
写真は橋下徹大阪府知事。
橋下知事らしい騒動とも思えますが、さてどう解釈すべきものでしょうか? 府民が選択した知事ですから、その知事が発する指示には府職員は基本的には従うべきです、大きな逸脱した言動でない限り。 とはいえ、感情的には落下傘知事がやってきて あれこれと自分達が気に入らない指示を出すことに反発したくなることも理解できます。
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「橋下知事に "大人げない"」(10月9日 共同通信) _ ※追加1へ
「橋下府知事ブチ切れた! 不遜メール職員に処分」(スポーツ報知 10月9日) _ ※追加2へ
「橋下知事に『お前』メール 府職員に100人もいる!」(J-CAST ニュース 10月9日) _ ※追加3へ
「橋下知事、職員からのメールに激怒 "物言い非常識" 厳重注意へ」(産経新聞 10月8日) _ ※追加4へ
「橋下知事、批判メールの女性職員に厳重注意」(読売新聞 10月8日) _ ※追加5へ
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ウィキペディアから__大阪府 ● 行財政改革 ●
現在、財政難に陥っており借金は_ ※追加6へ
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民間会社では社長が全社員に対し、メールを送ることはたまにあります。 その場合は重大な対外発表か、経営に関するものか、不祥事に対するお詫び、などでしょう。
それに一社員がコメントするメールを返信することは "まず ありません"。 職務上の最高上位者からのメールは、拝読するだけのことが多いものです。 返信するにしても、簡単なお礼とかほめ言葉ですね。
そもそも、読んだ社員が問題視するような文面は送らないのが普通です。 なぜなら、文章の作成は社長本人ではなく、社内の担当部署の代筆者が書いているのが普通です。 それも何重ものチェックを経て社長の承認を得ているハズです。
………………………………………………………
で、橋下知事と府職員との確執メールですが、財政再建団体の一歩手前の大阪府ですから、全職員が肩に負債をずっしりと背負って仕事をしているようなものです。
A) "謝罪の気持ちがこもっていなかった" 府幹部の 380億円 負担の議会答弁を問題視して、府職員の自覚を促そうとした知事が、メールを全員に送信したこと。 先ずこれが適切かどうか?
B) "そんなメール、読むヒマはない" といわんばかりの内容を40歳代女性職員が返信したことが、適切かどうか?
C) 知事は「上司に対する物言いを考えること」「その非常識さを改めること」と注意し、「言い分があるのであれば、知事室に来るように」と返信したが。
D) 「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」と "応戦" する再返信があった。
E) 知事は、処分を検討するよう人事担当者に指示。 不適切メールを送ったことが府職員として自覚に欠け、服務規律に違反するとして、職員と所属長が厳重注意処分を受けた。 職員は深く反省しているというが…
C) と D) は売り言葉に買い言葉の類いで、ついつい口がすべってしまったようなもので、早くいうと "ガキのケンカ" と同じです。 ヤーさんの世界だったら、口が出る前にゲンコツが飛んで血イ見るでしょうね。
では、A) はどうでしょうか。 私は適切だと思います。
B) は? これが判断に迷うところで、民間会社だったら、即左遷ものですよ。 翌月にも辞令が出て、エアコンもない 地下の日の射さない暗い狭い部屋でひとりで話し相手もいず、誰もやりたがらないような イヤーな仕事を一日中やらされる羽目に陥るでしょう。
但し、もし この手の知事メールが頻繁に全職員に送信されているようだったら、"そんなメール、読むヒマはない" という職員が出てきても不思議ではないですね。
けれど、そんなに頻繁に送っているなら、既に問題になっているはずです。 そうでないとしたら、やっぱり返信すべきではなかった ということになりますね。
以上
※追加1_ 大阪府の橋下徹知事が、不適切な表現のメールを知事に送ったことを理由に女性職員を厳重注意としたことに「知事は大人げない」「(職員は) 非常識」などと賛否の声が多数寄せられていることが9日、分かった。 8日夕方までに電話やメールで計93件の意見があり、橋下知事の対応に批判的なものが53件と過半数を占めた。「処分で意見が出にくくなるのではないか」「厳しすぎる」などの声が多かったという。
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※追加2_ 大阪府の橋下徹知事 (40) が、職員の批判メールが非常識だとしてブチ切れた。 知事が1日夜、府幹部の議会答弁を問題視した内容のメールを全職員に送信。 これに、40歳代女性職員が「愚痴はご自身のブログ等で行ってください (原文のまま)」とのメールを返信し、知事と職員の間で応酬に。 知事は8日、「トップへの物言いとして逸脱している」として、府は同日付で職員を厳重注意した。 メールの内容が原因で職員が厳重注意されたのは初めて。
