源平の史跡を訪ねて

全国いたるところにある源氏と平家の史跡を訪ねています。少しだけ源氏物語の史跡も紹介しています。

布引の滝を詠んだ和歌

2005-09-09 01:05:26 | 布引の滝と和歌
布引の滝を詠んだ和歌も22首紹介しました。今回が最終です。

源 経信の詠んだ和歌
白雲と よそに見つれと 足曳きの 山もととろに 落つる滝津瀬

賀茂 季鷹の詠んだ和歌
分入し 生田の小野の 柄もここに くちしやはてむ 布曳の滝

後鳥羽院
布引の たきのしらいと うちはへて たれ山かせに かけてほすらむ

布引滝を詠んだ和歌

2005-09-07 00:56:08 | 布引の滝と和歌
石碑があると言われている和歌を紹介します。

藤原 行能
布引の 滝の白糸 わくらはに 訪ひ来る人も 幾代経ぬらぬ

在原 行平
こきちらす たきのしら玉 拾ひおきて 世のうきときの なみたにそかる

太田 錦里
みそ六つの ひに響きけり 山姫の 織る妙なる 布引のたき


11日大河「義経」は、選挙報道のため7時15分からです。

布引滝の和歌(寂連法師・源俊頼)

2005-09-06 00:49:02 | 布引の滝と和歌
                 寂連法師の詠んだ和歌  
岩はしる おとは氷に とざされて 松風おつる 布引のたき

氷にとざされた滝水に松風を配してたくみに表現している。


                 源 俊頼の詠んだ和歌  (写真)
山姫の 嶺の梢に ひきかけて 晒せる布や 滝の白波

人間のてによるものでなく、この滝は、山の女神が嶺の梢にひきかけて、山の斜面にさらした布である。


「義経」公式HPには、まだ、壇ノ浦船戦や義経八艘飛びのシーンがでてきます。金粉の中で舞う義経の絵がNHK快心の作で消すにはもったいないのか、来週また出てくるのか次回には見せるほどのシーンが無いのか。

布引滝の和歌(在原業平、順徳院)

2005-09-04 01:04:39 | 布引の滝と和歌
                     在原 業平の詠んだ歌 (写真)
ぬきみたる 人こそあるらし 白たまの まなくもちるか そての狭きに

六歌仙時代の代表的歌人で、伊勢物語の作者。業平が父の領地芦屋の里にいた時、友人たちと布引の滝見物に来た時に詠んだ歌。滝の水玉が飛び散る様子を詠った。


                     順 徳院の詠んだ歌
たち縫はぬ 紅葉の衣 そめ出でて 何山姫の ゐの引の滝

父と共に北条氏打倒を企てたが事ならず佐渡島に配流の身となる。たち縫はぬ衣は無縫の天衣であり、山姫は山の女神を意味する。
※無縫の天衣とは、「天衣無縫」 天人の着物には縫い目のあとがないの意。

布引滝の和歌(藤原家隆、在原行平)

2005-09-03 00:27:06 | 布引の滝と和歌
                藤原家隆の詠んだ和歌  (写真)
幾世とも 知られぬものは 白雪の 上より落つる 布引の滝

作者は、平安末期~鎌倉期に活躍し、藤原定家と並び称される歌人で詠歌六万首あったと言われる多作家です。


                在原 行平の詠んだ和歌
我世をば 今日か明日かと 待つ甲斐の 涙の滝と いづれ高けむ

自分の失意を表した歌で、世にときめくのを今日明日と待つ甲斐もなく不幸なわが身こぼれ落ちる”わが涙の滝”と”布引の滝”のどちらが高いか。

【9月4日大河予告】
NHK大河ドラマ「義経」公式HP  ここも次回「義経」を見たくなるような予告です。しかし、予告編が良すぎると本番はたいしたことない場合が多いです。そうならないことを期待しています。

布引滝の和歌(藤原俊成、紀貫之)

2005-09-02 00:48:52 | 布引の滝と和歌
                藤原 俊成の和歌
いかなれや 雲間もみ見えぬ 五月雨に さらし添らむ 布引の滝

作者は昔では珍しく九十一歳の長寿を全うした。平安~鎌倉期にかけての歌壇の長老。

                紀 貫之の和歌  (写真)
松の音 琴に調ぶる 山嵐は 滝の糸をや すげて弾くらむ

松風が琴の音のようにひびいてくる。滝水の糸を張っての琴であろう。

【「平家物語」では、平清盛の滝見物の際に同行の者が雷に殺される話や、「源平盛衰記」では、清盛の長男重盛が滝見物にきた際、家来が滝つぼに入り竜宮城を見て出たところを雷に打たれた話などがあります。】



布引滝の和歌(藤原良清、藤原良経)

2005-09-01 00:18:53 | 布引の滝と和歌
              藤原 良清
  音にのみ 聞きしはことの 数ならで 名よりも高き 布引の滝

布引の滝は大変高名であるが、その高名さより滝が高いとその雄大さを詠っている。
伊勢物語では「長さ二十丈、広さ五丈程の岩の面を白絹で包んだ様」とある。
(一丈は約3m)

              藤原 良経  (写真) 
  山人の 衣なるらし 白妙の 月に晒せる 布引のたき

月光を浴びて滝水が真白に晒される風情で、人間界のものでなく、まさに山人即ち仙人の衣であるようだ。



布引の滝を詠んだ和歌(藤原忠通)

2005-08-31 01:45:51 | 布引の滝と和歌
                  藤原 忠通の詠んだ歌

  さらしけむ 甲斐もあるかな 山姫の たづねて来つる 布引の滝

滝の水の落下する様子を白布をさらすのにたとえ「来つる」に「着つる」をかけている。山姫は山の女神である。



7月16日にアップした「布引の滝を詠んだ和歌」の続きです。
カテゴリー「布引の滝と和歌」