一方、10年物国債は 1.3% 程度で推移していますので、銀行は定期預金でそのまま国債を買えば 無条件で差額の 0.8% 分の金利を手にします。 預金者には国債の金利の半分も渡さないのですから、まったくひどい話なのです。
ところで、国債を購入する形をとって銀行から政府へ移動したお金はどうなるのでしょうか?
政府予算の中身を見ると、あまり有効な使い方をしているようには見えませんが、今日の議論に関しては使い方は実はどうでもよいのです。
国に渡ったこのお金は、公共事業によって建設業者のところに行く分もありますし、年金によって一般個人のところに行く分もあります。 あるいは、天下り役人の退職金になることや、何か表に出ない事情で闇に消えることもあるかもしれません。
■「ネズミ講」と化した日本国債 ■
しかし、どのような経路を取るにしても、やがてその大部分は預金の形で銀行の手元に戻ってくる、というところが重要です。
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※追加3_ 政府は10日、2010年度予算編成で、新規国債発行額を 44兆円 以下に抑制するとしていた目標を事実上断念する方針を固めた。
来週中の閣議決定を目指す10年度予算編成の基本方針には、新規国債発行額などに関する数値目標は盛り込まず、財政規律を維持する方向を示す程度にとどめる見通しだ。
10年度予算は概算要求段階で歳出規模が過去最大の 95兆円 に膨らむ一方、税収は 30兆円 台後半まで落ち込む見通しだ。 政権公約の施策を実施するには 44兆円 の目標達成が困難になったと判断した。 新規国債の増発容認で予算の大幅削減は難しくなってきた。 平野官房長官は10日夕の記者会見で「44兆円 に縛られて国民生活の実態に対応できない予算なら、少し違うと思う」と述べ、目標にこだわらない考えを示した。 鳩山首相は11月の衆院予算委員会で「44兆円 を超えないよう最大の努力をする」と明言しただけに、市場には「信認を失いかねない」との声が出ている。
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※追加4_ 大幅な税収減と追加経済対策などにより、財源不足を補う国債発行額は過去最大の 53.6兆円 になる見通しが明らかにされ、波紋を呼んでいる。 民主党は借金財政を批判してきた過去もあり、ネット上には現政権に対する批判の声もある。
ムダ遣い削減を約束し、政権交代を実現した民主党。 事業仕分けなどで一部成果も見られたが、財政健全化へと繋がる大幅なカットは実現していない。 こうしたことに対し、「国が余計な事業しすぎ」「本当に困っている人に金渡すだけなら、たいしてお金はいらない」など、さらなる歳出削減を求める声もある。
一方、現在の経済状況を考え、「予算を減らせば、不景気がより深刻になるだけ。 大小色々な景気対策打ってこれなんだからやらなかったら底が知れない」など、財政の拡大に理解を示す意見もある。
以上
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「円高の謎 なぜ不況で借金大国の "日本円" が世界中の投資家に人気なのか」(3月7日 MONEYzine) _ ※追加1へ
「忍び寄る財政破綻 巨大な "ネズミ講" と化した日本国債」(1月31日 岡嶋大介/ MONEYzine) _ ※追加2へ
「政府、"国債発行 44兆円 以下" を断念」(12月11日 読売新聞) _ ※追加3へ
「国債発行 過去最大の 53兆円」(12月10日 ココログニュース) _ ※追加4へ
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ここ20年近く、1人当りの GDP も、1人当りの年収も下がり続け、世代間の収入差というものも消えつつあるように感じます。
かつては、年をとるにつれ、年収は上がっていったもので、それが当然と思っていました。 しかし、新興国から安価な製品が入ってくると 今迄国内で作っていた多くの製品は競争力を失い、じりじりとその売上を減らしています。
新興国からの製品が低品質で、競争力が低かったのは昔の話しで、今は多くの輸入品があらゆる分野で出回っています。 こうなると、多くの人を雇っていた国内製造業は、縮小していかざるを得ません。 これは経済原則です。
すると、余剰人員はどこに行くか? それはサービス業などの第3次産業に向かうことになります。 これも欧米先進国を見渡せば、すぐに理解できることです。 顧客へのサービスは、新興国製品でも、新興国の人間でもすぐにはできません。
それは、日本語や日本の慣習を知っている日本人でないと無理です。 しかし、逆に見れば、日本語や日本の慣習をそれほど必要としない分野では、いずれ外国の労働に置き換わっていくでしょう。
米国のホテルに泊ると、フィリピン女性のメードが多いのに気付きます。 また、米国のコールセンターの多くは、今インド国内に多くが代わっているようです。 英語で対応し、ちゃんとサポートできれば、米国内であろうと、米国外であろうと同じですから、人件費の低い国に仕事が流れます。 これも経済原則です。
私の住む住宅地域も、四半世紀前は子供の声があちこちから聞こえましたが、今聞こえるのは小学校への登下校時に通り抜ける小学生たちの声だけです。 かつての子供達は巣立って、多くが都心などの仕事に近い所へ行ったようです。
これから日本で増えるのは、介護事業や、習い事、老人病院、葬祭業などでしょうか。 やはり元気な若者の声が聞こえないと、空気も活発になりませんね。 (次の選挙で再選されることばかりしか眼中にない) 政治家はどう考えているのでしょうか?
