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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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自殺ソング映画「暗い日曜日」

2010年07月10日 | シネマ何だかんだ
左上白黒写真はレジェー。 その右は「わが闘争」(ヒトラー著)。 右端上下はダミアとノヴァ。 他は映画の場面から。
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第2次大戦前の暗い雰囲気を表すような、聞くと自殺したくなる "歌" があったそうです。

幾つかを YouTube で試聴してみたら、仏語によるダミア Damia の戦前録音は、いかにもそれっぽくて最初のバックコーラスからして暗いですね。 まるで恐怖映画の冒頭音楽みたいで、最後まで聴く気になりませんでした。

けれど、最近の歌手が歌ったもの __ サラ・ブライトマン Sarah Brightman / ヘザー・ノヴァ Heather Nova __ やオリジナル・ピアノ版は編曲がよくできていて洗練されたものを感じ、自殺したくはなりませんね。
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ウィキペディアから「暗い日曜日」(Gloomy Sunday, Sombre Dimanche) は、1933年にハンガリーで発表されたヤーヴォル・ラースロー作詞、シェレシュ・レジェー作曲による歌である (※追加1へ)。

 シェレシュ・レジェー (Seress Rezsoe 1899~1968) はハンガリーのシンガーソングライターで、ピアニスト・作曲家 (※追加2へ)。

 ダミア (Damia 1889~1978) は、フランスのシャンソン歌手であり、映画女優 (※追加3へ)。

 映画「暗い日曜日」(Gloomy Sunday - Ein Lied von Liebe und Tod) は1999年に独ハンガリー共同で制作された。 ハンガリーの楽曲『暗い日曜日』を元に、ニック・バルコウが1988年に著した小説の映画化 (※追加4へ)。
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ナチス・ドイツが勢力を拡大して、欧州の空全域に不安の黒雲を覆いつつあった、あの時代 __ 2つの大戦の中間期、ドイツ周辺国はいつドイツにのみ込まれるのかと、不安で一杯だったに違いありません。

特にドイツ以東の東欧は、ドイツが進出した後は、そこに住む民族を追い払うか、2級市民にしてしまうとヒトラーが「わが闘争 Mein Kampf」の中で書き記していますから、東欧各国は余計に恐怖を感じていたことでしょう。

「そこに1933年 登場した商業音楽の "暗い日曜日"、レジェーはレストランでピアノ演奏をしていて、音楽学校で学んだ人ではない。 この曲はすぐに商品化されず、『人を絶望に追い込む雰囲気がある』といってなかなか取り合ってもらえなかった。 発売から1週間も経たないうちに、この曲を聴いた人々の中から自殺者が相次ぎ、ハンガリー/ベルリン/英米仏でもこの曲は放送禁止になった。 レジェー自身、莫大な財産を残したまま自宅マンションから飛び降りて自殺した」(「ハンガリー音楽の魅力」横井雅子著 東洋書店から)
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ダミアの写真もやはり暗そうな雰囲気ですが、ノヴァはそうには見えません。 やはり時代の背景がこの曲の雰囲気と一致して、この曲を聴いているうちに絶望感に襲われ、自殺の淵を歩いていた人が命を断ってしまったのでしょうか? 勿論 科学的に証明されていることではありません。

ノヴァの YouTube 投稿作品はよく出来ていて、映画の幾つかの動画部分を背景のピアノの蓋などの一部に投影させていますが、あれほど多用するからには映画製作側と提携しているか、映画の一部なのか、判定しがたい内容ですね。 どちらにしろ、かなり凝った作りになっていますから、これは最後まで見てしまいました。

私はこの映画を見ていませんが、YouTube で幾つか断片を見ると、それらしい雰囲気をよく出している映画のようです。 映画からのスティル写真は、レストランで女性がこの歌を歌い、作曲者らしき男性がピアノを弾き、その後 男性はピストル自殺する場面ですから、映画の最後の場面と想像できます。

それにしても「ハンガリー自殺ソング」とは、よくもぴったりのアダナを作ったものですね。
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同じ「暗い×××」でも「暗い艀 (はしけ) Barco Negro」というポルトガルの歌もあります。 アマリア・ロドリゲス (Amalia Rodrigues) の歌が有名ですが、これは題名とは違って暗い曲調ではありません。 ポルトガルはファドという民族歌謡がこれまた有名ですが、これはファドではないそうです。

