
上左から『水上の音楽』(1983 ①)、編集盤 (1979~87 ②)、バッハのヴァイオリン協奏曲集 (1983 ③)、下左はヴィヴァルディの協奏曲集 (1986~88 ④)、右はヴィヴァルディのカリカチュア。
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イギリスのバロック専門の演奏で ピノック指揮のイングリッシュ・コンサートという楽団が、1970~80年の一時期 多くの CD (主に Archiv から) を出していました。 いわゆるピリオド楽器といわれる 古楽器演奏がもてはやされた時代です。
最初 ヘンデルの『水上の音楽』CD (①) を聴いて、その瑞々しい演奏に感激しました。 次いで3枚の CD を聴いてみたのですが、『水上の音楽』ほどの感激は感じませんでした。 今は古楽器演奏ブームも過ぎ去り、往時ほどの人気は得られてないようです。
『水上の音楽』は、オーボエ、ホルン主体の第1組曲 ヘ長調 HWV 348 (9曲) と、トランペット主体の第2組曲 ニ長調 HWV 349 (5曲)、フルート、リコーダー主体の第3組曲 ト長調 HWV 350 (5曲) があり、この CD 盤では、第2組曲と第3組曲を一緒にして自由に並べ替えているようです。
編集盤 (②) には、バッハの組曲3番・3台のハープシコードと弦楽器の協奏曲 (BWV1068)・ヘンデルの「王宮の花火の音楽」・オルガン協奏曲「カッコウと夜鷹」(HWV295)・ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「恋人 L’Amoroso」(RV271) が含まれています。
バッハのヴァイオリン協奏曲集 (③) には、第1番 イ短調・ 第2番 ホ長調・2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調が含まれています。
ヴィヴァルディの協奏曲集 (④) は8曲あり、「調和の霊感 L'estro Armonico」から 2つのヴァイオリン協奏曲 ニ短調 (RV565)・2つのマンドリン協奏曲 ト長調 (RV532)・オーボエとヴァイオリンの協奏曲 (RV548)・フルート協奏曲 ト短調「夜 La notte」(RV439)・弦楽協奏曲「田園風 alla rustica」(RV151)・「調和の霊感」から4つのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 (RV549)・ファゴット協奏曲 ホ短調 (RV484)・合奏協奏曲 ハ長調 (RV558) が収納されています。
それにしても ヴィヴァルディの作品目録を見ると、800曲以上もあり、よくもこんなに似たような曲を積み上げて量産したものですね。
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トレヴァー・デイヴィッド・ピノック(Trevor David Pinnock, 1946~)は、イギリスのカンタベリー生まれの指揮者 、チェンバロ・オルガン奏者 少年時代はカンタベリー大聖堂の聖歌隊員を務め、またピアノとオルガンを学んだ。 その後 ロンドンの王立音楽大学でラルフ・ドーンズ、ミリセント・シルヴァに師事して、チェンバロとオルガンを修めた。学生時代にガリヤード・トリオを結成して活動を始め、アカデミー室内管弦楽団などで演奏する。
1973年にオリジナル楽器の楽団イングリッシュ・コンサートを設立、指揮、独奏の双方で活発な演奏活動、アルヒーフへの録音を行い、名声を得る。 彼の主だったレパートリーはバッハ一族 、ヴィヴァルディ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、またチェンバロ奏者として小澤征爾、ボストン交響楽団とプーランクのチェンバロ協奏曲「田園のコンセール」を演奏している。
他のオーケストラへの客演も活発に行っている。 チェンバロ奏者として、ソロ、レイチェル・ポッジャーやジャン=ピエール・ランパルらとの共演でも優れた演奏を残している。 2003年にイングリッシュ・コンサートの音楽監督をヴァイオリン奏者のアンドルー・マンゼに譲って、ピノック自身は退団した。
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今日はここまでです。