職員に対してメールアドレスを公開し、批判も含めて様々な意見を歓迎してきた橋下知事が、歯に衣着せぬ職員の批判メールに大激怒した。
府によると、1日夜、知事が全職員にメール送信。 和歌山市の紀ノ川大堰からの利水撤退で府の負担が約 380億円 に上ったことへの府幹部の議会答弁に、謝罪の気持ちがこもっていなかったと問題視した。「民間の普通の会社なら、組織あげて真っ青ですよ!!」などと税金投入に敏感になるべきと指摘する文面だった。
これに対し、保健所勤務の40歳代女性職員が2日に「このメール配信の意味がわかりません。 愚痴はご自身のブログ等で行ってください。 メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」と返信。 "そんなメール、読むヒマはない" といわんばかりの内容だ。
さらに「何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです…」とした知事の文面にも「こんな感覚を持つ人が知事であることの方が私は恐ろしい…」と反発した。
これに、知事は敏感に反応。 同日夜、同職員に「上司に対する物言いを考えること」「その非常識さを改めること」と注意し「言い分があるのであれば、知事室に来るように」と返信した。 すると、5日に職員から「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」と "応戦" する再返信があった。
怒りの火に油を注がれた知事は、処分を検討するよう人事担当者に指示。 不適切メールを送ったことが府職員として自覚に欠け、服務規律に違反するとして、職員と所属長が厳重注意処分を受けた。 職員は深く反省しているという。
会見で橋下知事は、トップへの態度に問題のある職員が「100人ぐらいはいる」と指摘。 知事を「お前」呼ばわりする職員がいるとして「『お前』はダメでしょ」と不満をあらわにし「組織としての体をなしていない」とダメ出しした。
一方で「物言いが逸脱している」とする今回の措置は処分基準が明確でなく、関係者から「自由に意見ができなくなる」との声も出ており、今後、府庁にぎくしゃくムードが漂いそうだ。
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※追加3_ 大阪府の橋下徹知事が全職員に宛てたメールに対して返信した内容が「一般常識を逸脱している」として、40代の女性職員が、口頭で厳重注意処分を受けた。 橋下知事は「これは、あり得ない」「公務員組織は、ちょっとずれている」と怒りが収まらない様子だが、実はもっとひどいものもたくさんあるのだという。
■「それなりの職についている人間の文章とも思えませんが」■
発端は、09年度末に完成する予定の「紀の川大堰」(和歌山市) の事業から、大阪府が撤退を決めたことにある。 この事業は国が1987年に着手。 当時の水需要予測では、大阪府で水不足が予想されていたことから、同大堰から1日 2万トンを取水する計画になっていた。 ところが、その後の需要予測では、需要が大幅減。 同大堰を利用しなくても需要が容易にまかなえることが判明したことから、府は事業からの撤退を決めた。 総事業費 1028億円 のうち、府がすでに負担した約 380億円 が無駄になる形だ。
橋下知事は、府の幹部が9月30日の府議会で、撤退の経緯について説明する様子が不満だったようで、10月1日夜、全職員に対して、公金に関する意識を改めるように求めるメールを送信。 このメールが、今回の騒動の引き金になった。内容は、こうだ。
「どうも税金に関して、僕の感覚と、役所の皆さんの感覚は違います。 昨日の議会答弁、水需要予測の失敗によって 380億円 の損失が生まれたことに関しても恐ろしいくらい皆さんは冷静です。 何とも感じていないような。 民間の普通の会社なら組織挙げて真っ青ですよ!! (中略) それよりも、皆さん、380億円 の損失って、何にも感じませんか? 何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです…」
これに対して、10月2日になって、女性職員がメールを知事に返信。 文面では、
「このメール配信の意味がわかりません。 愚痴はご自身のブログなどで行ってください。 メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください。 また、文も論理的でなく、それなりの職についている人間の文章とも思えませんが」
と、橋下知事を罵倒する一方、事業撤退の決定についても、
「380億 の投資を行うことを決断したのは誰ですか? 投資なら、損益を十分考えて行ったわけでしょうから、今回の責任は決断した人にあるべきです。『やめ逃げ』はずるいです」
と、「やめ逃げ」と非難した。 なお、府が事業から撤退しなかった場合、少なくとも年間 2億円 の維持管理費を負担しなければならなくなる。