以上


※追加1_ 曲調、歌詞ともに陰鬱さを醸し出した本作は「自殺ソング」として、また欧米では「自殺の聖歌」として知られており、歌詞の内容は暗い日曜日に女性が亡くなった恋人を想い嘆くというもので、最後は自殺を決意するという一節で終わる。

ハンガリーや世界中で本作を聴いて数百人 (内、157名はハンガリー人とされている) が自殺したといわれているが、この本作と自殺との因果関係は明確には証明されておらず、本作が原因とされる自殺の記録も明確には無い。 故に都市伝説ではないかともいわれている。

しかしながら、当時の自殺者の中に本作の関係を匂わせる形で自殺をした者が少なからずいるといわれており、政府が放送禁止に指定したともいわれている。 また、朝日新聞の記事によると、ハンガリーで1983年に出版された本作と自殺との因果関係と調査した書籍 (書名不詳) では、本作に関連した自殺は 5人のみであり、ハンガリー人が数百人が自殺したというのは誇張であると指摘している。

また、当時はナチス・ドイツによる軍事侵攻の危機が迫るなど自殺者が出てもおかしくない世相であったため、直接の原因ではないにせよ、自殺を扱った本作が「引き金」になった可能性は示唆されている。 ただし、当時はまだポピュラー音楽がそれほど普及していなかったため、自殺しようとする者が残すメッセージとして手に取るものがこれしかなかっただけではないかと言う説もある。

イギリスでも反響は大きく、BBC 放送では放送禁止の曲に指定された。

ちなみに、本作のヒット後に作曲者の恋人が自殺、作曲者本人も自殺しているといわれている。 理由は定かではないが、本作に対する世間の非難などの苦悩が少なくとも影響しているのではないかという説がある。 但し、作曲者本人の自殺は事実であるものの、作曲者を知る人物によると恋人の自殺は聞いたことはないとしている。 また、作曲者の実際の自殺の原因は、喉の病気があると思い込んでいた為である。

現在でも多くのアーティストによって唄われ、特に1936年のフランスで発表された仏語によるダミアの録音でシャンソンとして世界的に知られるようになった。 故にシャンソンの作品であると誤解されることが多い。 なお、ダミアは満88歳まで生きた長寿の生涯であった。 ダミアによる仏語版は、セルジュ・ゲンスブールのアルバム『囚われ者』(1987年) などでカバーされた。
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※追加2_ もともと演劇を学び、音楽は独学で身につけ、名前が知られるようになって専業とした。

1933年に発表された「暗い日曜日」は代表作で、ブダペシュトのレストラン「キシュピパ Kispipa Vendeloe」でピアニストとして活動をしていた時代のもの。 作詞者のヤーヴォル・ラースロー Laszlo Javor は、この店のオーナー。 キシュピパは名所として、現在も経営している。 

1968年ブダペストで投身自殺をした。
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※追加3_ 1889年、パリにて出生。 1911年より歌手として活動。 孤独や絶望をテーマにした作品を数多く歌唱、発表するようになる。 36年に録音・発表された "Sombre Dimanche"「暗い日曜日」は世相を反映し、フランス国内では放送禁止に、日本国内では発禁になるなど物議を醸したことで特に知られている。 ………………………………………………………
※追加4_ ● ストーリー ●
1930年代のブダペスト、レストランオーナーのラズロとその恋人のイロナは、店での演奏のためにピアニストのアンドラーシュを雇った。 次第にアンドラーシュとイロナは惹かれあい、アンドラーシュは彼女のために『暗い日曜日』を作曲した。

● ロルフ・シューベル監督/脚本
● キャスト
エリカ・マロジャーン:イロナ・ヴァルナイ
ヨアヒム・クロール:ラズロ・サボー
ステファノ・ディオニジ:アンドラーシュ・アラディ
ベン・ベッカー:ハンス・ヴィーク
● 公開 1999年
上映時間 112分
言語 ドイツ語・ハンガリー語・英語

以上

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