試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クモハ100-171[ラシ106F] 車体改修 (側面窓セル窓サッシ印刷補修,2ndLOTライト基板更新,台車集電板・黒染車輪振替施工) ※'旧製品

2019-02-01 23:01:35 | 国鉄/JR101系
車輪交換。

いよいよKATO製JR101系ラシ106F(Mc191:旧製品)の未改修車はクモハ101-191,クモハ100-171を残す地点まで来た。
改修入場は静態時ですら前尾灯点灯状態が安定しないクモハ100-171(ラシ106F:旧製品)を先発させる。
クモハ100-171は黒染車輪の劣化が激しく交換を視野に入れての作業開始となった。


JR101系クモハ100-171(ラシ106F)。
※旧製品。

習志野区仕様へ変更した当時の旧ラシ106F(Mc155→ラシ106F)にはKATO製JRマークインレタを用いた。
しかし当初から経年の高さを起因とする転写力に不安があり2017年4月の入場で剥がれてしまった。
KATO製前面用JRマークは全て使い切っており代替にはTOMIX製旧JRマークインレタが充てられた。
[JR]転写跡すら伺えない状態だったが念のため当該箇所を磨き直しJRマークを復活させている。
従ってクモハ100-171の前面妻板はまずまずの状態が保たれており連結面側妻板,側板を中心に据えた車体清掃となった。
2ndLOTライト基板更新や点灯状況改善を控える工程で車体清掃面積の縮小は福音と言えた。
但し側面窓セル窓サッシ印刷は大幅な劣化が見られ全体では相殺されるに過ぎないと予想している。


入工中のクモハ100-171。

クモハ100-171が搭載するKATO製B形防護無線アンテナは今や少数派となった流し込み接着剤固定式である。
ラシ101F(Mc201:弁天橋区仕様+旧製品)以降から順次2脚嵌合式へ変更されKATO製101系では最後の存在になっていた。
今回2脚嵌合式へ改めるべくKATO製B形防護無線アンテナ撤去を試みたものの微動だにしなかった。
逆に耐久力の高さを思い知らされる展開となり流し込み接着剤固定式での存置が決定している。
入場前から1-3位側の車両番号標記は[モハ100-171]と欠損が生じており全剥離へ進む。
そのためクハ100-61(ラシ106F:旧製品)に続きペイントリムーバー式印刷消去痕は全面的な補修に至った。


剥離が進行した側面窓セル窓サッシ印刷(1-3位側用)。

前面妻板と側板の境界がJRマークインレタ再転写時に施した車体清掃との分界点になる。
幸い拭き上げには磨きクロスを用いたらしく今回施工した側板は前面妻板と上手く馴染んでくれた。
側面窓セル窓サッシ印刷は1-3位側用:完全剥離,2-4位側用:斑点状剥離と劣化具合に差が生じていた。
ところが曇りを取り除いたと同時に2-4位側用も完全剥離状態へと陥り全段補修を余儀無くされている。
二代目となる油性メタリックマーカーも補修車両の増加でインク排出量が少なくなっているように感じられた。
ただ交換はまだ早いと思われ1-3位側用,2-4位側用側面窓セルとも被膜二層化にて対処している。


車体清掃まで完了したクモハ100-171(1-3位側)。

屋根板清掃はサハ101-284(ラシ106F:旧製品)以来の方式としたが避雷器固定を新たに加えた。
避雷器の嵌合精度は十分許容出来るものであったがちょっとした弾みで傾斜してしまう弱点を抱える。
そこで試験的に避雷器取付脚,屋根板取付口双方へ木工用ボンドを塗布する症状再発防止策が施された。
効果は全くの未知数であり結果次第ではクモハ100-171が最初で最後の避雷器固定試作車になるかもしれない。
なお各部品を車体へ組み付ける際は極力JRマークインレタへ触れないよう十分に注意を払った。
TOMIX製側面用旧JRマークインレタの手持ちは無くクモハ101-191(ラシ106F:旧製品)でも取り扱いには注意を要する。


ライト基板を装着した台枠 (元クモハ100-170用,クモハ100-171用)。

続いてクハ100-61から取り外した2ndLOTライト基板を用いた前尾灯点灯照度回復策に取り掛かった。
クモハ100-171用床板はクモハ100-108(ツヌ118F:Mc155)用を流用しており補助導電板が存在しない。
ライト基板撤去は至って容易で2エンド側導電板を台枠から外し2ndLOTライト基板へと差し替えた。
導電板も1エンド側へ偏位させる旧製品LOT運転台付車用床板では毎度の方式とし座席部品を取り付けた。
また組立が保留された元クモハ100-170(廃車:旧ツヌ122F)用床板には撤去したばかりの1stLOTライト基板を廻している。
DT21非動力台車の取付には移行せず前尾灯点灯状態の安定化へ向け各部品の切り分けに移った。