■ 知事に「お前の考えていることはおかしい」■
さらに、メールの最後には、知事からのメールの「何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです」とのくだりを引用し、
「こんな感覚を持つ人が知事であることの方が私は恐ろしい」
と、再び知事を罵倒した。
この約7時間後、知事は女性職員に対して
「まず、上司に対する物言いを考えること。 私は、あなたの上司です。 その非常識さを改めること。 これはトップとして厳重に注意します。 あなたの言い分があるのであれば、知事室に来るように。 聞きましょう」
と、メールで「警告」。
このメールに対しても女性職員は反発し、
「こんなにたくさんメールが送りつけられること自体、私には未知の経験で、恐怖に感じています」
「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」
などと返信。
さすがに知事も堪忍袋の緒が切れた様子で、人事担当者に
「彼女の仕事自身も、知事の指揮命令権の中に入っていることすら認識になさそうです。 知事と職員の関係から、きちんと説かなければならないようです」
などして、処分を検討するように指示。 職員と直属の上司を、府の内規に基づく「厳重注意」にした。
知事の怒りは、処分を明らかにした10月8日の囲み取材の場でも爆発。
「一般常識を逸脱している」
「これはありえない」
などとまくしたて、記者に対して
「どうなんですかね。 こんなもんなんですか?『愚痴はブログで言ってください』とか社長に言うことは。 言えます?『メールを読むのは時間のムダだ』って (社長に) 言えます?」
などと問いかけた。 また、
「もっとひどいのも、いっぱいあるんですよ」
と切り出すと、記者からは苦笑いが漏れていた。
「『お前』というのも頻繁にあります。『お前』って、社長とかに言えますかね?『お前の考えていることはおかしい』って」
今回処分された職員は反省しているというが、「『お前』メール」を送信する職員は 100人 程度いるとのことで、知事の怒りが収まることは当分はなさそうだ。
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※追加4_ 大阪府の橋下徹知事は8日、職員から受けたメールが「物言いが非常識」として、同日付でこの職員を厳重注意にすると明かした。
橋下知事は1日夜に全職員にメールを送信。 和歌山市の紀の川大堰からの利水撤退で、府の負担が約 380億円 にのぼったことに対する府幹部の議会答弁に謝罪の気持ちがなかったことを問題視した。 これに対し、職員が反発し、「愚痴は自分のブログでしてほしい」などの内容のメールを返信。 橋下知事は「組織のトップに対する物言いとして逸脱している。 組織の体をなしていない」などと職員の処分を検討するよう人事担当者に指示した。
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※追加5_ 大阪府の橋下徹知事は8日、全職員に一斉送信した知事メールに対し、批判する返信をした保健所勤務の40歳代の女性職員と、上司の所長 (管理監督責任) を厳重注意処分にすることを明らかにした。
橋下知事は1日夜に全職員に送信したメールで、府が約 380億円 の損失を被った紀の川大堰 (和歌山市) 事業を巡り、「恐ろしいくらい、(職員の) 皆さんは冷静です。 民間なら、組織あげて真っ青ですよ!」などと、公金に対する意識の低さを指摘した。
これに対し、この職員は「このメール配信の意味がわかりません」「文も論理的でなく、それなりの職についている人間の文章とも思えません」と知事に返信。「愚痴はご自身のブログ等で行ってください」「(この) メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしている」などと記した。
橋下知事は府庁で報道陣に対し、「上司に対する物言いとして非常識。 民間ならあり得ない」と怒りをぶちまけ、「府民の代表に物を言っている自覚が足りない。 どこかでけじめをつけなければいけない」と、処分の理由を説明した。
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※追加6_ 現在、財政難に陥っており、借金は4兆3,004億6,100万円 (06年度見込み) に達し、金額では東京都の約 17兆円、北海道の約 5兆2,000億円 に次いで3番目で、06年度の実質公債費比率は 15.6% と全国で14番目である。 そのため、このままの進度が維持されると07年には財政再建団体 (民間会社でいう「倒産」) に指定されるところであったが、行財政改革の進展により07年度の財政再建団体転落は回避されたかに思えたが、府債 (借金) の返済を一部先送りして3年間で総額約 2600億円 の資金を捻出していたに過ぎず、問題の抜本的解決はされていない。 さらに関西国際空港の第二期工事などといった巨大プロジェクトによる多大な負債も抱えているために、財政再建団体転落の可能性は大いにはらんでいる。
