原発問題

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動燃裏工作部隊「K機関」を暴く ※20回目の紹介

2015-02-02 22:00:00 | 【原子力ムラの陰謀】

*『原子力ムラの陰謀』著者:今西憲之

第2章 動燃裏工作部隊「K機関」を暴く」を複数回に分け紹介します。20回目の紹介


原子力ムラの暗部を刻銘に記録に遺し、その男は逝った-

1995年12月8日、「夢の原子炉」と言われた

高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故が発生。

事故をめぐる”隠蔽”が次々と発覚する中、

一人の「国策会社」幹部が突如、命を落とした。

死の謎を解く鍵は、遺された膨大な資料のみ。

そこには原子力ムラが行ってきた”裏工作”の歴史が、

あまりにも生々しく記録されていた。

(P3「まえがき」から)

「『もんじゅ事故』で謎の死を遂げた西村成生さんが残した内部資料があるらしい」

 2012年冬、はじめにその話を聞いた時は、ここまで深くその資料と付き合うことになるとは想像もしていなかった。

  「西村ファイル」と名づけた資料の山を読み進めるうち、取材班は何度も我が目を疑った。国の特殊法人であるはずの動力炉・核燃料開発事業団(動燃=当時) が地域住民や職員の思想・行動を徹底的に調べ上げ、「洗脳」「工作」といった言葉が頻繁に飛び交う。そして、あまりに不自然な西村氏の死-。「原子力ム ラ」の異常な体質が、次々と浮かび上がってきたのである。

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**『原子力ムラの陰謀』著書 「第2章 動燃裏工作部隊「K機関」を暴く」の紹介

前回の話:動燃裏工作部隊「K機関」を暴く ※19回目の紹介

「Kチーム」の草案を作ったY氏は05年に主任研究員に就任するなど、JAEA内でもそのまま出世している。JAEAはしきりに動燃からの「生まれ変わり」を強調するが、とうてい鵜呑みにすることはできない。


 章の冒頭に登場したX氏は、第1章で取り上げた方面地区の残土問題については雄弁に語った。しかし、この章で追求した「Kチーム」については、自ら参加していたことを認め、その決済書類に自ら印鑑を押しているにもかかわらず、その詳細については、

「知らない、本社がやっていた」

と途端に口が重くなった。取材班から資料を受け取ったその手は、小刻みに震えていた。

 取材班は「Kチーム」の分析を進めるなかで、<選挙対応組織表>という驚くべき資料を発見した。

 そこでは、人形峠事業所の幹部K・M氏 (当時)が、総括責任者としてトップに立ち、そしてその下の段、組織のナンバー2である事務局長としてX氏の名前があったのだ。

 資料には<動燃従業員及び配偶者の選挙区別有権者数一覧表><動燃協力業者の選挙区別有権者数一覧表>という書類も添付されていた。これは、動燃や協力会社の従業員の居住地から、岡山県と鳥取県の市町村ごとに「有権者数」として細かくカウントしたものだった。協力会社は具体名まで記述されている。この資料が選挙の票読みに使われるものであるのは一目瞭然だ。

 X氏が、なぜ震えたのか。触れてはいけない「闇」がそこにあるというのか。

 だが、この程度の政治的な「工作」は、動燃にとって序の口だった。「西村ファイル」には、「原子力ムラ」と政界の関係の本質に迫る大量の資料が隠されていたのだ。

※「第2章 動燃裏工作部隊「K機関」を暴く 」の紹介は、今回で終了します。

※2/3(火)22:00から、「東京ブラックアウト」著者(若杉冽)の「プロローグ」、「第1章 避難計画の罠」の紹介を始めます。

Amazon カスタマーレビュー )から
恐ろしい本です。小説という体裁はとっていますが、帯に「95%ノンフィクション」とあるように、限りなく現実に近い話でしょう。これを読んでも、原発再稼働に賛成と言えるでしょうか。一人でも多くの国民に読んでほしい本です。

作中に登場する資源エネルギー庁次長の日村直史は、経産官僚の今井尚哉氏だと、国会議員の河野太郎氏がTwitterで言及しています。現在、安倍首相の政務秘書官を務めている人物です。

( 「東京ブラックアウト」)から
「バ、バカ野郎!おまえは知っているのか? かつて新潟県の泉田知事が、たった400人を対象に避難訓練をしただけでも、その地域には大渋滞が起こったんだぞ!・・・あと数時間で、東京の都市機能は失われるっ。いいか、これは命令だ・・・」
・・・玲子は絶句した。いつも冷静でクールな夫が、15年の結婚生活で初めて見せる取り乱しぶりだったからだ。

東京ブラックアウト(若杉冽)

原発ホワイトアウト(若杉冽)

過去に紹介した記事(【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧(45) )から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。
「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。
こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。
私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。
さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」


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