どうにか安定点灯まで漕ぎ着けたクモハ100-171用床板。

点灯試験前までにクモハ100-171用DT21非動力台車の踏面清掃及び台車集電板研磨を済ませておいた。
2ndLOTライト基板へと更新されたクモハ100-171用床板だったが試験結果は最悪だった。
非点灯時間が上回るほど安定感を欠き元クモハ100-170用DT21非動力台車からの黒染車輪転用へと進む。
しかしこれでも点灯と非点灯の割合は1:1に留まり理想とは大きく乖離している。
ここで台車集電板を再確認したところピボット軸受部がかなり酸化していると判った。
研磨する手法も採れたが廃車発生品活用と作業時間短縮を図るため元クモハ100-170用が移設された。


組み立てられた元クモハ100-170,クモハ100-171 (廃車,ラシ106F)。

結局クモハ100-171用DT21非動力台車は台車枠を流用したのみで黒染車輪,台車集電板が振り替えとなった。
DT21非動力台車ごと交換すれば効率的であったが初代ツヌ118F(Mc155:旧製品)由来の台車枠に拘った結果である。
元クモハ100-170が履いていた黒染車輪はそれなりに劣化が進んでおりラシ106Fの編成見附に相応しくもあった。
取り敢えず点灯安定性は確保されたものの黒染車輪の交換周期は早くなると予想される。
廃車発生品の黒染車輪も金属面劣化の進んだ個体が多くそろそろ予備品を準備する時期に来ていると思う。
通電性能に劣る元クモハ100-171用DT21非動力台車は元クモハ100-170へ廻されたが先頭車両には使用しない方向である。


クモハ100-171 [13C 御茶ノ水]:台車集電板振替,車輪交換施工。

先発入場したモハ100-248以下7両(ラシ106F:旧製品)用DT21非動力台車は通電系統に頼らないため車輪流用が可能だった。
しかし各車ともある程度劣化が進んだ状態で竣工させており更新用黒染車輪の補充は必須だと思われる。
これまで廃車された塗装変更車は元クモハ100-170を含め10両まで達したが解体には及んでおらず部品保管用となっている。
先ずは黒染車輪の新規投入を図り直接起用が可能なDT21非動力台車を廃車体へ取り付ける予定である。
JRマーク保全を最優先としたクモハ100-171の前面見附は入場前と殆ど変わらない状態が維持された。
製品原形を保つ[13C]幕,前回入場時に交換した[御茶ノ水]幕双方とも殆ど湯口痕が見られず取り外しは行っていない。




クモハ100-171 点灯試験[13C 御茶ノ水]:前照灯(2ndLOTライト基板更新,表示器点灯色変更施工)。
※旧製品。


クモハ100-171 点灯試験[13C 御茶ノ水]:尾灯(2ndLOTライト基板更新,表示器点灯色変更施工)。
※旧製品。


クモハ100-160 点灯比較[11C 三鷹]:ラシ105F(現行LOTライト基板更新車)。
※旧製品:表示器点灯色変更施工車。

表示器点灯色変更対策は従来通り水性マッキーで表示器用プリズム前端を塗り潰したのみである。
特に変更したつもりはなかったが従来に比べ若干赤味の強い点灯色温度となってしまった。
そのため現行LOTライト基板更新を行ったクモハ100-160(ラシ105F:Mc148)とは雰囲気が異なって見える。
但し誤差の範囲内にあると考えており入場を控えるクモハ101-191も同一色温度へ合わせる予定である。
2ndLOTライト基板への更新は照度低下が著しかった1stLOTライト基板装着車への施工であり非常に効果的だった。
LP411前照灯は二灯とも光束の輪郭がはっきりと浮かび上がり照度改善結果を表していると思う。




クモハ100-171(側面窓セル窓サッシ印刷補修,台車集電板振替,車輪交換施工)。
※旧製品:車体改修。

最終工程の[クモハ100-171]標記復旧へと取り掛かったが2-4位側は消去に失敗しており成形色が伺える状態だった。
ペイントリムーバー式印刷消去痕隠蔽のため[クモハ100-171]は1エンド側へ偏位させ残る代を[クモハ100-171]で吸収している。
なお車両番号標記インレタは1-3位側:[クモハ100-]+[17]+[1],2-4位側:[クモハ100-]+[1]+[7]+[1]の組み合わせとした。
清掃中に窓サッシ印刷が剥がれてしまった2-4位側用側面窓セルだったが上手く取り繕えたと思える入場前の状態から脱せた。
クモハ100-171(ラシ106F:旧製品)が竣工しラシ106Fの最終改修入場車はクモハ101-191となった。
現状は改修前のクモハ100-171と然程変わらず余程の事態に嵌まらない限り無事竣工させられると思う。
大凡の計算こそ出来ているが唯一2ndLOTライト基板を他車両からの捻出に頼る都合から作業時間は若干延びると思われる。
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