以上
橋下知事らしい騒動とも思えますが、さてどう解釈すべきものでしょうか? 府民が選択した知事ですから、その知事が発する指示には府職員は基本的には従うべきです、大きな逸脱した言動でない限り。 とはいえ、感情的には落下傘知事がやってきて あれこれと自分達が気に入らない指示を出すことに反発したくなることも理解できます。
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「橋下知事に "大人げない"」(10月9日 共同通信) _ ※追加1へ
「橋下府知事ブチ切れた! 不遜メール職員に処分」(スポーツ報知 10月9日) _ ※追加2へ
「橋下知事に『お前』メール 府職員に100人もいる!」(J-CAST ニュース 10月9日) _ ※追加3へ
「橋下知事、職員からのメールに激怒 "物言い非常識" 厳重注意へ」(産経新聞 10月8日) _ ※追加4へ
「橋下知事、批判メールの女性職員に厳重注意」(読売新聞 10月8日) _ ※追加5へ
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ウィキペディアから__大阪府 ● 行財政改革 ●
現在、財政難に陥っており借金は_ ※追加6へ
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民間会社では社長が全社員に対し、メールを送ることはたまにあります。 その場合は重大な対外発表か、経営に関するものか、不祥事に対するお詫び、などでしょう。
それに一社員がコメントするメールを返信することは "まず ありません"。 職務上の最高上位者からのメールは、拝読するだけのことが多いものです。 返信するにしても、簡単なお礼とかほめ言葉ですね。
そもそも、読んだ社員が問題視するような文面は送らないのが普通です。 なぜなら、文章の作成は社長本人ではなく、社内の担当部署の代筆者が書いているのが普通です。 それも何重ものチェックを経て社長の承認を得ているハズです。
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で、橋下知事と府職員との確執メールですが、財政再建団体の一歩手前の大阪府ですから、全職員が肩に負債をずっしりと背負って仕事をしているようなものです。
A) "謝罪の気持ちがこもっていなかった" 府幹部の 380億円 負担の議会答弁を問題視して、府職員の自覚を促そうとした知事が、メールを全員に送信したこと。 先ずこれが適切かどうか?
B) "そんなメール、読むヒマはない" といわんばかりの内容を40歳代女性職員が返信したことが、適切かどうか?
C) 知事は「上司に対する物言いを考えること」「その非常識さを改めること」と注意し、「言い分があるのであれば、知事室に来るように」と返信したが。
D) 「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」と "応戦" する再返信があった。
E) 知事は、処分を検討するよう人事担当者に指示。 不適切メールを送ったことが府職員として自覚に欠け、服務規律に違反するとして、職員と所属長が厳重注意処分を受けた。 職員は深く反省しているというが…
C) と D) は売り言葉に買い言葉の類いで、ついつい口がすべってしまったようなもので、早くいうと "ガキのケンカ" と同じです。 ヤーさんの世界だったら、口が出る前にゲンコツが飛んで血イ見るでしょうね。
では、A) はどうでしょうか。 私は適切だと思います。
B) は? これが判断に迷うところで、民間会社だったら、即左遷ものですよ。 翌月にも辞令が出て、エアコンもない 地下の日の射さない暗い狭い部屋でひとりで話し相手もいず、誰もやりたがらないような イヤーな仕事を一日中やらされる羽目に陥るでしょう。
但し、もし この手の知事メールが頻繁に全職員に送信されているようだったら、"そんなメール、読むヒマはない" という職員が出てきても不思議ではないですね。
けれど、そんなに頻繁に送っているなら、既に問題になっているはずです。 そうでないとしたら、やっぱり返信すべきではなかった ということになりますね。
以上
※追加1_ 大阪府の橋下徹知事が、不適切な表現のメールを知事に送ったことを理由に女性職員を厳重注意としたことに「知事は大人げない」「(職員は) 非常識」などと賛否の声が多数寄せられていることが9日、分かった。 8日夕方までに電話やメールで計93件の意見があり、橋下知事の対応に批判的なものが53件と過半数を占めた。「処分で意見が出にくくなるのではないか」「厳しすぎる」などの声が多かったという。
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※追加2_ 大阪府の橋下徹知事 (40) が、職員の批判メールが非常識だとしてブチ切れた。 知事が1日夜、府幹部の議会答弁を問題視した内容のメールを全職員に送信。 これに、40歳代女性職員が「愚痴はご自身のブログ等で行ってください (原文のまま)」とのメールを返信し、知事と職員の間で応酬に。 知事は8日、「トップへの物言いとして逸脱している」として、府は同日付で職員を厳重注意した。 メールの内容が原因で職員が厳重注意されたのは初めて。
