新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

中国主席とローマ法王の鉢合せ

2015年09月27日 | 海外
     短篇=米中首脳会談の陰の収穫 2015年9月27日    米中首脳会談(9月25日)がワシントンで開かれた同じ時期に、ローマ法王が訪米するという鉢合せが関心を集めました。偶然の一致なのか、オバマ政権が仕組んだのか。中国はこのタイミングを嫌がったといいます。ニューヨークで国連総会が開かれ、両者が演説するとすれば、時期が重なることははじめからありえたと思います。 . . . 本文を読む

首相の600兆円目標は誇大宣伝

2015年09月25日 | 経済
     池田首相の所得計画の模倣 2015年9月25日    「あれっ」と思いました。「昔もこんなことがあったぞ」と、思いました。岸首相(安倍首相の祖父)の時代、60年安保闘争で日本が揺れに揺れました。岸退陣の後を受けた池田首相が国民心理を一新するために、「安保から経済へ」の転換を図り、所得倍増計画を持ち出しました。安倍首相のやり方もどこか似ています。   . . . 本文を読む

北方領土の日ロ対立を米国は歓迎

2015年09月23日 | 政治
     返還交渉は政治シンボル化 2015年9月23日    安全保障関連法案が成立するタイミングを待っていたかのように、岸田外相がモスクワを訪れ、日ソ外相会談が開かれました。次官級による平和条約の締結交渉の再開に合意しただけで、北方領土の返還問題はまったく進展しませんでした。  北方領土は明らかに日本の領土であり、旧ソ連が世界大戦における対日参戦の代償として . . . 本文を読む

短篇=新聞協会の消費税声明に?

2015年09月21日 | メディア論
     圧力団体といわれかねない 2015年9月21日    安全保障法案の国会審議が熱気を帯び、まもなく採決へという記事で連日、紙面が埋まっていましたね。18日の朝刊をめくっていて、「むっむっむっ」、「????」と思いました。こんなことってあるのだろうかと。  読売新聞は2面左肩に8段組みで「新聞協会が声明、財務省案に反対、軽減税率適用求める」の記事と、新聞 . . . 本文を読む

最高裁は違憲訴訟に向き合え

2015年09月20日 | 政治
   安全保障政策に見解を示せ 2015年9月20日  安全保障政策を大転換する法律が国会で成立しました。これを違憲とする超大型の訴訟が予想されています。与野党が国会で激しく対立し、さらに憲法学者の圧倒的多数が違憲だとしてきました。かれらの多くが原告団に加わると、戦後最大級の法廷闘争に発展しましょう。  最高裁は司法の判断を超えるとして、門前払いをしてはなりません。さらに多くの . . . 本文を読む

短篇=二分された反安保デモ報道

2015年09月17日 | メディア論
    自ら招く若者の新聞離れ 2015年9月17日    与党にも野党にもうんざりしています。安全保障関連法案の国会審議がまだ決着していません。わたしのすぐ横で、野党の採決引き延ばしをNHKテレビが延々と実況放送しております。野党は時間稼ぎのため、与党はガス抜きのために、ムダ遣いと知りながら貴重な情報時間を空費しています。視聴料金は割引すべきですね。  新聞は . . . 本文を読む

消費税還付は財務省のおとり作戦

2015年09月15日 | 経済
     本命は当初から軽減税率の導入 2015年9月15日    このブログを書いている15日現在、消費税10%時(17年4月の予定)の負担軽減策の財務省案に猛烈な逆風が吹きつけています。白紙撤回されるのか、大幅修正されるのかまだ決まっておりません。報道に接していても、どうにも腑に落ちないのです。財務省のおとり作戦にひっかかっている、です。    財務 . . . 本文を読む

消費増税の負担軽減めぐる暗闘

2015年09月11日 | 経済
    突出する読売新聞の猛反対 2015年9月11日    いったい何が起きたのか、何を考えているのか。消費税10%時(17年4月の予定)の負担軽減策(財務省案)をめぐる新聞界の反応です。全国紙、なかでも読売新聞の反対キャンペーンが突出しています。  財務省原案の報道は1週間前からです。与党税制協議が10日に開始されましたので、財務省がそれに向けて案をまとめ、 . . . 本文を読む

首相の無投票再選の夜の行動

2015年09月09日 | メディア論
     政界も自民も1強多弱の危機 2015年9月9日    安倍首相が自民党総裁に無競争で再選されました。翌日の新聞を広げますと、「えっ、そんなことってあるの」と思いました。首相の一日の行動を伝える日経新聞4面の「首相官邸」(短信コーナー、9日)です。「18時53分、帝国ホテルで日経の喜多会長、岡田社長ら」とあります。他紙は、「同ホテルで食事」と付記しています。 . . . 本文を読む

難民男児の遺体写真をぼかす日本

2015年09月07日 | メディア論
    衝撃を伝えないジャーナリズム 2015年9月7日    エーゲ海の浜辺に打ち上げられたシリア難民男児の遺体写真は、間違いなく世界史を記録する迫真の一枚になるでしょう。この写真に特に欧州は衝撃を受け、大統領、首相、欧州連合(EU)を動かし、難民対策は新しい段階を迎えました。メディアの危機といわれる今、第一級の報道写真はどう扱われたのでしょうか。  日本のメディアは何 . . . 本文を読む

奇怪な消費増税時の負担軽減案

2015年09月06日 | 経済
    突然、浮上は財務省の裏技か 2015年9月6日    新聞記事の解釈で、こんなに首をひねることはめったにありません。2017年4月に予定されている消費税10%への引き上げ時の負担軽減策をめぐり、裏で何がおきているのだろうと、思わず考え込みました。  これから自公両党の税制協議が始まろうとする矢先に、読売新聞が4日夕刊で、財務省案を報道したのです。新聞社の . . . 本文を読む

デザイン盗用の陰に五輪ビジネス

2015年09月04日 | 社会
   人間の祭典が販売促進の祭典に 2015年9月4日    東京五輪エンブレムのが「ひょっとしたら盗作かな」という初期の段階で、油絵を趣味にしている友人が「これは工業デザインのタイプ。人間味に欠ける。採用してはいけない」という感想を寄せてきました。「スポーツ界の最高の祭典なのに、それに値する人間の持つ底力が表現されていない」と。  今になって思うと、リオデジャネ . . . 本文を読む

五輪関係者の責任回避にあきれる

2015年09月01日 | 社会
     人ごとのような発言を断罪する 2015年9月2日    東京五輪のエンブレムが白紙撤回されたドタバタ劇を拝見していまして、だれも責任を取ろうとしないのに驚きました。これは、自分こそが責任者だ自覚している人が不在であることを証明しています。責任者が不在だから、盗作同然の作品をつかまされたのに、関係者は知らんぷりを続けてきたのでしょう。  大会組織委員会の . . . 本文を読む

エンブレム撤回で関係者を首に

2015年09月01日 | 社会
  腹立たしかった解決能力の鈍さ 2015年9月1日    東京五輪エンブレムの盗作、模倣騒ぎにやっとケリつきましたね。素人の常識的な判断力が、業界関係を含む専門家の見苦しい感覚に勝りました。盗作という犯罪的行為に等しい作品の使用停止を大会組織委員会(JOC)が決めました。今ごろになってやっと、ですね。  これはジャパン・プロブレムです。つまり決められない日本、決めない日本 . . . 本文を読む