以上
※追加1_ 為替市場で 88円14銭 程度まで上昇するなど、今年に入っても円高が続いている。 なぜ借金大国の日本円が、世界の投資家に買われるのか。
今週は4日に東京外国為替市場で 88円14銭 程度まで上昇し、09年12月10日以来ほぼ3カ月ぶりの高値を付けた。 急激な円高は輸出企業に不利となり、日経平均株価が 1万円 を少し超えた水準から抜け出せない原因となっている。
円高を招いているのは、ギリシャの財政不安による欧州経済の懸念や米国の低金利政策が長期化するとの観測が強いことがあげられる。 これらのリスクを恐れた世界中のマネーの回避先が、日本円となっているのだ。
しかし、日本国内では財政悪化が深刻な問題となっている。 今年1月時点の推計人口 (概算値) で計算すると、1人当たりの借金は約 683万円 まで積み上がっており、財政再建の道筋は示されていない。 毎日のようにメディアが財政破綻の危機を声高に報道しているような状況で、なぜ借金大国の日本円が世界の投資家に買われるのか。
これは日本の借金の中身にある。 日本の国債残高はずっと増え続けてきたものの、実は他国からの借金である「対外債務」はほとんどない。 日本の国債は、その大部分を国内の金融機関向けに販売しており、自国通貨建てなのだ。 海外への国債の販売は、わずか 6.4% (09年3月末) にすぎず、海外から一気に資金が引き上げられて債務不履行 (デフォルト) になるという危険は低い。
一方で、日本は外貨準備高など財政余力に優れており、世界でも指折りの債権国でもある。 借金も多いが、資産もかなり抱えているということになる。 また国内では借金大国とはいわれているものの、その額は欧米の主要先進国と比べても突出して増えているわけではない。 英国やフランス、イタリアにしても同様に借金が増え続けており、そのため相対的に資金の避難場所として、債権国である日本の通貨が買われているのだ。
ただし資源国などと異なり、日本円の購入は海外の投資家にとっては積極的な投資ではない。 円高傾向はしばらく続くかもしれないが、政府が金融機関を通じて家計の貯蓄に頼り 借金を重ねる構図にも限界がみえ始めていることを考慮すると、ギリシャ問題などが解決され、海外市場のリスク要因が取り除かれると、円安に向かう可能性もある。
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※追加2_「巨大なネズミ講」とはいささか刺激的な表現だが、何も読者の興味をひきたいというわけではない。 実際に、日本国債の実態はまさにネズミ講の域に達しつつあるのだ。
■ 銀行のからくり ■
前回は、銀行が実は危うい前提の上に成立していることを紹介しました。 簡単にいえば、銀行は預金者から、「いつでも好きな時に引き出せる約束で」お金を集め、それを融資に回しているのです。 定期預金であっても、利息さえあきらめればいつでも解約できる契約です。
これが個人同士で本や DVD を貸し借りするのであれば、返してほしいといわれれば いつでも返す約束で借りたものをさらに「又貸し」しているようなものですから、道徳的にはあまり褒められた行為ではないように思えます。
しかし、これは世界中どこでも、銀行業始まって以来ずっとやっていることなのです。「金を融通」することが金融の基本ですから、それ自体が悪ということはもちろんありません。
また、融資によって銀行の外に出たお金は、色々な取引を経て再び預金の形で銀行に戻ってくる循環が繰り返されることによって、最初に存在していたお金はその何倍もの規模で世の中をめぐることになります。 これは信用創造という銀行の重要な機能で、これも前回に紹介しました。
専門的な用語では、最初に存在していたお金をマネタリーベース、信用創造で増幅されたお金をマネーサプライと呼びます。
■ 国民の定期預金を国債で運用する銀行 ■