職員に対してメールアドレスを公開し、批判も含めて様々な意見を歓迎してきた橋下知事が、歯に衣着せぬ職員の批判メールに大激怒した。
府によると、1日夜、知事が全職員にメール送信。 和歌山市の紀ノ川大堰からの利水撤退で府の負担が約 380億円 に上ったことへの府幹部の議会答弁に、謝罪の気持ちがこもっていなかったと問題視した。「民間の普通の会社なら、組織あげて真っ青ですよ!!」などと税金投入に敏感になるべきと指摘する文面だった。
これに対し、保健所勤務の40歳代女性職員が2日に「このメール配信の意味がわかりません。 愚痴はご自身のブログ等で行ってください。 メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」と返信。 "そんなメール、読むヒマはない" といわんばかりの内容だ。
さらに「何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです…」とした知事の文面にも「こんな感覚を持つ人が知事であることの方が私は恐ろしい…」と反発した。
これに、知事は敏感に反応。 同日夜、同職員に「上司に対する物言いを考えること」「その非常識さを改めること」と注意し「言い分があるのであれば、知事室に来るように」と返信した。 すると、5日に職員から「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」と "応戦" する再返信があった。
怒りの火に油を注がれた知事は、処分を検討するよう人事担当者に指示。 不適切メールを送ったことが府職員として自覚に欠け、服務規律に違反するとして、職員と所属長が厳重注意処分を受けた。 職員は深く反省しているという。
会見で橋下知事は、トップへの態度に問題のある職員が「100人ぐらいはいる」と指摘。 知事を「お前」呼ばわりする職員がいるとして「『お前』はダメでしょ」と不満をあらわにし「組織としての体をなしていない」とダメ出しした。
一方で「物言いが逸脱している」とする今回の措置は処分基準が明確でなく、関係者から「自由に意見ができなくなる」との声も出ており、今後、府庁にぎくしゃくムードが漂いそうだ。
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※追加3_ 大阪府の橋下徹知事が全職員に宛てたメールに対して返信した内容が「一般常識を逸脱している」として、40代の女性職員が、口頭で厳重注意処分を受けた。 橋下知事は「これは、あり得ない」「公務員組織は、ちょっとずれている」と怒りが収まらない様子だが、実はもっとひどいものもたくさんあるのだという。
■「それなりの職についている人間の文章とも思えませんが」■
発端は、09年度末に完成する予定の「紀の川大堰」(和歌山市) の事業から、大阪府が撤退を決めたことにある。 この事業は国が1987年に着手。 当時の水需要予測では、大阪府で水不足が予想されていたことから、同大堰から1日 2万トンを取水する計画になっていた。 ところが、その後の需要予測では、需要が大幅減。 同大堰を利用しなくても需要が容易にまかなえることが判明したことから、府は事業からの撤退を決めた。 総事業費 1028億円 のうち、府がすでに負担した約 380億円 が無駄になる形だ。
橋下知事は、府の幹部が9月30日の府議会で、撤退の経緯について説明する様子が不満だったようで、10月1日夜、全職員に対して、公金に関する意識を改めるように求めるメールを送信。 このメールが、今回の騒動の引き金になった。内容は、こうだ。
「どうも税金に関して、僕の感覚と、役所の皆さんの感覚は違います。 昨日の議会答弁、水需要予測の失敗によって 380億円 の損失が生まれたことに関しても恐ろしいくらい皆さんは冷静です。 何とも感じていないような。 民間の普通の会社なら組織挙げて真っ青ですよ!! (中略) それよりも、皆さん、380億円 の損失って、何にも感じませんか? 何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです…」
これに対して、10月2日になって、女性職員がメールを知事に返信。 文面では、
「このメール配信の意味がわかりません。 愚痴はご自身のブログなどで行ってください。 メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください。 また、文も論理的でなく、それなりの職についている人間の文章とも思えませんが」
と、橋下知事を罵倒する一方、事業撤退の決定についても、
「380億 の投資を行うことを決断したのは誰ですか? 投資なら、損益を十分考えて行ったわけでしょうから、今回の責任は決断した人にあるべきです。『やめ逃げ』はずるいです」
