*『告発!検察「裏ガネ作り」』著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。32回目の紹介
~口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~
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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介
5 クロをシロにした検察の大罪 P82~
当時、私に接触していたある司法担当記者から、こんな話を聞かされたのだ。
加納氏の人事がもめていた10月末ごろ、原田検事総長が松尾邦弘事務次官(現最高検次長)、古田祐紀最高検事部長を連れて、政界の超大物OBの事務所をおとずれ、「加納の検事長人事が承認されないと検察がつぶれてしまいます」と泣きを入れ、官邸に働きかけて人事の内諾を取り付けた。その際、官邸サイドから、「とにかく(加納氏の告発事件を)シロ、クロはっきりさせよ」とのサインが送られてきた。すなわち不起訴処分(シロ)にすれば、人事を認めると示唆してきたというのだ。
もしこれが事実だとしたら検察史上最悪のとんでもない話である。法務・検察の最高首脳が正解関係者と取引したのだ。原田検察は官邸に大きな借りをつくってしまったことになり、絶対にやってはならないことをしたことになる。
私の敬愛する「特捜検察の生みの親」故人河井信太郎氏は、「時の政権の汚職を検挙しなければ国がほろびる」と言っていた。しかし、たかが人事のことで政権に借りをつくったのでは、汚職の検挙などおぼつかない。
私はこれを「けもの道」と呼んでいる。とても表に出せる話ではないからだ。できれば事実であってほしくないと願う。しかし私が当時、本省の知人に問い合わせたところ、すでにこの噂は広まっていた。
万一マスコミにかぎつけられた場合は、
「長老政治家の誕生日のお祝いに駆けつけただけだ」
と言い逃れするよう、打ち合わせもできていたという。
※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(クロをシロにした検察の大罪)は、
2016/11/30(水)22:00に投稿予定です。