*『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著者 雁屋 哲 を複数回に分け紹介します。9回目の紹介
美味しんぼ「鼻血問題」に答える 雁屋 哲
何度でも言おう。
「今の福島の環境なら、鼻血が出る人はいる」
これは”風評”ではない。”事実”である。
2年に及ぶ取材をへて著者がたどりついた結論はこうだ。
「福島の人よ、福島から逃げる勇気を持って下さい」
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**『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著書の紹介
「マスクを付けない」役場の人たち
2012年12月12日、私たちは、岡部町長のご好意で、富岡町の見学をすることができました。
富岡町は当時警戒区域で、一般の人間は立入禁止でしたが、手続きをした上で富岡町の町役場の方と一緒なら入ることができるのです。
当時、富岡町の町役場全体が、郡山に避難して、臨時の町役場を作っていました。(私たちは郡山の線量が非常に高いことを、自分たちが持っていった線量計で測って、身をもって知っています。しかし、その郡山に避難せざるを得ないとは、富岡町の線量の高さが想像できます)。
郡山から古殿町まで車で3時間近くかかります。
そこから富岡町まで、さらに2時間近くかかる。それなのに、郡山から、富岡町町役場総務課の主幹兼課長補佐の菅野利行さんと、総務課管財係の堀川新一さんが来て下さいました。
私たちは防護服を着、マスクもして、放射線に対する防護態勢を整えました。
『美味しんぼ 福島の真実編2』の富岡町の場面で、菅野さんも堀川さんもマスクをしていますが、あれは画家の花吹アキラさんが、思いやりで掛けさせたのであって実際は菅野さんも堀川さんも防護服はおろか、マスクも付けないのです。いつものままの服装でした。
富岡町に行ってわかりましたが、大変な放射線量です。それなのに、防護服を着ず、マスクも付けない。これは、どういうことなのか、心配になりました。
そういえば、飯舘村の村役場に行ったとき、村役場の人が「自分は事故以来マスクなどしたことがない」と誇らしげにいいました。
村の人が安心するように「マスクをしない」のだそうです。
菅野さんたちも、そういう意図があったのか、あるいは慣れてしまったのか、諦めてしまったのか、ここは理解の行かないところでした。
※続き『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』は、10/27(火)22:00に投稿予定です。
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