
※2から。 農家が 5kg 1528円で売り、消費者は 4214円で買う構造図。 農家の売値の3倍近い価格で消費者が買うのは正常なのでしょうか?
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連日報道される “安い備蓄米” の店頭販売の様子を見ていて、私が感じたのは “生産者側の報道が殆どない” 事です。
随意契約前の競争入札で放出された備蓄米は、高く応募した販売者 (95% が JA) が落札し、それが複雑な卸業者を通じて市場に出回りつつありますが、押し並べて5キロ 4,000円以上もの市場価格となっています。 随意米のざっと2倍です。 高く入札したから、末端価格も高いのは理解できますが、高どまりした価格を下げるには至っていません。
これでは育ち盛りの子供を抱える家庭は、たまったもんじゃないでしょう。 ある報道では「三人の育ち盛りの子供を抱えるシングルマザーは、ウチは1ヶ月で 15kg の米を消費します」といっていましたから、そんな家庭の多くは5キロ 4,000円台の米をホイホイと買うわけにもいかないと思います。
子供は味より量です。 私が中学生の頃も6時に夕食を食べ終えた後 8時頃になると、お腹が空いて「何か食べるの ないの?」と母に訊くと「え?さっき食べたばかりじゃない」といわれ、「だって 腹が空くんだ」といって食パンを買いに行った事があります。
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『備蓄米 “2000円程度” に農家は? 「今年の価格に跳ね返ってきたら農家辞めるしかない …」』(1日 FNN プライムオンライン ※1)
『コメ高騰も農家倒産が過去最多』(5月15日 テレ朝news ※2)
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冒頭イラストでは コメの集荷・卸売・小売の3段階となっていますが、実際は卸売で5次まである場合もあるらしいという報道もあります。 どこかで精米・袋詰め・配送するのでしょうが、それらのコストに 5kg で 2700円も掛からないと思います。
一方で ことし秋に収穫予定のコメに対し JA では農家に前払いする “概算金” を去年と比べて3割から4割ほど引き上げるともいわれています __「一般のコシヒカリ」は 60キロ当たり2万3000円と、去年から 6000円、率にして 35% 引き上げ __「魚沼産コシヒカリ」も2万5000円と 5500円、率にして28% 引き上げ __「あきたこまち」は2万4000円と 7200円、率にして 42% 引き上げ __『JA コメ確保に向けて 農家への “前払い金” 約3~4割引き上げ』(5月7日 NHK ※3)
60キロ当たり2万3000円は 5kg で 1917円、2万5000円は同 2083円、2万4000円は同 2000円となります。 冒頭イラストの 1528円よりは +25%、+36%、+31% となりますから、確かに大体3~4割ほど高くなり、米作農家にとっては歓迎すべき事でしょう (以上は玄米での話しです)。
だけど 秋以降の消費者むけの新米価格も3~4割ほど高くなっては欲しくないですよね。
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随意米並みとはいいませんが、随意米と今の銘柄米の中間の3千円~3千5百円台で新米価格が推移してくれたら多くの消費者は納得できるのではないでしょうか。 輸入米もこれから増えそうですから、これも高騰する市場価格を冷やす材料の1つになって欲しいものです。

『日本の “米びつ” 迫る底』(5月31日 日本経済新聞 ※4) から。
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ここ一年余りは 消費者は泣く泣く高騰するコメを購入せざるを得ず、かといって米作農家が儲かっているとも思えず、流通の目詰まり状態で農水省は打つ手なしの状況でした。 農水大臣が交代して、やっと5キロ 2,000円前後と市場価格の安い備蓄米 (2021~2022年産) が消費者に届き始めました。
前の農水大臣の時に競争入札で放出した備蓄米 (2023~2024年産) は、売値が高すぎて 最終消費者には手が届きにくい価格になっていますが、安い備蓄米の影響で安くなる事が期待されます (でも入札値が高ければ、値下げも限定的でしょう)。
米作農家もハッピー、集荷流通小売業者もハッピー、消費者もハッピーの “三方良し” の状況になれば、こんないい事はありません。 農水省はエリート官僚の集団ですから、何らかの解決策を出せるはずですが、政治家が動かないと壁が崩れないのかも … 新大臣は10日間で安い備蓄米を届ける政策を実行しましたが、次は米作農家へも恩恵が及ぶ政策を期待したいですね。
今日はここまでです。