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【光源氏が始めて明石の上のもとに】
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こっそりと吉日を調べて、母君があれこれと心配するのには耳もかさず、弟子たちにさえ知らせず、自分の一存で世話をやき、輝くばかりに整えて、十三日の月の明るくさし出た時分に、ただ「あたら夜の」と申し上げた。
君は、「風流ぶっているな」とお思いになるが、お直衣をお召しになり身なりを整えて、夜が更けるのを待ってお出かけになる。お車はまたとなく立派に整えたが、仰々しいと考えて、お馬でお出かけになる。惟光などばかりをお従わせになる。少し遠く奥まった所であった。道すがら、四方の浦々をお見渡しになって、恋人どうしで眺めたい入江の月影を見るにつけても、まずは恋しい人の御ことをお思い出し申さずにはいらっしゃれないので、そのまま馬で通り過ぎて、上京してしまいたく思われなさる。
「秋の夜の月毛の駒よ、わが恋する都へ天翔っておくれ
束の間でもあの人に会いたいので」 とつい独り口をついて出る。
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無量光寺のすぐ横にあって、都から流された光源氏が、入道の娘”明石の君”と
知り合い、彼女の住む岡辺の館に通った恋いの細道と言われている。
二人の間に生まれた”明石の姫君は、東宮の后となる。
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恋の橋(高津橋)
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「明石の君」が住んでいた「岡の館」にしげしげと通った時に渡った橋と伝えられている。橋の北の丘にある「光源氏丘越えの松」跡に神殿もあります。
大井川に架かっていて、現在は、水も流れておらず、車2台通るのがやっとの道幅です。神戸市西区玉津町にあります。