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原発問題

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『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』<一過性で済まないのが「内部被曝」> ※14回目の紹介

2015-11-05 22:02:12 | 【美味しんぼ】

『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著者 雁屋 哲 を複数回に分け紹介します。14回目の紹介

美味しんぼ「鼻血問題」に答える 雁屋 哲

何度でも言おう。

「今の福島の環境なら、鼻血が出る人はいる」

これは”風評”ではない。”事実”である。

2年に及ぶ取材をへて著者がたどりついた結論はこうだ。

「福島の人よ、福島から逃げる勇気を持って下さい」

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**『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著書の紹介

 一過性で済まないのが「内部被曝」

 普通我々は、放射線というと、「今ここは、何マイクロシーベルト」などと、その場所の線量を気にします。

 自分の身体の外部からの放射線被害を考えるときに、線量計の数字は、その被害の程度を予測するのにわかりやすいものです。

 一方、体内からの放射線被曝は気にはなるのですが、測定しづらいのでなかなか明確には捉えることが難しいのです。

 では、体内からの放射線被曝、内部被曝とは何なのか。

 それは、体の中に放射性物質を取り込んでしまったために、その放射性物質の放射する放射線を自分自身の体の中で受けることです。

 体外からの放射線被害も問題ですが、体内に取り込んでしまった放射性物質からの放射線被害はもっと深刻なものがあります。

 体外から受ける放射線被害は一過性のものです。

 強烈な放射線に晒されればもちろん被害を受けます。

 しかし、体外の放射線源がなくなる、あるいは放射線源から遠ざかれば、体に残る被害は自分が放射線源に近い間にいた時に受けたものしか残りません(深刻な被害か、軽いものかは別として)。

 しかし、体内に放射性物質を取り込んでしまって、しかもそれがなかなか体外に出ない場合、放射線被害は、その放射性物質が体内にある限り続きます。一過性のものではないのです。

 なぜなら、放射線源が自分の体の中にあるからです。

 体内に取り込んでしまった放射線源から、長い間放射線被害を受け続けるのです。

 それが、体内被曝の恐ろしさだし、被害の大きさです。

 そして、何より恐ろしいのは、人々はその恐ろしさを知らないばかりに、いや、これははっきりいいますが、国が敢えて教えようとしないばかりに、体内被曝が自分たちを侵し続けていることに全然関心を払っていないのです。

 私が福島を回ってみて、痛切に感じたことがそれです。

 「作物の放射線が国の基準値の1キログラム当たり100ベクレルまで下がってよかったね。これで安心だ」

 それが、私がお会いした福島のほとんどの人たちの態度でした

 米でも野菜でも、1キログラム当たり100ベクレルという国の基準を満たしたから、これで安心だ、と99%の方がおっしゃっていました。

 その1キログラム当たり100ベクレルのものを食べても本当に安全なのか、考えようとしない。1キログラム当たり100ベクレルの放射性物質が体内に取り込むことがどんなことを意味するのか考えない。

 ほとんどの人が、国の基準値を満たしていれば安全だと信じている、あるいは信じたいと思っている、と私は感じました。


続き『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』は、11/6(金)22:00に投稿予定です。

 

美味しんぼ「鼻血問題」に答える

 


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