試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

JR101系習志野電車区106F [Mc191] 4+6編成 (車体改修,2ndLOTライト基板更新,動力ユニット整備) ※旧製品

2019-02-03 21:47:09 | 国鉄/JR101系出場:総武・中央線
修復。

老朽化対策のため入場していたKATO製JR101系ラシ106F(Mc191:旧製品)が車体改修を終え再出場した。
曇りが顕著だった車体,屋根板の清掃は全車で施工され他編成と肩を並べる仕上がりに達したと思う。
深刻だった側面窓セル窓サッシ印刷劣化も油性メタリックマーカー式にて復活へと漕ぎ着けている。




JR101系ラシ106F (1988/4)。
[ラシ106F]:Mc191-M'248-T249-T'c61+Tc69-M212-M'206-T284-M232-M'c171。
※旧製品。
◆車体改修,動力ユニット整備,2ndLOTライト基板更新。

JR移行直後の習志野区101系は4+6編成7本で纏められ編成毎の個性は強くなかった。
ラシ104Fには唯一サハ101形0番代(サハ101-105:7号車)が組み込まれていたが編成見附は殆ど変わらない。
一応LP402前照灯編成:ラシ101F,ラシ107F,LP411前照灯編成:ラシ102F,ラシ103F,ラシ104F,ラシ105Fに大別出来る。
しかしラシ106Fだけはクモハ101-191:LP402前照灯車,クモハ100-171:LP411前照灯車で組成された。
その点では7本で最も特色のある編成だったと思う。
中野区からの転入車が多く含まれる編成でもあり10両編成中6両が該当する。
◆クモハ101-191+モハ100-248(中野区→津田沼区:1985/3)。
◆クモハ100-171+モハ101-232(中野区→津田沼区:1984/2)。
◆クハ101-69(中野区→津田沼区:1985/3)。
◆クハ100-61(中野区→津田沼区:1984/2)。
◆サハ101-284(中野区→津田沼区:1985/3)。
中でもクモハ101-191+モハ100-248,クハ101-69,サハ101-284は中野区101系の終焉まで活躍した。
内嵌式尾灯車が末期まで運用に当たるなど経年の高い車両が多かった中野区だがこの4両は異色の経歴を辿った。
◆カノ10F:Mc139-M'127-T'c94+Tc82-M145-M'140-T284-T'97-M112-M'c130(1984/10)。
◆カノ18F:Mc191-M'248-T'c92+Tc79+M238-M'231-T292-T'84-M244-M'c179(1984/10)。
◆カノ19F:Mc166-M'202-T'c70+Tc69-M159-M'154-T'236-T'96-M123-M'c132(1984/10)。
転入当時は武蔵小金井区へ返却されたツヌ110F(Mc195)を補完する役割が与えられる。
当初は中野区,中原区からの借入車を含むツヌ110F(Mc191:3+7編成)を組成した。
◆ツヌ110F:Mc191-M'248-T'c92+Tc69-M253-M'247-T284-T'97-M244-M'c179(1985/4)。
モハ101-253+モハ100-247,クハ100-92は上記6両と共に津田沼区へ転入した車両だった。
借入車のクモハ100-179+モハ101-244:(中野区→中原区),サハ100-97(中野区保留車)も中野区を出自とする。
ツヌ110Fは元中野区所属車両で占められた上に編成構成まで中野区101系を彷彿とさせた。
その後津田沼~習志野区101系は車両異動を伴う4+6編成への組成変更が開始される。
クモハ101-191+モハ100-248はかつて中野区所属車だったクモハ100-171+モハ101-232とラシ107F(Mc191)を形成した。
LP402前照灯車とLP411前照灯車が編成前後を締める礎はこの時生まれている。
ラシ107F(Mc191)は習志野区最後の変則組成だと思われる4+3-3編成であった。
ただ4+6編成への移行途中で生じた可能性があり一時的な組成だったかもしれない。
更にラシ106F(Mc202)や予備車との車両異動が行われ4+6編成のラシ106F(Mc191)としてJR移行を迎えた。
◆ラシ106F:Mc202-M'256-T249-T'c61+Tc69-M206-M'212-T284-M262-M'c191(1986/11)。
◆ラシ107F:Mc191-M'248-T247-T'c34+Mc141-M'114-T290_Tc85-M232-M'c171(1986/11)。
7編成体制でJRへ移行した習志野区101系だったが1987年度から淘汰が始まる。
先ず103系ラシ331F(Tc741),ラシ332F(Tc743),ラシ333F(Tc773)の転入でラシ101F,ラシ102F,ラシ103Fが運用を外れた。
1988年度には103系ラシ334F(Tc295),ラシ335F(Tc461)が加わりラシ106F,ラシ107Fも戦列を離れている。
ラシ106Fは1988年6月を以て使用停止となり編成が解除された。
モハ101-212+モハ100-206,クハ101-69,サハ101-249,サハ101-284はしばらく車籍が残された後に廃車となる。
このうちサハ101-284は土崎工場で行われた103系車両更新工事に関連して控車へ改装された。
中原区へ転出した5両も1990年7月までに除籍となりラシ106Fの系譜は途絶えている。


