*『告発!検察「裏ガネ作り」』著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。46回目の紹介
~口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~
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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介
7 検察側の裁判戦術 P106~
気候もだいぶ暖かくなってきた6月20日ころ、検察官が本件公判廷に提出予定の証拠書類などのコピーが弁護人を通じて差し入れられた。私は渡眞利忠光がどんなことを言って贈収賄事件をでっちあげているかがいちばん気になっていたので、まずその関係部分の調書を読んだ。
いやはやびっくりした。私の予想をはるかに超えていた。このでっちあげは渡眞利1人でできるものではない。でっちあげの内容がなかなかよくできている。いや、よくできすぎている。検事に誘導されながら、供述がなされたことは明らかだった。つまりこの事件は渡眞利と検事の合作なのだ。取り調べの担当検事をみると大坪弘道検事だった。私も知っている「優秀」な検事である。
いくら「優秀」な検事が作文したとはいえ、しかし、その供述内容のほとんどが虚偽・虚構である。必ずほころびが出る。
その最高の傑作は、私が勤務時間中にホテル「グランドカーム」でデート嬢の接待を受けたという一件である。
検察が主張するストーリーは、大雑把に言うとこうだ。まず、渡眞利私の「検事としての力」(職務検限)を利用することを目的に、飲食などの饗応を繰り返し、私はその目的を知りながら接待を受け続けた。その際、私がデート嬢を世話するようにと要求したとして、検察は飲食はデート嬢の接待が「賄賂」にあたると主張している。
しかし、先に述べたように検察側の根拠は渡眞利の供述しかなかった(公判でも渡眞利供述以外の証拠は出ていない)ので、初後半でに何とか少しでも「まし」な話に仕立て直す必要があった。そんな通常では考えられない苦心の痕跡が、この「グランドカーム」の一件にくっきりと残っていたのである。
※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(検察側の裁判戦術)は、
2016/12/28(水)22:00に投稿予定です。