さて、いよいよここから国債の話に移ります。 国債の発行残高がいまどんどん増えていることは皆さんご存じと思いますが、この国債のもっとも主要な買い手は銀行です。 銀行からしてみれば、手持ちのお金の運用益から、預金者へつける利子、銀行員の給料、店舗の家賃といったものを色々払わなくてはいけないので これは大事です。
銀行の本業は、一般の企業や個人へ融資することです。 しかし企業の場合、倒産して貸したお金が回収できなくなる危険があります (なので危ない企業には貸しません) し、そもそも長引く不況のため、融資を受けてでも事業を拡大したい企業は以前ほど多くありません。 また大企業なら、社債の発行や増資などの、銀行に頼らない資金調達手段もあります。
なので銀行からしてみると 安心して貸せる相手が少ないので、手元に資金が余っているわけです。 こういった事情があるので、国債を買うことは銀行にとっては魅力的です。 企業への融資ほど金利はつきませんが、貸し倒れの危険は一般企業に比べればはるかに少ないからです。
なお、大手都市銀行の10年物の定期預金金利は今 0.5% 程度です。 一方、10年物国債は 1.3% 程度で推移していますので、銀行は定期預金でそのまま国債を買えば 無条件で差額の 0.8% 分の金利を手にします。 預金者には国債の金利の半分も渡さないのですから、まったくひどい話なのです。
ところで、国債を購入する形をとって銀行から政府へ移動したお金はどうなるのでしょうか?
政府予算の中身を見ると、あまり有効な使い方をしているようには見えませんが、今日の議論に関しては使い方は実はどうでもよいのです。
国に渡ったこのお金は、公共事業によって建設業者のところに行く分もありますし、年金によって一般個人のところに行く分もあります。 あるいは、天下り役人の退職金になることや、何か表に出ない事情で闇に消えることもあるかもしれません。
■「ネズミ講」と化した日本国債 ■
しかし、どのような経路を取るにしても、やがてその大部分は預金の形で銀行の手元に戻ってくる、というところが重要です。
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※追加3_ 政府は10日、2010年度予算編成で、新規国債発行額を 44兆円 以下に抑制するとしていた目標を事実上断念する方針を固めた。
来週中の閣議決定を目指す10年度予算編成の基本方針には、新規国債発行額などに関する数値目標は盛り込まず、財政規律を維持する方向を示す程度にとどめる見通しだ。
10年度予算は概算要求段階で歳出規模が過去最大の 95兆円 に膨らむ一方、税収は 30兆円 台後半まで落ち込む見通しだ。 政権公約の施策を実施するには 44兆円 の目標達成が困難になったと判断した。 新規国債の増発容認で予算の大幅削減は難しくなってきた。 平野官房長官は10日夕の記者会見で「44兆円 に縛られて国民生活の実態に対応できない予算なら、少し違うと思う」と述べ、目標にこだわらない考えを示した。 鳩山首相は11月の衆院予算委員会で「44兆円 を超えないよう最大の努力をする」と明言しただけに、市場には「信認を失いかねない」との声が出ている。
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※追加4_ 大幅な税収減と追加経済対策などにより、財源不足を補う国債発行額は過去最大の 53.6兆円 になる見通しが明らかにされ、波紋を呼んでいる。 民主党は借金財政を批判してきた過去もあり、ネット上には現政権に対する批判の声もある。
ムダ遣い削減を約束し、政権交代を実現した民主党。 事業仕分けなどで一部成果も見られたが、財政健全化へと繋がる大幅なカットは実現していない。 こうしたことに対し、「国が余計な事業しすぎ」「本当に困っている人に金渡すだけなら、たいしてお金はいらない」など、さらなる歳出削減を求める声もある。
一方、現在の経済状況を考え、「予算を減らせば、不景気がより深刻になるだけ。 大小色々な景気対策打ってこれなんだからやらなかったら底が知れない」など、財政の拡大に理解を示す意見もある。
以上