旧ツヌ106F。
※旧製品。

ラシ106Fは2006年4月に回着した初代ツヌ118F(Mc155:旧製品)を種車とするKATO製101系投入第一陣編成である。
導入当初から101系メイクアップパーツ1(11-510)の取り付けを前提とし回着直後に旧ツヌ106F(Mc155:4+6編成)へ改装した。
当時は101系増強など毛頭になくプロトタイプは1編成でLP402前照灯車とLP411前照灯車を登場させられるツヌ106Fとなった。
併せてダミーカプラーもATS-B形車上子付胴受に交換され純正胴受は後の準再用ダミーカプラーへと繋がっている。
現在習志野区仕様で統一しているATS-B形車上子付胴受は旧ツヌ106F(→ラシ106F)がその方向性を決定付けた。
2013年3月にはJRマークインレタ転写及びKATO製B形防護無線アンテナ搭載を行い旧ラシ106F(Mc155)へ改装される。
車両番号標記印刷消去は消しゴム式を経た後にペイントリムーバー式へと発展し本格的な改番が開始となった。
長らくクモハ101-155以下10両のまま推移してきた旧ラシ106Fもペイントリムーバー式によりラシ106F(Mc191)へ改められた。
その後ラシ104F(Mc136:塗装変更車+旧製品)以降から習志野区仕様は新金型先頭車両での増備へと切り替えられている。


旧ラシ106F。
※旧製品。

習志野区仕様3編成目のラシ101F(Mc201)では初代弁天橋区仕様(Mc170)による新金型車体メーカー塗装先頭車両が初登場した。
そして十代目ツヌ118F(Mc155:再生産品←旧ツヌ118F)導入を切っ掛けに旧ラシ104Fが再生産品+旧製品編成へと改められる。
続くラシ107F(Mc202)もラシ104Fから捻出された塗装変更済先頭車両で纏められツヌ118F(旧製品)は増備に至らなかった。
習志野区仕様唯一の旧製品編成で取り残されたラシ106Fは行先配分調整のため一旦[千葉]幕から[三鷹]幕へ変更している。
しかし主流と言える[三鷹]幕を比較的編成見附の整った旧ラシ105F(Mc148:再生産品+旧製品)に充てラシ106Fの代替とした。
前面見附に違和感を抱く旧製品車両特有の弱点緩和策としてラシ106Fは[御茶ノ水]表示編成へ再変更となった。
この行先変更だが存在感向上には直結せず習志野区仕様の作業もラシ104F:車体更新,ラシ107F:塗装変更車廃止へと進んでいる。
またモハ100-206(ラシ106F:旧製品)用動力ユニット不調まで重なりラシ106Fは走行機会に恵まれないまま荒廃が進んでしまった。