と、「やめ逃げ」と非難した。 なお、府が事業から撤退しなかった場合、少なくとも年間 2億円 の維持管理費を負担しなければならなくなる。
■ 知事に「お前の考えていることはおかしい」■
さらに、メールの最後には、知事からのメールの「何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです」とのくだりを引用し、
「こんな感覚を持つ人が知事であることの方が私は恐ろしい」
と、再び知事を罵倒した。
この約7時間後、知事は女性職員に対して
「まず、上司に対する物言いを考えること。 私は、あなたの上司です。 その非常識さを改めること。 これはトップとして厳重に注意します。 あなたの言い分があるのであれば、知事室に来るように。 聞きましょう」
と、メールで「警告」。
このメールに対しても女性職員は反発し、
「こんなにたくさんメールが送りつけられること自体、私には未知の経験で、恐怖に感じています」
「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」
などと返信。
さすがに知事も堪忍袋の緒が切れた様子で、人事担当者に
「彼女の仕事自身も、知事の指揮命令権の中に入っていることすら認識になさそうです。 知事と職員の関係から、きちんと説かなければならないようです」
などして、処分を検討するように指示。 職員と直属の上司を、府の内規に基づく「厳重注意」にした。
知事の怒りは、処分を明らかにした10月8日の囲み取材の場でも爆発。
「一般常識を逸脱している」
「これはありえない」
などとまくしたて、記者に対して
「どうなんですかね。 こんなもんなんですか?『愚痴はブログで言ってください』とか社長に言うことは。 言えます?『メールを読むのは時間のムダだ』って (社長に) 言えます?」
などと問いかけた。 また、
「もっとひどいのも、いっぱいあるんですよ」
と切り出すと、記者からは苦笑いが漏れていた。
「『お前』というのも頻繁にあります。『お前』って、社長とかに言えますかね?『お前の考えていることはおかしい』って」
今回処分された職員は反省しているというが、「『お前』メール」を送信する職員は 100人 程度いるとのことで、知事の怒りが収まることは当分はなさそうだ。
………………………………………………………
※追加4_ 大阪府の橋下徹知事は8日、職員から受けたメールが「物言いが非常識」として、同日付でこの職員を厳重注意にすると明かした。
橋下知事は1日夜に全職員にメールを送信。 和歌山市の紀の川大堰からの利水撤退で、府の負担が約 380億円 にのぼったことに対する府幹部の議会答弁に謝罪の気持ちがなかったことを問題視した。 これに対し、職員が反発し、「愚痴は自分のブログでしてほしい」などの内容のメールを返信。 橋下知事は「組織のトップに対する物言いとして逸脱している。 組織の体をなしていない」などと職員の処分を検討するよう人事担当者に指示した。
………………………………………………………
※追加5_ 大阪府の橋下徹知事は8日、全職員に一斉送信した知事メールに対し、批判する返信をした保健所勤務の40歳代の女性職員と、上司の所長 (管理監督責任) を厳重注意処分にすることを明らかにした。
橋下知事は1日夜に全職員に送信したメールで、府が約 380億円 の損失を被った紀の川大堰 (和歌山市) 事業を巡り、「恐ろしいくらい、(職員の) 皆さんは冷静です。 民間なら、組織あげて真っ青ですよ!」などと、公金に対する意識の低さを指摘した。
これに対し、この職員は「このメール配信の意味がわかりません」「文も論理的でなく、それなりの職についている人間の文章とも思えません」と知事に返信。「愚痴はご自身のブログ等で行ってください」「(この) メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしている」などと記した。
橋下知事は府庁で報道陣に対し、「上司に対する物言いとして非常識。 民間ならあり得ない」と怒りをぶちまけ、「府民の代表に物を言っている自覚が足りない。 どこかでけじめをつけなければいけない」と、処分の理由を説明した。
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※追加6_ 現在、財政難に陥っており、借金は4兆3,004億6,100万円 (06年度見込み) に達し、金額では東京都の約 17兆円、北海道の約 5兆2,000億円 に次いで3番目で、06年度の実質公債費比率は 15.6% と全国で14番目である。 そのため、このままの進度が維持されると07年には財政再建団体 (民間会社でいう「倒産」) に指定されるところであったが、行財政改革の進展により07年度の財政再建団体転落は回避されたかに思えたが、府債 (借金) の返済を一部先送りして3年間で総額約 2600億円 の資金を捻出していたに過ぎず、問題の抜本的解決はされていない。 さらに関西国際空港の第二期工事などといった巨大プロジェクトによる多大な負債も抱えているために、財政再建団体転落の可能性は大いにはらんでいる。
以上