ラシ105F,ラシ106F (第二次前面窓支持色変更試作編成,製品原形前面窓セル装着編成)。
※旧製品。

この嫌な流れは国鉄101系カノ1F(Mc178:旧製品)にて採り入れた前面窓支持色変更試行が止める切っ掛けとなった。
第二次前面窓支持色変更試作編成はLP411前照灯編成で決定していたが津田沼区仕様には相応しい編成が見当たらなかった。
そのため習志野区仕様の旧ラシ105Fから再生産品車両を廃止しラシ105F(旧製品)へと改めた上で試行する展開となった。
製品原形に近かったラシ106Fは前面窓支持色変更試作編成と対比させる新たな役目が与えられ今入場へと繋がっている。
改修工程は強力に付着した汚れの除去やペイントリムーバー式印刷消去による塗装被膜変質部への対処を主とした。
車両番号標記周囲の措置こそ各車で異なったが車体の艶は他習志野区仕様4編成と同格に戻せたと思う。
側面窓セル窓サッシ印刷は何れも劣化進行が激しくその大半で油性メタリックマーカー式補修を施した。
またクモハ101-191,クモハ100-171では2ndLOTライト基板更新も並行し前尾灯及び表示器類の点灯照度を回復させている。
これまで2ndLOTライト基板と現行LOTライト基板は[現行LOT相当ライト基板]と称して一括りで取り扱ってきた。
しかしクモハ100-171での点灯試験結果から前照灯照度に違いが存在すると判明したため今後は明確な区分を設ける。
前照灯照度が上回る現行LOTライト基板は原則LP411前照灯車用としその特性を最大限に活かす方向である。


クモハ100-171 [13C 御茶ノ水]:2ndライト基板更新車。
※旧製品。

モハ100-206(ラシ106F)ではKATO製101系に於いて初となる動力ユニット整備へと踏み切っている。
走行距離を稼いだ動力ユニットは駆動音増大,加速度低下,段付加速が著しくさすがに放置できない状況であった。
ところが初竣工から約12年9箇月が経過した割にDT21動力台車のギアボックスへの埃侵入は殆ど見られなかった。
その代わりプラスチック製ギア軸への糸屑巻き込みと油脂切れによる摺動抵抗増大には勝てなかったらしい。
台車集電板はピボット軸受部の汚れが特に際立っておりラプロス#6000で研磨を行った。
またモーターの挙動も今ひとつ不安定だったため軸受部へ注油を行い性能復元に繋げている。
意外にもモハ100形用動力ユニットは非常に簡便な構造を持ちモーターカバーを外すだけで構わなかった。
このお陰で整備性が高く他モハ100形動力ユニット搭載車への対応も労する事なく行えると思う。


KATO製101系では初施工となった動力ユニット整備(モハ100-206)。

ラシ106Fの車体改修結果はモハ100-206用動力ユニット整備を除けばほぼ予定通りに近い。
ただクモハ101-191の2-4位側側面用JRマークインレタが剥がれてしまったのは誤算だった。
TOMIX製旧JRマークインレタが転写されていたが予備分は既に無く完全復旧には至らなかった。
代替には今後も補充が見込める可能性の高いTOMIX製103系用High-Grade製品高運転台車LOTインレタを選択している。
その103系高運転台車LOTインレタだが色温度が異なるため現状はクモハ101-191の2-4位側側面用だけが淡灰色となった。
但し旧JRマークインレタの入手も諦めておらず濃灰色と淡灰色が混在する状況は次回のインレタ導入まで解消されない。
なおインレタ剥離は作業時の失策かと思えたが入場前から痛みが進んでいた模様である。
前回出場時の記録では欠損した箇所が変色しており何れは剥がれる運命にあったと思われる。




ラシ106Fサイドビュー(クモハ101-191:車体改修施工車)。
※旧製品。


ラシ105Fサイドビュー(クモハ101-148:車体振替施工車)。
※旧製品。

ラシ106Fの改修完了により在籍する101系習志野区仕様は完全なる5編成体制へと復帰した。
各所で発生していた老朽化は旧ラシ105Fの旧製品編成再編前から確認されており入場計画だけが描かれていた。
折しもKATO製101系ではラシ107F:更新出場,ツヌ109F(Mc202):新規出場,ツヌ105F(Mc154):新規出場が重なった。
着手こそ遅れたものの代わりに比較的余裕のある工程が組め各車両とも丁寧な補修を行えたと思う。
ちなみに習志野区仕様では車体と部品のLOTが揃っていない編成が4本を占めている。
旧製品保持編成が確定しているラシ105Fも再生産品LOT屋根板及び側面窓セルを取り付けた独自の外観を持つ。
製品原形に近い編成はラシ106Fだけの貴重な存在でその経歴もあり二度と荒んだ状態にならないよう心掛ける。
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